【あいみょん/鯉】の歌詞の意味を徹底解釈 | 主人公の2種類の後悔とは
編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19
鯉という曲名の意味を考察
「鯉」と言えば、少し汚い池に生息する魚ですが、「鯉」とはどういう意味で曲名に使われているのでしょうか。
曲名だけでは推測できないので、少し歌詞を引用してみます。
逃がした魚が大きいと
私の心もすっかりぽっかり
馬鹿でかい穴が空くよ
この歌詞の「逃がした魚」という部分が鯉なのだと思います。あいみょんは「恋」について歌うことが多く、「逃がした魚が大きい」ということわざがあるくらいですから、「鯉」という言葉で「私」ではない誰か(おそらく私の恋人)を表現しているのでしょう。
また、他の綺麗な魚を曲名にするのではなく、「鯉」という比較的汚い魚で「私」ではない誰かを表現していることから、主人公は「私ではない誰か」は少し悪いイメージを持っているのかもしれませんね。
鯉の歌詞の意味を徹底解釈
逃がした魚が大きいと
私の心もすっかりぽっかり
馬鹿でかい穴が空くよ
解釈一度は手に入れた「あなた」を逃がしてしまってから、前よりも魅力的に感じてしまって、
なんだか心に穴が空いてしまったようだわ。
「あなた」を見るたび心の穴が大きくなっていく。
先ほど曲名の意味でも考察した通り、逃がした魚=「私」の恋人であるという解釈です。
「あなた」が「私」から逃げてしまった理由は述べられていませんが、歌詞からわかるように、「私」=主人公が後悔していることから主人公側に非がありそうですね。
魅力的だと言ったでしょ?
私のこの眼を
じゃあ見つめてみて
眼で確かめてね
ねぇ ね。
解釈私のこと魅力的だって言ってたじゃない?
私の眼を見てもう一度私に惚れてよ?ねえ?
「ねぇ ね」という歌詞がまたいい味を出していますよね。
この3文字だけで、私に惚れて欲しいけど口には絶対出せないという主人公の想いをより増幅させ、「あなた」にこの気持ちを察して欲しいとすがる様子まで加えて表現しているんですよね。
街角で彷徨うシンデレラ
もうそう思うしかない
行ったり来たりのハイヒール
折れてしまうわ
解釈私を街で出会いを探すシンデレラ
そうやって自分を肯定するしかない。
あっち行ったりこっち行ったり出会いを探すのも疲れてしまうわ。
「逃がした魚が大きい」とすら感じる「あなた」に逃げられてしまって、「私は世界一美しいのよ。だからすぐ彼氏なんてできるわ」と自分を肯定することでしか、「あなた」を忘れることができないのかもしれませんね。
しかし、現実はそう甘くありません。続く歌詞で主人公が苦労する様子が描かれていますね。
耳をすませばワンコール
少しの光がキラキラと
私の前に現れるのを待っちゃってます
解釈少しでも気がぬけばもう一度、「あなた」が私に振り向いてくれないかな。なんて思ってしまいます。
音というものは、意外と意識して聞かないと聞こえないものです。そこから、「耳をすませば」という歌詞で「少しでもあなたを意識してしまったら」ということを表現しているのだと思います。
そして、「少しの光」という歌詞。これは、「あなた」自身というよりも、「あなた」ともう一度関われる口実であったり、イベントや、出会いのことを指しているのだと思います。
なれない なれない
あなたのものにはなれない
いらない いらない
そんなヤケクソなんて
解釈私はもう、あなたの彼女にはなれないのかな。
ダメだダメだ。自暴自棄になるな。
ヤケクソとは自暴自棄のこと。自暴自棄とは、(失望などが原因で)自分の身を粗末に扱い、やけくそになること。という意味があります。
つまり、この歌詞は「あなたの彼女」になれないと悟った主人公が、自暴自棄になって大して好きでもない人と付き合いそうになったところを、思いとどまったという歌詞なのだと思います。
寂しさや不安で、恋人と別れた直後は他の異性を求めがちです。しかし、一度冷静になって考えて見ることも大切なのかもしれませんね。
ああ ジーザス こんな結末を
誰が予想しましたか
ああ 結局私がチョロいと
思われて完結、ああ
解釈ああ、神様。私と「あなた」の関係がこんな終わり方になるなんて・・・なんでなんですか。
あーあ。結局私がちょろいと思われたんだ。
ジーザスとはイエス・キリストの「イエス」の英語読みのこと。ネイティブは「おお神よ」みたいな表現で使っています。
先ほど、歌詞の冒頭の部分の解釈で、「主人公側に非がある」と考察しましたが撤回します。
別れた原因を作ったのは、「私がチョロいと思われた」という歌詞から、「あなた側」であると考えられます。きっと、「あなた」が浮気でもしてしまったのでしょう。
でも、なぜ主人公が後悔しているのか気になりませんか?
おそらく、主人公の後悔は「あなたと別れてしまった後悔」「浮気に至るまでにできることはなかったのか」という後悔の2種類あるのだと思います。
前者は曲中を通して歌われていて、前面に出ている後悔で、後者は主人公の心の奥底に眠る後悔なのでしょう。
二つの後悔が入り混じって主人公を混乱させているのかもしれませんね。