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【米津玄師/ナンバーナイン】の歌詞の意味を徹底解釈 | ルーブル美術館特別展公式ソングに起用された一曲を徹底考察!

編集: ひいらぎ 最終更新:
目次

ナンバーナインという曲名の意味を考察


この曲はルーヴル美術館特別展『ルーヴルNo.9~漫画、9番目の芸術~』の公式ソングとして製作されました。

美術史の観点からすると漫画は新しいジャンルのはずですが、それまでの絵画手法から独立して現れたものではありません。古代から現代に至る多様な変遷を汲んで発展してきた表現方法と考えられます。

既成の作品に影響を受けた作家が自己の感性で咀嚼し再構築し、生み出された新しい作品が別の作品に繋がっていく、そうした発達史は、そのまま人間の歴史や個人の人生史に当てはめることもできます。

過去と未来が現在を通じて繋がる様子を描いたこの曲では、「ナンバーナイン」は番号としてではなく、積み重ねてきたもの、繋がっていくものと解釈するのが適切です。


ナンバーナインの歌詞の意味を徹底解釈

1番

歩いていたのは 砂漠の中 遠くに見えた 東京タワー
君の抱いていた ボロいテディベア 笑ってみえた どこへ行こうか
米津玄師 -ナンバーナイン

解釈砂漠の中を歩いていた。遠くに東京タワーが見えた。
君の抱いていた古いテディベアが笑っているように見えた。どこへ行こうか。

「東京タワー」が「遠くに見え」る「砂漠」、文明の消滅した未来が浮かび上がります。まるでSF世界のようです。

SFならば、ここから人類の生き残りをかけた技術開発やらサバイバル競争やらが繰り広げられるところでしょうが、曲中の主人公たちは「テディベア」と一緒に朗らかな散歩を楽しんでいます。

彼らにとっては「砂漠」化した街は当たり前の生活環境なのです。

 

海みたいに 砂は燃えた かつてはここで 人が生きた
先を急いだ 英知の群れが 壊したものに 僕らは続いた
米津玄師 -ナンバーナイン

解釈海みたいに広大な砂漠、ここで人が生まれ死んでいった。
発展の果てに壊されたもの、僕らはその上に生きている。

「海」は「砂漠」の広大さを表していて、同時に日光を弾く水面と砂塵の照り輝く様子とが重ねられていると考えられます。

また、「海」は原初全ての生物が発生した源ですから、命の誕生が連想されます。「燃える」と言う言葉には、一つの命が生を全うするニュアンスが含まれています。

「砂」の一粒一粒を個別の命と捉えると、この「砂漠」が今に至るまでに経過した時間と、その中で生まれ死んでいった命とが、いかに膨大であるかが伺えます。

「先を急いだ」「英知の群れ」は発展し過ぎた文明のことと解釈できます。かつて繁栄した東京を「壊した」要因です。「僕ら」の時代は、破壊の果てに築かれた「砂漠」の上にあります。

 

惑いも憂いも化石になるほど 嘘みたいな未来を想う
切なくなるのも馬鹿らしいほど 優しい未来
米津玄師 -ナンバーナイン

解釈僕の惑いや憂いが過去の遺物になるくらい遠い未来に想いを馳せる。
この切なさが馬鹿らしくなるほどに優しい未来。

「化石」は長い年月をかけて作られるものです。

今を生きる「僕」の感情が「化石になるほど」の「未来」と言えば、当然はるか先の時代のことですから、「僕」がどんなに想像力を働かせても正確なことはわからず、きっと「嘘みたい」な世界を思い浮かべていることでしょう。

自分が生きている今現在も、そして自分自身も、いつかは過去になり消えていくことを想像すると「僕」は「切なくなる」ようですが、時代の変化や消滅に対して悲観的になっているわけではありません。

むしろ「優しい未来」と言っていますから、新時代が訪れたら訪れたで、その時代に生きる人々も「僕ら」と同じように平凡な日常を享受しているだろうと楽観しているように思われます。

 

恥ずかしいくらい生きていた僕らの声が 遠く遠くまで届いたらいいな
誰もいない未来で起きた呼吸が 僕らを覚えていますように
米津玄師 -ナンバーナイン

解釈懸命に生きる僕らの意思が、ずっと未来の誰かに届いたらいいな。
僕らのいなくなった時代にも、僕らの生きていたことを覚えていてもらいたい。

「生きてい」ることを「恥ずかしい」と感じるのは、失態を犯した時や負の感情に苛まれた時です。

また、失態や苦痛に恥辱を覚えるのは、それだけ真面目に人生に向き合っている証拠とも言えます。つまり「僕ら」は「恥ずかしいくらい」誠実に「生きていた」のです。過去形になっているのは、彼らが生まれてから今に至るまでの時間の流れがこの表現に含まれているためと考えられます。

「声」は意思と読み替えることができます。「遠く遠く」ははるか先の時代、「誰もいない未来」は、今生きている全ての命が消滅した後と、それぞれ解釈できます。

時間の流れを意識している「僕」は、自分たちが生きている現在を歴史の一部と捉え、いつか過去になり未来に繋がっていくものと考えているはずです。

ずっと後の時代に生まれ落ちた誰かが「呼吸」をする時、その頃には過去のものと化している「僕ら」の存在に、自分が今そうしているように気付いてほしいと、彼は願っています。

 

2番

眩しくてさ 目を閉じたんだ 枯れた川を 辿りながら
ほんの向こうで 君の声が 呼んでいたんだ 確かに僕を
米津玄師 -ナンバーナイン

解釈眩しくて目を閉じた。枯れた川を辿っていた時だった。
ほんの向こうで確かに君が僕を呼ぶのが聞こえた。

「枯れた川」も、かつては人々の生活を支えていたはずです。その場所を「辿」ると言うことは、過去に生きた人々の足跡を「辿」ることと解釈できます。

「ほんの向こう」は、対して、少し先の未来と読み取ることが可能です。未来からの呼びかけを「確かに」感知している「僕」は、流れ続ける時間と共にいます。

 

未来と過去が 引っ張り合うんだ か弱い僕らの 両手を掴んで
痛むことが 命ならば 愛してみたいんだ 痛みも全て
米津玄師 -ナンバーナイン

解釈脆弱な僕らを未来と過去が引っ張り合う。
生きることが痛みを伴うなら、痛みすら愛してみたい。

「両手を掴んで」反対方向に「引っ張り合」いをされたら、「か弱い」人間の体は裂けそうになります。それは生きる上で不可避の「痛み」ですが、「僕」は「全て」受け入れようとしています。

 

いまだに心は不揃いなままで 息苦しくなる夜もある
言い訳みたいな美意識すら 消えちゃう未来
米津玄師 -ナンバーナイン

解釈気持ちはいまだに整わないままで、辛くなる夜もある。
美意識も醜悪も未来には消えているだろう。

「心」の中がきちんと整って思考の一貫性を保つことができれば、悩みや苦しみに苛まれることは少なくなるでしょう。

しかしそんな場合は稀で、大抵の人は自分自身の感情や思考に整理が付けられず「息苦しい」思いを抱えているのではないでしょうか。「僕」もその例に漏れません。

「美意識」を「言い訳」と重ねているところから、本音と建て前の使い分けに似た心苦しさが感じられます。

それらの感情も「未来」には「消え」てなくなっているはずです。「僕」はそこに「切な」さと同時に救済を見出しているように感じられます。

 

砂に落ちた思い出が息をしていた 遠く遠くから届いていたんだ
誰もいない未来の僕らの声が 美しくあれるように
米津玄師 -ナンバーナイン

解釈誰かの過去が足元にあった。ずっと昔の思いが僕らに届いた。
僕らのいなくなった未来にも、僕らの意思がちゃんと残っていますように。

「思い出」は過去のものです。「砂」は過去に生きた人々が遺したものであると同時に「僕」の生活の基盤でもあります。現在の「僕」が過去を発見し、それが「息をしてい」る、つまりまだ生きていることに気付くのは、「僕」が生まれる前の時代と現在とが繋がったことを表しています。

「僕ら」の死んだ後の時代にも同じことが起こるなら、未来の誰かと現在の「僕ら」とが繋がることも可能です。「僕」はそれを期待しています。


何千と言葉選んだ末に 何万と立った墓標の上に
僕らは歩んでいくんだきっと 笑わないでね
米津玄師 -ナンバーナイン

解釈何千もの意志の上に、何万と残された足跡の上に、
僕らも新しい足跡を刻んでいく。真面目な話だよ。

「言葉」は「声」と同じく思いの表出と解釈できますが、より具体的で意識的なものなので、意思ではなく意志と捉えています。「墓標」はかつて誰かが生きていた証拠です。

過去のそれぞれの時代に人々が思い、選び、作ってきた世界がありました。「僕ら」も未来の人々も、その流れを引き継いで新しい時代を作っていきます。

当たり前のことを言っているようでもあり、少々大仰なようでもあり、発言しながら「僕」は「笑わ」れることを予期しています。しかし、先人に想いを馳せるのも、自分の時代が未来の礎になると期待することも、決しておかしいことではないはずです。

 

恥ずかしくらい生きていた僕らの声が 遠く遠くまで届いたらいいな
誰もいない未来で起きた呼吸が 僕らを覚えていますように
米津玄師 -ナンバーナイン

解釈懸命に生きる僕らの意思が、ずっと未来の誰かに届いたらいいな。
僕らのいなくなった時代にも、僕らの生きていたことを覚えていてもらいたい。

一度解釈したので割愛します。


砂に落ちた思い出が息をしていた 遠く遠くから届いていたんだ
誰もいない未来の僕らの声が 美しくあれるように
米津玄師 -ナンバーナイン

解釈誰かの過去が足元にあった。ずっと昔の思いが僕らに届いた。
僕らのいなくなった未来にも、僕らの意思がちゃんと残っていますように。

一度解釈したので割愛します。


何千と言葉選んだ末に 何万と立った墓標の上に
僕らは歩んでいくんだきっと 笑わないでね
米津玄師 -ナンバーナイン

解釈何千もの意志の上に、何万と残された足跡の上に、
僕らも新しい足跡を刻んでいく。真面目な話だよ。

一度解釈したので割愛します。