素直な「ラブレター」に思わず照れてしまう一曲【Novelbright/拝啓、親愛なる君へ】の歌詞の意味を徹底解釈
編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19
楽曲紹介
「拝啓、親愛なる君へ」は大阪出身のロックバンド「Novelbright」が2019年9月4日にリリースした2ndミニアルバム「EN.」(アンピリオド)に収録されている楽曲で、路上ライブでも演奏されているファンには耳馴染みのある一曲です。
また、同楽曲は会場・路上ライブ限定で販売されているアコースティックEP「AcoBright1」にアコースティックバージョンも収録されています。
拝啓、親愛なる君へという曲名の意味を考察
「拝啓」とは、手紙のはじめに書く言葉で「つつしんで申し上げます」を意味する言葉です。
「親愛なる君へ」という言葉が続くことから、この楽曲は親しみと愛情をもっている相手へ手紙だと考えることができます。
その手紙の内容は「親愛なる君」と出逢った時のことから始まり、困らせたり呆れさせたりした日々のことや助けてもらったことが書かれています。
最後までこの楽曲を聞くことでこの手紙が「感謝」を伝えるための手紙ではなく、「ラブレター」であるということがわかるようになっています。
それでは、「ラブレター」であるということに注目して歌詞を解釈していきましょう。
拝啓、親愛なる君への歌詞の意味を徹底解釈
1番
拝啓、親愛なる君へ
この歌をあなたに贈るよ
生まれた日から歩いた今日までの道のり
ときめかす話をしよう
拝啓、親愛なるあなたへ
この手紙をあなたに贈ります。
生まれた日から歩んできた今日までの
ワクワクするような出来事を認めていきます。
「親愛なる君へ」の想いを手紙に書くように、
つまり「ラブレター」を書いているように表現されていると考えることができます。
そして、その「ラブレター」内容には私が生まれた日から今日までの
心が躍るようなワクワクする日々の出来事が綴られているのだとわかります。
愛想を振りまくのが苦手な私は
うまく馴染めないまま時間(とき)は過ぎていく
居場所を求めて踏み出した一歩目
そんな時にあなたと出逢えた
他人に愛想を振りまくことが苦手だった私は
周りとうまく馴染むことが出来ずに1人で過ごすことが多かったんだ
それでも自分の居場所が欲しくて勇気を振り絞って一歩を踏み出したときに
あなたと出逢えたんだ
昔の「私」は周りの人たちと上手くコミュニケーションを取ることが出来なかったことが
「愛想を振りまくのが苦手」という歌詞からわかります。
「私」は周りとうまく馴染むことが出来ずに、1人でいる時間が多くなっていって
しまったのだと考えることが出来ます。
そんな「私」ですが、1人で過ごすのではなく「居場所(一緒の時間を過ごす人)」が欲しくて、
勇気を出して行動を起こしたことが表現されています。
そして、勇気を出したときに出逢ったあいてが「あなた」つまり「親愛なる君」のことだと考えることが
できると思います。
嗚呼 特別な日は此処に居たいから
代わりなんかない宝物なんだ
醒めない夢を見ているようだな
恥じらいもなく素でいられる場所
やっと見つけたよ
ああ、特別な日はあなたと一緒にいたいと思うから
代わりなんかない「宝物」なんだ
まるで醒めない夢を見ているような気分だ
恥ずかしがらずに、素の自分でいられる場所
そんな場所をやっと見つけることが出来たんだよ
特別な日には一緒に過ごしたいと思う「あなた」とその「あなた」と一緒にいれる時間がとても大切な「宝物」だと思っているのが伝わってきます。
「あなた」と一緒にいる時は恥ずかしがることもなく「素の私」で居ることが出来る場所なんだという「私」の気持ちが表されています。
そしてそんな場所をずっと探し続けてきた「私」には、「あなた」の近くという居場所を見つけられたことが「夢を見ているようだ」と思っていることがわかります。
2番
何年前の話だろう
わがまま言ってばかりの毎日
何事にも楯突いてはあなたを
困らせて呆れさせたね
何年前の話だっただろうか
毎日わがままばっかり言っていて
全てのものに反抗していた時期は
あなたを困らせて最後には呆れさせていたね
何年か前までは「あなた」に対して毎日わがままを言っていたことを「私」は懐かしんでいるように綴っています。
世の中にある全ての物事に対して口答えしたり反抗したりしていた時期は、反抗期の時期と考えることが出来ると思います。
つまり、反抗期の時期の「私」は誰にでも反抗的な態度を取り「あなた」に対してはわがまま放題言っていたということだと考えられます。
「あなた」が困ったり呆れたりしていたのも当然のように感じますが、それでも見捨てずに接してくれていたことに対する感謝も伝わってくるような感じがします。
青春の向こう側 リアルな社会は
泣き言言ってばっかじゃ何も通じないから
彷徨いもがいている私を連れ出して
眩しい日々をくれてありがとう
学生時代も終わり、社会に出てみて感じたことは
泣き言を言ってばかりじゃ何にも通用しないということ
彷徨ってもがいていた「私」をそんな状況から連れ出して
まともに見ることがためらわれるほど美しい日々をくれてありがとう
青春だった学生時代も終わり社会人として社会へと出て行って、その中でうまく活躍することが出来なかったことが書かれています。
うまくいかないことを嘆いているだけでは通用しないことはわかってはいるけれど、どうすることも出来ず苦しんでいる様子が想像できると思います。
「彷徨いもがいている」という表現から、「私」が感じていた辛さや苦しさ、うまくいかないことに対する焦りなどがひしひしと伝わってきます。
そんな状況から「あなた」が美しい日々へと連れ出してくれたことに対しての感謝が表現されていることがわかると思います。
嗚呼 生まれ変わってもそばに居たいから
たどり着いたんだきっと間違いないよ
いつまでも負けてられないよな
今度は私があなたへ贈る幸せを
ああ、生まれ変わっても傍にいたいと思えるから
あなたと出逢うことが出来たんだ、間違いないよ
いつまでもあなたにばかり貰ってばっかりじゃあダメだよね
今度は私があなたに幸せを贈ってあげるから
生まれ変わったとしても「あなた」の傍にいたいと思えるくらいに「あなた」のことを大切に思っている「私」の気持ちが伝わってきます。
そして「あなた」から幸せを貰っていてばかりではいけないと「私」は言っています。
今度は「私」が「あなた」のことを幸せな気持ちにさせてあげたい、という「私」の願いが「今度は私があなたへ贈る幸せを」という言葉から感じることが出来ると思います。
嗚呼 特別な日は此処に居たいから
代わりなんかない宝物なんだ
醒めない夢を見ているようだな
ありのままでいられる場所だ
一度解釈したので割愛します
一度解釈したので割愛します
嗚呼 歓びの歌此処で歌うから
ため息も全部空へ消えていくよ
果てしなく続きますように
祈りを込めもう一度叫ぼう
胸躍らせる日々に出逢えたよ。
ああ、歓喜の歌をここで歌うから
嫌な気持ちも全部空へ消えていくよ
こんな日々が果てしなく続きますようにと
祈りを込めてもう一度叫ぼう
こんなに胸を躍らせることが出来る日々に出逢うことが出来たよと
「歓びの歌」とはベートーヴェンの「交響曲第9番の4楽章」で有名な「歓喜の歌」のことを指していると考えられます。
この「歓喜の歌」は「世界中の誰もが平和で喜びを分かち合えるように」という気持ちが歌われている歌です。
そんな歌を歌うことで「私」の中から嫌な気持ちが消えてなくなっていく様子が表現されているのだと思います。
そして、こんなにも幸せな日々が続いていきますようにという願いを込めてもう一度空に向かって叫んでいる「私」の姿を簡単に想像できると思います。
「胸躍らせる日々に出逢えたよ」と叫んでいる「私」の過ごしてきた日々がとても幸せなものだったのだろうと感じることが出来ます。
まとめ
「私」の素直な気持ちが詰まった「ラブレター」を覗き見てしまったような気持ちになる楽曲でしたね。
こんな手紙を書ける相手に出逢ってみたかったと少し悔しさを覚えるくらい幸せがあふれている作品でした。