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【米津玄師/Lemon】歌詞の意味を解釈 | 二人の主人公が繰り広げる切ないストーリー!

編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19

目次
Lemonという曲名の意味を考察
Lemonの歌詞の意味を徹底解釈
1番
2番
Lemonという物語について
まとめ

Lemonという曲名の意味を考察


みなさんはレモンってご存知ですか。
もちろん皆さんご存知でしょう。そう、あの黄色い酸っぱいやつです。でもレモンって言われただけでは、この題名の意味がわかりませんよね?
このLemonという題名の真意を理解するためには、米津さんがYoutubeに上げている「米津玄師████████と、Lemon。」を見る必要があります。


米津玄師████████と、Lemon。
米津さんは動画内で次のようなことを言っています。
TBS金曜ドラマ「アンナチュラル」の根底にあるのは「人の死」。それをどう一曲に落とし込むかが重要。当初は「傷ついた人を優しく包み込むような曲」という路線で作曲していたが、その間に「身内の死」を体験した。米津さんの中で死という概念が崩れさり、作り上がった曲は「あなたが死んで悲しいです」という嘆きの歌だった。

つまり、Lemonは人の死に対する思いを歌った歌だということです。それを踏まえてLemonの意味を考察すると面白い考察ができます。
人の死。特に身内の人の死というのは衝撃的なものです。ただ、それも年月が経てば次第にその衝撃も薄れ、忘れ去られていきます。でも、ふとした時にその人のことを思い出せば、その衝撃も思い出せますよね。

そのような人の感情の動き。記憶の移り変わりを米津さんは、レモンを食べた時の衝撃にたとえたのではないでしょうか。想像してください。確かに、レモンを食べた瞬間は酸っぱさという衝撃を感じます。

そして時間が経つと、それも次第に薄れ酸っぱさを感じなくなります。でもふとした瞬間レモンのことを考えると酸っぱさを思い出させ、唾液がたくさん出ますよね。


そう、だからこの曲は「Lemon」なのです。Lemonでなくてはダメなのです。

「Umebosi」じゃダメなのかっていうツッコミはなしで。ださいじゃん。


Lemonの歌詞の意味を徹底解釈

1番

夢ならばどれほどよかったでしょう
未だにあなたのことを夢にみる
忘れた物を取りに帰るように
古びた思い出の埃を払う

米津玄師-Lemon

解釈夢ならば、どれほど良かっただろうか。
時間が経っても未だに、あなたが夢に出てくる。
言い忘れた言葉を伝えにいくように、あなたとの古い思い出を思い出すよ。


どうやら、登場人物は「私」と「あなた」のようです。そして、「あなた」は死んでしまっています。

残されてしまった主人公は、時間が経っても未だにあなたが夢に出てくるようです。ここから主人公の中で「あなた」がどれほど大きい存在だったかわかりますね。


戻らない幸せがあることを
最後にあなたが教えてくれた
言えずに隠してた昏い過去も
あなたがいなきゃ永遠に昏いまま
きっともうこれ以上傷つくことなど
ありはしないとわかっている

米津玄師-Lemon

解釈あなたとの平凡な生活が幸せであることをあなたが亡くなる時に教えてくれた。
あなたに嘘を言っていた昏いことも、あなたが生きていなくちゃずっと真実を話せないよ。
あなたたが亡くなること以上に私が傷つき、悲しくなることなど絶対にあるはずがないってわかってる。


あたりまえな幸せというものを日々の日常で気づくことはなかなかできません。そして、そのあたりまえの幸せというのはそのあたりまえの幸せを失った時に初めて気づくものです。あたりまえをあたりまえと思わず、感謝して大切にすることが大切なのかもしれません。

ここの部分の歌詞の「昏い過去」。きっと、主人公は「あなた」と一緒にその昏い過去を乗り越えていきたかったのでしょうね。

あの日の悲しみさえあの日の苦しみさえ
そのすべてを愛してたあなたとともに
胸に残り離れない苦いレモンの匂い
雨が降り止むまでは帰れない
今でもあなたはわたしの光

米津玄師-Lemon

解釈あなたとの悲しい思い出や、苦しんだ思い出。そんな辛い日々もあなたとなら愛せていた。
私から消えることはない、君が亡くなったという衝撃。
私の気持ちが落ち着くまでは、あなたのことを思い出させて?
亡くなった今でもあなたは私の希望だから。


悲しい思い出や、苦しんだ思い出。その全てをあなたとなら乗り越えてこれたのなら、きっと主人公はあなたを心の底から愛していたのでしょうね。
そこまで愛していた人を失うとなると私では計り知れない衝撃や後悔があるのでしょう。

最後の「今でもあなたはわたしの光」という歌詞の「光」という部分を私は「希望」と解釈しました。他にも色々な解釈の仕方があるとは思いますが、「希望」と解釈した方がしっくり来ませんか?


2番

ここから、私とあなたが入れ替わります。

暗闇であなたの背をなぞった
その輪郭を鮮明に覚えている
受け止めきれないものと出会うたび
溢れてやまないのは涙だけ
何をしていたの何を見ていたの
わたしの知らない横顔で

米津玄師-Lemon

解釈暗い中、あなたの背中をなぞってみた。その輪郭を死んだ今でも覚えている。
「死」という受け止めきれない宣告を受けるたび、溢れて溢れて仕方がないのは「涙」だけだった。
わたしが「死ぬ」って知らない状態で、あなたはわたしをどうみていたの?何を考えていたの?


ここから、私とあなたが入れ替わって歌われています。つまり、死人の立場で歌われているわけです。ここからの解釈でも私とあなたを入れ替えて書きます。
「暗い中、あなたの背中をなぞってみた。その輪郭を死んだ今でも覚えている。」の部分。この部分に意味はほぼないと思っています。米津玄師がこの部分で伝えたかったことは、「何気なく触ったあなたの背中の輪郭すら、死んでしまった今では貴重なもの=あなたのほんの些細な記憶でも私にとっては愛おしい」だと思います。

「受け止めきれないもの」を「死という受け止めきれない宣告(=余命宣告)」と解釈しています。そのあとに続く「溢れてやまないのは涙だけ」から「あなた」とまだ一緒にいたいという思いが読み取れますね。

最後の部分は「私」の純粋な疑問です。病気のことを隠したままなくなった「私」は、闘病の間「あなた」が何を考えて、なにを見ていたのか知ることはできなかったのでしょう。

どこかであなたが今わたしと同じ様な
涙にくれ淋しさの中にいるなら
わたしのことなどどうか忘れてください
そんなことを心から願うほどに
今でもあなたはわたしの光

米津玄師-Lemon

解釈今、わたしの知らないどこかでわたしのように溢れる涙を抑えきれず、寂しいのならどうかお願いだからわたしのことを忘れてください。
そんな思ってもいないことを願うほどにあなたはわたしの希望だから。


死んでしまっても大切な「あなた」を思い続ける「私」が描かれていますね。
本当は忘れて欲しくなんかないのに、相手のことを思って「忘れてほしい」と心から願ってしまう。。。美しい愛ですね。

自分が思うより恋をしていたあなたに
あれから思うように息ができない
あんなに側にいたのにまるで嘘みたい
とても忘れられないそれだけが確か

米津玄師-Lemon

解釈自分が思っている以上にあなたに恋をしていたんだな。あなたか亡くなってから胸が締め付けられ息ができないや。あんなにそばで一緒に暮らしていたのに、まるで一緒に暮らしていなかったみたい。
でも、あなたと一緒にいたこと絶対に忘れられないよ。


ここは、主人公視点で歌われているとするか、亡くなった人視点で歌われているとするかで解釈がかなり分かれる部分です。今回は、主人公視点で歌われていると解釈した方が個人的にしっくり来たので、主人公視点で歌われていると解釈しています。
ここの部分は、冒頭のあたりまえのことはあたりまえではないというメッセージから飛躍して、普段気づいている感情なども失った時に思っている以上に大きいものだということを伝えたかったのでしょう。

あの日の悲しみさえあの日の苦しみさえ
そのすべてを愛してたあなたとともに
胸に残り離れない苦いレモンの匂い
雨が降り止むまでは帰れない
切り分けた果実の片方の様に
今でもあなたはわたしの光

米津玄師-Lemon

解釈あなたとの悲しい思い出や、苦しんだ思い出。そんな辛い日々もあなたとなら愛せていた。私から消えることはない、あなたと一緒に暮らせなくなったという事実。
私の気持ちが落ち着くまでは、あなたのことを思い出させて。わたしとあなたという果実の片方を失ったあなたでもあなたはわたしの希望だから。


一度解釈したので割愛します。


Lemonという物語について


人間の死。身近な人の死というものを考えさせるような歌詞でしたね。

では、「Lemon」という物語の流れをおさらいします。
登場人物はわたしとあなたの二人でした。1番であなたは死んでしまっていてわたし視点で物語が展開していきます。あなたが死んでしまったことが夢であったらいいのに。あなたが死んで欲しくなかったのに。そんなわたしの想いが1番で歌われていました。
2番になると歌われる立場が逆転します。2番では死んでしまったわたしの気持ちが歌われていましたね。前半では、あなたとの思い出が歌われ、後半ではまだ生きているあなたに、涙に暮れて前に進めないのならわたしのことなんて忘れて前に進んでよという思ってもいないようなことを言ってしまうほどあなたを大切にしている様子が描かれていました。

この二人の主人公は、きっとお互いを深く愛し、尊重し、大切に思っていたのでしょう。でも死という別れは遅かれ早かれ誰にでも平等にきます。たとえそれが、極悪人と善人だとしても。そのいつか来る「死」までに何をするべきなのか、何を考え、何を伝えるべきなのか。そんないつか来るかわからない「死」を考えさせてくれる素晴らしい物語でした。


まとめ


今回は、米津玄師のLemonの歌詞解釈を紹介しました。

歌詞解釈をして、改めて歌詞を読み込んだのですが、もう書いてて号泣でした。

なんで米津さんはこんな歌詞が書けるんだろう。なんでこんな世界を描けるのだろう。疑問でなりません。


米津さんと同じ時代に生まれてこれた奇跡に感謝してこの楽曲を、この物語を聴き続けたいと思います。

今後も当サイトでは米津玄師を追って行くのでぜひチェックして見てください!

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