【みゆな/ふわふわ】の歌詞の意味を徹底解釈 | 擬音語で表現される消えそうな恋人。みゆなの才能が光る一曲
編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19
ふわふわってどんな曲?
新進気鋭の現役女子高生シンガーみゆなによる色気全開の骨太バラード「ふわふわ」。
柔らかな雰囲気のある曲名からは想像できない程セクシーで情熱的な一曲です。
なんとこの曲、みゆなが中学3年生の頃ギターを持って初めて作った曲だというのだから驚き。
中学生が描けるとは思えない程の大人の儚い恋愛と女性の憂鬱を見事な歌唱力で歌い上げられています。
その鮮烈な才能とそこはかとない色気はまるで椎名林檎を彷彿とさせ音楽
ファンの中でも話題ですが、実際「丸の内サディスティック」を練習中に浮かんできたのがこの曲だそう。
そのような経緯もあり第二の椎名林檎とも名高い彼女ですが、「ふわふわ」はみゆなにしか出せない独特の感性と若き才能が爆発したオリジナリティ溢れる衝撃のナンバーとなっています。
ふわふわという曲名の意味を考察
なんとも可愛らしくてゆるい雰囲気を纏う曲名「ふわふわ」。
そのタイトルに油断して聴くと強烈な迫力を持つ曲とのギャップに圧倒されてしまうことでしょう。
それもそのはず、この「ふわふわ」には綿毛のように「今にも消えてしまいそうな様子」という意味が秘められているのです。
地に足のつかない大人の恋愛。
一度でも手を離せばどこかへ消えてしまいそうな恋人。
そんな儚い対象を「ふわふわ」ということばで表しています。
そしてふわふわと消えてしまいそうなのは恋愛や恋人だけではありません。
今にも消えてしまいそうなのは誰なのか、ラストのサビまで注目です。
ふわふわの歌詞の意味を徹底解釈
1番
あなたの香りで目覚めた。
あなたの甘い誘惑
疲れ果てた私の
頬をそっと撫でる。
あなたと夜を共にして、隣で目覚めた。
あなたの魅力にやられてしまってつい思い通りになってしまったね。
そんな疲れた私に愛おしげに触れてくれるあなた。
初っ端から色気に溢れる歌詞です。
「あなたの香りで目覚めた」
このフレーズだけで、恋の相手と夜を過ごしたことがわかります。
このシンプルさに歌声が混じることでよりセクシーな雰囲気を醸し出しています。
目の前に広がる天井。
二人揺られ泣く頃。
疲れ果てた私の
カラダにそっとキスをする。
二人ベッドの中で抱き合い、私は天井を見上げている。
そうして疲れた私の身体にあなたがキスをしてくれる。
より直接的な恋人同士の甘い時間が示唆されています。
「二人揺られ泣く」も「泣く」と「鳴く」をかけておりよりイメージが鮮明になるシンプルかつセクシーなフレーズです。
それにしてもわずか15歳でこのような歌詞を描くなんて、恐ろしい才能ですね。
悲しいことがあった日はさぁ
強めのお酒で酔いつぶれて
辛いことがあった日はさぁ
あなたの胸で泣き潰れて。
悲しい時はお酒を飲んで忘れよう。
辛い時はあなたに慰めてもらおう。
涙が出るような悲しみを忘れるために、お酒に溺れる。
そんな大人の女性がここで描かれています。
そして辛い時は恋人に胸を借り泣き晴らす。
彼女の中での「あなた」の存在感はとても大きいようです。
そして、お酒や恋人に頼ることでしかネガティブな感情を切り払うことが出来ない女性の依存性や弱さも察することが出来ます。
どこか消えてしまいそうだ。
ふわふわと飛んでしまいそうだ。
この矛盾だらけの世界で
嘘笑って息吸って吐くのが
だるいだるいだるいよ
だるいだるいだるいよ。
あなたはすぐに消えてしまいそう。
ふわふわと綿毛みたいにどこかへ行ってしまいそう。
嘘だらけの世界で作り笑いをして、あなたの機嫌をとって生き続けている。
それが気怠くて仕方ない。
ふわふわと飛んでいってしまいそうな恋人。
そんな恋人に置いて行かれないように、作り笑いで彼の機嫌を伺うばかりの女性。
恋人のために自分を押し殺して言いなりになっているのかもしれません。
そんな毎日がとにかく「だるい」。
そんな憂鬱な心情をアンニュイな歌声が引き立てます。
そんな目で私を見ないで
そんな手で私をさわらないで
あなたのことなんかとっくに殺してんだから
そんな目で私を見ないで
そんな目で私を見ないで
見ないで見ないで見ないでよ
優しく私を見つめないでほしい。
優しく私に触れないでほしい。
あなたの存在なんてもう忘れるって決めたから。
もう私のことなんて見ないで。
私の視界に入らないで、忘れさせて。
「そんな目」や「そんな手」とは優しさや愛に溢れた目つきや手つきのことを指しています。
もう終わりにしなければいけないのに、彼は変わらず優しくしてくるので主人公はどうしても期待してしまうのです。
だからこそ擬似的に心の中で彼を殺して存在ごと無かったことにしようとしています。
自分のことなんて考えないでほしい、もう彼のことなんて考えたくない。
どうしてもこの恋愛を断ち切らなければいけない、そんな彼女の切羽詰まった心境が伺えます。
2番
悲しいことがあった日はさぁ
強めのお酒で酔いつぶれて
辛いことがあった日はさぁ
「あれ、誰の胸で泣いてたっけ」
悲しいことはお酒を飲んで忘れよう。
辛いことは、愛する人に胸を借りて慰めてもらおう。
あれ、でも、今まで誰に慰めてもらっていたっけ?
事態は急展開を迎えます。
辛い時にはいつも胸を借りて慰めてもらっていたはずの「彼」の存在が完全に消滅していますね。
これは主人公の女性が恋人との縁を断ち切ったことを表しています。
忘れてしまった、というよりは気持ちを切り替えたようです。
薄情とも取れるけれど、後ろは振り向かない女性特有の強さ。
そんな不思議な魅力が歌われています。
どこか消えてしまいそうだ。
ふわふわと飛んでしまいそうだ。
この矛盾だらけの世界で
嘘笑って嗤って笑って
恋は、恋人はすぐに消えてしまう。
嫌になるこんな世界でも前を見続けなくちゃいけない
主人公の厭世観が描写されています。
それでも圧し負けずに、去った相手を嘲笑うほどの余裕を持たなければ生きていけません。
女性としての健気さや強さを求められている主人公が「笑わなければいけない」と強迫観念に襲われているようにも見えます。
また、辛い時に胸を借りる相手がいなくなった今や、辛さを飲み込んで笑うことしか出来ないのかもしれません。
どこか消えてしまいそうだ。
ふわふわと飛んでしまいそうだ。
この矛盾だらけの世界で
嘘笑って息吸って吐くのが
だるいだるいだるいよ
だるいだるいだるいよ。
だるいだるいだるい、、、
この世界にあるもの、全てがいつか消えてしまいそうに儚い。
こんな嘘だたけの世界で何もなかったよう生き続けるなんて出来るだろうか。
傷ついたまま、強く生きていけるだろうか。
とにかく今は憂鬱が止まらない。
「ふわふわ」と「どこか消えてしまいそう」なのは恋や恋人だけでしょうか。
ラストのサビが纏う悲痛な雰囲気の中で、消えてしまいそうなのはこの主人公も同じなのではないかと思わされます。
嘘だらけ敵だらけの世界で笑って生きていくことを憂う主人公。
そんな主人公自体がどこかへ飛んでいって消えてしまいそうです。
そう捉えた時、繰り返される「だるいよ」の重みも増しますね。
儚い恋を憂う主人公のコケティッシュでアンニュイな雰囲気が妖しく光っているようです。
まとめ
「ふわふわ」は儚い恋への憂いや生き続けることの気怠さが女性目線で歌い上げられたナンバーです。
ふわふわと今にも飛んで消えてしまいそうなほど不安定な「恋」と「恋人」、そして「自分」。
そんな儚い存在をしっとりと、そして情熱的に歌い上げた若き才能に称賛を禁じ得ません。