【King Gnu/傘】の歌詞の意味を徹底解釈 | 「アルフォート」のCMソングを徹底考察する!
編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19
傘という曲名の意味を考察
日本での『傘』から考察
傘は、雨や雪、日光などが身体に当たらないように守る役目があります。
傘というと一般的に傘を意味しますが、近年では日傘も浸透してきました。
歌の中では、身体に当たらないように守ろうとする、自己防衛の意味が傘という言葉には含まれていると考えられます。
欧米での『傘』から考察
欧米では、雨傘と日傘で別の言い方があります。雨傘(アンブレラ)は、『影を作るもの』という意味があり、日傘(パラソル)は、『太陽から守る』という意味があります。
この曲の題名は『傘』のみになっており、雨傘なのか日傘なのか明記されていませんが、歌の歌詞に『土砂降り』という言葉が出てくるので、雨傘をイメージするのがよさそうです。『影を作る』という意味が、落ち込んでいる心を指しているようにも感じ取れます。
今回は日本での傘の意味に重点を置き、傘は傷ついた心を守ろうとする自己防衛の役割があるとここでは解釈していきます。
傘の歌詞の意味を徹底解釈
1番
さよなら
ハイになったふりしたって
心模様は土砂降りだよ
傘も持たずにどこへ行くの?
(別れた恋人へ向けて)さよなら
元気に振舞ってみても
心はとても落ち込んでいて立ち直れない
身を守る術もなく僕はどこへ向かっていくのだろうか
「さよなら」という別れの言葉からの歌い出し。別れた恋人に向けた言葉でしょうか。
ハイになったふりをしているということは、本当は落ち込んでいるのに無理に明るく振舞おうとしているということです。
心の様子を意味する『心模様』は、『土砂降り』であると説明しています。かなりのどん底の心境なのです。
『傘も持たずにどこへ行くの?』は、土砂降りで落ち込んだ心を守る術がない、精神的に余裕がない状態を意味していると捉えられます。行き場なくフラフラとさまよっている感じが伝わります。
あれこれ
不安になったってどうしようもない
”運命でしょ?”
曇りガラス越しのあなたには
もう何も届いちゃいない
(何が原因で別れてしまったのだろう、自分の何が悪かったのだろうなどと)あれこれ不安になって考えても解決できないからどうしようもないな
「これは運命だったから仕方がなかったんだよね?」ってあなたにききたいけれど、
もうあなたは遠くにいて声も思いも届かないからがっかりだ
別れたことについて、主人公はあれこれと不安を頭の中で巡らせています。そして、自分の中で考えても『どうしようもない』と自身に言い聞かせています。
『曇りガラス』という言葉からは、はっきりと姿が見えず、二人の間には大きな隔たりがある様子が想像できます。『もう何も届いちゃいない』という言葉から、伝えたいことがあるのに伝わらないことへの失望感が感じられます。
3回目のアラームで
ようやく起き上がれそうな朝
眠い目を擦りながら
顔を洗ってコーヒーを流し込め
3回目のアラームでようやく起き上がれそうなぐらいの寝不足の朝だ
眠い目を擦りながら顔を洗い、コーヒーを飲んで何とか目を覚まそうか
3回目のアラームでようやく起きられそうなほど、主人公は悩み疲れて寝不足です。コーヒーのカフェインで、なんとか目を覚まそうとします。
運命なんてハナから
信じきれやしないよな
深読みのし過ぎばかりじゃ
満たされやしなくて
(信じていても裏切られるのが怖いから)運命なんて最初から信じきれないよな
(相手の心を)憶測で深読みして考えてみても
何か確信が得られるというものでもないし
『運命なんてハナから信じきれやしない』というのは、信じたいけれど裏切られるのが怖いので疑心暗鬼になってしまう様子が表れています。
『満たされやしなくて』ということをあえて言うのは、満たされたいという思いが裏側にあります。相手が本当に運命の人なのだろうか?と、安心したいがために相手の心を深読みしてきたことが、かえって、別れという悲劇を生んでしまったのかもしれません。
もっと話したいんだ
もっと近づきたいんだ
遠くで眺めていたく無いよな
どんな時だって
本当は、(別れたあなたと)もっと話したいし近づきたい
その思いは、出会ったあの日から今日まで変わっていないし、これからもずっと変わらないのに、あなたは遠い人になってしまった
ここで、主人公は『もっと話したいんだ』『もっと近づきたいんだ』と、別れた相手への思いが溢れ出します。
『遠くで眺めていたく無いよな』の後の、『どんな時だって』という部分は、過去も今も未来も同じ気持ちであるだろうと言っており、初めて相手に恋をした時のことも思い出している可能性が考えられます。
さよなら
ハイになったふりしたって
心模様は土砂降りだよ
傘も持たずにどこへ行くの?
一度解釈したので割愛します。
先程と同じ歌詞ですが、主人公の具体的な心境を知るとまた聴こえ方が深まってきていますね。
あれこれ
不安になったって
どうしようもない
“運命でしょ?”
曇りガラス越しのあなたには
もう何も届いちゃいない
一度解釈したので割愛します
2番
ガラス片を避けながら
直行直帰落ちる毎日さ
満員電車に息を潜め
鳴り響いたベルが発車の合図さ
(自分を守る気持ちの余裕がない僕は)あなたを思い出すたびにガラスが突き刺さるような心の痛みを感じる
ただ集団の流れに身を隠して、あなたのことから意識を遠のければ前へ進めそうな気持ちはするのだけれど
『ガラス片』は、別れた相手を思い出した時の心の痛みを表現していると考えられます。空から降ってくるものから身を守るための傘は、この時も持ち合わせていないのでしょうか、避けながら過ごしています。まだ心を守るための気持ちの余裕がないようです。
『直行直帰』して『寝落ちる』ほど、他のことをする気力も体力もない疲れ果てた様子がうかがえます。『満員電車に息を潜め 鳴り響いたベルが発車の合図さ』は、集団の中にいると自分の個としてのアイデンティティが少し薄れる感じがするので、別れた相手と自分という個人的な苦しい記憶から意識を遠のけ、『発車』したい、次へ進みたいと心の中では思っているのではないかと考えられます。
繋いだ手確かめた
確かに僕ら此処に居たのさ
寄せては返す波の中を
必死に立っていたんだ
かつてあなたと手を繋いだ日のことを思い起こす
あの時、確かに僕らは一緒にいた
崩れそうな関係を保とうと
精一杯の努力はした
別れた相手と手を繋いだ時の感触を思い出して、時間の経過とともに記憶が薄れていかぬよう、確かなものであることを再認識しようとしています。
『寄せては返す波の中』と表現するほどに、二人の関係を保つのは困難だったけれど、立て直す努力はしてきたのだと自身に言い聞かせています。そうすることにより、自分の行いを肯定しようとしているのです。
ゴールなんか有りはしないよな
ただのレースとは違うよな
巷に流れるラヴ・ソングの
様にはいかないね
(恋愛に)ゴールなんかないし、レースでもないから、街で流れているような幸せそうなラヴ・ソングのようにうまくはいかないね
『巷に流れるラヴ・ソング』という言葉は、なんだか幸せそうな雰囲気を思い起こさせます。それと対比させることによって、自分の理想通りにはうまくいかなかった現状を悲観しています。
さよなら
ハイになったふりしたって
心模様は土砂降りだよ
傘も持たずにどこへ行くの?
一度解釈したので割愛します
あれこれ
不安になったって
どうしようもない
“運命でしょ?”
曇りガラス越しのあなたには
もう何も届いちゃいないんだ
一度解釈したので割愛します。
最後が『もう何も届いちゃいないんだ』と語尾が変わっています。自分の中でその絶望感が少しずつ、現実味をおびてきています。今を受け入れ始めたのかもしれません。
結局は愛がどうとか
わからないよ未だに
そう言い放った自分の
頼りない背中を見た
色々考えてはみたけれど、結局は愛の意味なんてまだ分からず自信が持てないから、前へ進もうとする気持ちが弱くて進めない
愛について色々と考えてみたけれど、結局よく分からないと主人公は言います。自分の背中を見ているということは、その背中を前に送り出してやりたい自分の存在がいるということを意味するのではないかと思います。その背中が頼りなさげなので、あとひと押ししたいけれどまだ進めない心の状態であると考えられます。
さよなら
ハイになったふりしたって
心模様は土砂降りだよ
傘も持たずにどこへ行くの?
一度解釈したので割愛します
あれこれ
不安になったって
どうしようもない
“運命でしょ?”
曇りガラス越しのあなたには
もう何も届いちゃいないんだ
一度解釈したので割愛します