【みゆな/天上天下】の歌詞の意味を徹底解釈 | 自分は他の誰でもないから。
編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19
天上天下ってどんな曲?
「天上天下」は女子高生シンガーみゆなが歌うファンキーでポップなアップテンポナンバー。
ライムの効いたことば遊びが楽しいラップ調のリリックと中毒性が高く耳心地の良いメロディーが魅力的です。
また、この曲はアニメ「ブラッククローバー」のエンディング曲。
みゆなが歌い上げる同アニメのオープニング曲「ガムシャラ」とはグッと印象も変わっており、彼女の幅の広さとポテンシャルが高く評価されています。
自己嫌悪や不満といったネガティブな感情をありったけ書き出すことでそれを乗り越えて吹き飛ばすような曲にした、という制作背景も語られており、「自分らしく生きる」というブラッククローバーのキャラクターにもぴったりのメッセージ性が込められています。
アニメと親和性の高いファンタジックな雰囲気と今の時代を切り取ったような生々しさの絶妙なバランスは唯一無二。
一度聴いたら忘れられないエキセントリックなナンバーです。
天上天下という曲名の意味を考察
「天上天下」の曲名は、誰もが知る偉人の伝説と彼の発した「天上天下唯我独尊」という名言から出来しています。
その偉人とは仏教の生みの親であるお釈迦様のこと。
お釈迦様はこの世に生まれ落ちたその直後に七歩歩いて右手で天を、左手で地を指して「天上天下唯我独尊」と言葉を発したと言われています。
この言葉は一般的に「世界で自分だけが尊くて偉いんだ」という自己中心的な意味に解釈されていますがこれは誤り。
「どんな人も対等で一人一人が尊く、目的を果たす為に人間に生まれてきた」という意味が真であると言われています。
この曲でも「天上天下唯我独尊」というフレーズ自体は頻繁に出てきます。
ここには「夢を叶えるために生まれてきた、他の誰でもない自分」という意味が込められているのでしょう。
天上天下の歌詞の意味を徹底解釈
1番
天上天下 気にしたってしょうがない
まだまだ一懸命 くたくたになるまで
自分を磨いたら 唯我独尊
なんせ誕生したんで ひとつよろしくなんです
まわりを気にしても意味がない。
じぶんが成長することだけを考えて、孤高でいよう。
そして自分を愛そう。
なんていったって折角生まれたのだから、人生を謳歌しようじゃないか。
「天上天下唯我独尊」の意味は前項で説明しました。
各々については、「天上天下」が「世界・宇宙の全体」という意味。
「唯我独尊」は「自分だけが尊い」という意味。
世界の全てを気にしていても果てしがないのだから、先ずは自分のことに集中する。
そうして世界にたった一人の自分を愛せばいい。
ポップなメロディーの中にそんな直向きで真摯なメッセージが秘められています。
天上天下 って手を伸ばしたら届きそうだけど
行ったり来たり行き当たりばったりな
その場その場しのぎ みたいなシーンがたくさん
これふぁぼ・RTで拡散
どうぞお客さん ここで爆誕
全て合算したら発散すれば
手を伸ばせば世界の全てが手に入りそう。
気が大きくなってそう思うこともあるけど、なんだかんだうまくいかない。
そんなことがたくさんあった。
だからSNSで世界と繋がった気になるんだ。
みんな、私の存在に気付いて。
「ふぁぼ」「RT」はツイッターの機能ですね。
こうしたフレーズがグッと曲の世界観をリアルにしています。
手を伸ばしても届かないはずだった広い世界が、いつのまにやら手のひらサイズに収まっている。
だからこそインターネットを通して全世界に自分の存在を知らしめることが出来た、インターネットが発達することで生じた不思議な感覚がコミカルに歌われています。
愛だの恋だの んなもんは
僕らが通り越して
まだ名前などないその輝きを
己の中に 見つけるんでしょう?
愛や恋なんてつまらないものに縛られずに、名前もつかないけれどもっと大切な感情を大切にしよう。
恋愛よりも夢中になれるものに目を輝かせる主人公。
自分の中にある可能性を信じて、自分を愛することの大切さを歌っています。
“天上天下 皆 唯我独尊”
個々は此処にいるってことで
あれでもないこれでもない
今この瞬間生まれたひと?(はーい!)
どこにいても変わらないで
Oh yey yey yeah
この世にひとりだけの他の誰でもない自分を愛して。
私はここにいる。
悩み迷うこともあるけれど、いつだって生まれたばかりのような新しい気持ちで。
どこでだって、自分らしくいよう。
既述のように、「天上天下唯我独尊」とは「どんな人も対等で一人一人が尊く、目的を果たす為に人間に生まれてきた」という意味です。
「今この瞬間に生まれた人」というフレーズも、釈迦が生まれた瞬間に発したこのセリフと掛けています。
生まれたてのように新鮮な気持ちで力強く生きていけばいい。
このサビで歌われるのは「自分はここにいる」という確固たる己の存在と「あなたはこのままでいい」という力ありったけの肯定です。
2番
つまり、すなわち、言ってみただけ。
「どんなもんだ!」って
いやまだまだバラバラだったww
ならばさらばじゃダラダラな妾
パッパラパーな頭は延長ですね!?
ノッてきな(ヘイ!)so チェキラ(ヘイ!)
ご検討お祈りして!
とにかく行動あるのみ、バラバラなままでもやってみたんだ。
やりたいことをやればいい、退屈なことなんてすぐ辞めてしまおう。
難しいことなんて考えないまんまでも、きっと上手くいくから。
「w」等のネットスラングや砕けた言葉が彩る曲中でも最もポップなパートですね。
自信がなくたって勇気を持って行動してきた、そんなみゆなの生き様が垣間見えます。
もし失敗しても、明るく何度でも挑戦すればいい。
難しいことを考えて雁字搦めになんてならないでいい。
そんな意味が込められています。
就活でのお決まりの言葉、「ご検討を御祈りします」が引用されたフレーズも小気味が良いでずね。
愛だの恋だの んなもんは
僕らが通り越して
あの黒い闇を晴らす輝きが
この手の中に 眠ってるでしょう?
目の前に立ちはだかる絶望を自分の力で乗り越えなくちゃいけない。
だからこそ、今必要なのは、愛や恋じゃないんだ。
「あの黒い闇」は今後訪れる挫折や失敗の予感を示唆しています。
それを乗り越えるための計り知れぬ強い意志こそが、主人公の求めるものなのです。
“天上天下 此 唯我独尊?”(そう!)
全て合算したら発散すれば
愛だの恋だのよりもっと
大きなもんを抱いて
他の誰でもない この魂で
道なき道を 走ってくんでしょう
この世にひとりだけの他の誰でもない自分を愛して。
欲求不満が溜まったのなら我慢せずにぶちまけよう。
愛や恋を越えるほど大きな意志を持って、自分の力で夢を叶えよう。
主人公が溜まりに溜まったフラストレーションをぶちまけて開き直る、清々しいサビです。
世界にひとりだけの自分を貫いて、まだ透明な未来へとひた走って行きます。
“天上天下 皆 唯我独尊”
個々は此処にいるってことで
あれでもないこれでもない
今この瞬間生まれたひと?(はーい!)
どこにいても変わらないで
Oh yey yey yeah
一度解釈したので割愛します。
生まれ変わったように新しい気持ちで、変わらない自分を生きる。
葛藤の中で背筋を伸ばして前のめりに進む若者が生き生きと描かれています。
当たり前なの 何者でもないもの
いつだって どこだって
僕は僕でいたいんだ
“天上天下 皆 唯我独尊”
誰にもまだ知られていない、何者でもない僕。
それで当然だ。
他の誰でもない、自分は自分なのだから。
この世にひとりだけの他の誰でもない自分を愛そう。
まだ無名であるけれど、必ず夢を叶える。
決して自分を見失わない。
そんなパワーと希望に満ち満ちた主人公が描かれた開放感に溢れる前向きな歌詞です。
まとめ
「天上天下唯我独尊」という誰もが知るフレーズを印象的に使うことで絶妙なインパクトを残すアップテンポナンバー、「天上天下」。
端々に詰め込まれた遊び心溢れるギミックが魅力的です。
しかしポップなだけではなく、聴けば聴くほど深みに引き込まれるエモーショナルなナンバーでもあります。
センスあふれる語感の良い歌詞には、「自分らしく生きる」「自分を愛する」というメッセージが秘められているのです。