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【米津玄師/Flowerwall】の歌詞の意味を徹底解釈 | 花の壁とは?「障害」という印象はどういった意味を持つのか

編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19

目次
Flowerwallという曲名の意味を考察
Flowerwallの歌詞の意味を徹底解釈
1番
2番

Flowerwallという曲名の意味を考察


花は様々な場面で人を幸せにしてくれます。道端に咲く花は散歩をより楽しいものに変えてくれますし、殺風景な部屋にも花があれば彩が生まれます。

花束の傍には必ず笑顔があります。花は幸福の象徴である、と言っても差し支えないでしょう。

一方、壁は「障壁」「言語の壁」「壁を感じる」など、困難の比喩として多々用いられます。

花で作られた壁は美しいはずですが、障害物の印象を和らげるには至りません。

理不尽に行く手を遮るようでいて、世界に色どりを与えるようでもあり、まるで未来を表しているように思えます。


Flowerwallの歌詞の意味を徹底解釈

1番

あの日君に出会えたそのときから 透明の血が僕ら二人に通い
悲しみも優しさも 希望もまた絶望も 分け合えるようになった
米津玄師 -Flowerwall

ひいらぎの解釈君に出会えた瞬間から、僕らは気持ちを分け合えるようになった。
悲しみも優しさも希望も絶望も、二人に通じている。

「透明の血」は絆のことであり、感性の共有と解釈できます。

「僕」と「君」は不思議なほど似通った部分があり、互いの感情や感覚を理解し合うことができるようです。「僕」はその関係性に幸福を感じていて、「君」も同じように喜びを抱いていると思われます。

 

知りたいことがいくつもあるというのに 僕らの時間はあまりに短く
あとどれほどだろうか 君と過ごす時間は 灯りが切れるのは
米津玄師 -Flowerwall

ひいらぎの解釈知りたいことが沢山あるのに、与えられた時間には限りがある。
あとどれくらい君と過ごせるのだろう。いつ終わってしまうのだろう。

誰の人生にも必ず終わりが訪れます。「僕」が「知りたいこと」は「君」に関することや世界に関すること、様々にあるのでしょうが、限られた「時間」の中では全ての望みをかなえることはできません。

「灯り」は命の灯、つまり寿命と考えられます。

彼らの死期が近いのかもしれませんし、いつか来る終わりを想像して不安になっているだけかもしれません。歌詞全体を通して具体的な離別の原因を示唆する表現がないので、ここでは後者の解釈を採用します。

 

君のその声が 優しく響いた
こんな憂いも吹いて飛ばすように
米津玄師 -Flowerwall

ひいらぎの解釈僕の憂いを吹き飛ばすように
君の声は優しく響いた。

「君」は「僕」の不安を察している様子です。

励ましの言葉をかけたのか、他愛のない会話で救いを差し伸べたのかはわかりませんが、「僕」の「憂い」を消して「優し」さで埋めています

「声」だけで真逆の感情を起こしてしまうのですから、「二人」の絆はよほど強靭で深いのでしょう。


フラワーウォール 目の前に色とりどりの花でできた
壁が今立ちふさがる
僕らを拒むのか何かから守るためなのか
解らずに立ち竦んでる
それを僕らは運命と呼びながら
いつまでも手をつないでいた
米津玄師 -Flowerwall

ひいらぎの解釈フラワーウォール。色とりどりの花でできた壁が目の前に
立ちふさがる。
行く手を阻むものなのか、僕らを守っているのか、
解らずに立ち竦む。
僕らはそれを運命と呼んで
ずっと手をつないでいた。

「色とりどりの花」からは広大な花畑や花束が連想され、平和や祝福、満ち足りた幸福感を掻き立てますが、それが「壁」となり「目の前に」「立ちふさが」っていたら、圧迫感や恐怖も生まれそうです。

この「壁」の前で抱く気分は、人生の岐路に立たされた時の、様々に可能性を考慮しては期待と不安を行ったり来たりする感覚に似ているかもしれません。「僕ら」も「壁」が障害物なのか盾なのか「解らず」に身動きが取れなくなっていますが、逃げることを考えている様子はありません。

彼らは「それを」「運命と呼」んでいますが、「それ」とは「壁」の存在や「立ち竦」むことしかできない現状、「二人」の「手」が「つな」がれていること、全てを包括した彼らの人生のことだと解釈できます。

つまり「僕ら」は人生における「花」を受け入れ、同時に生じる「壁」にも「二人」で対峙していこうと決めているのです。


2番

このあまりに広い世界で僕たちは 意味もなく同じ場所に立っていたのに
僕の欠けたところと 君の欠けたところを 何故かお互いに持っていた
米津玄師 -Flowerwall

ひいらぎの解釈この広すぎる世界で、僕らは偶然同じ場所にいただけなのに
お互いに欠けている部分を何故か補い合っていた。

「僕ら」が生きているのは「広い世界」であるにも関わらず、「同じ場所に立っていた」おかげで彼らは知り合うことができました。「意味もなく」は必然性のないこと、つまり偶然と読み替えることができます。

「お互いに」「欠けたところ」を「持っていた」ことを「僕」は「何故か」と不思議がっています。補完し合える相手との出会いが偶然だったために、却って「運命」的に感じているのかもしれません。

 

どうして僕らは 巡り会えたのか
その為だけに 生まれてきた様な
米津玄師 -Flowerwall

ひいらぎの解釈どうして僕らは巡り会えたのだろうか。
その為だけに生まれてきたみたいだ。

「僕」にとって「君」は生きる意味であり存在理由です。「巡り会」う「為だけに」「生まれてきた様」だと言っていますから、心底かけがえのない相手なのでしょう。

 

フラワーウォール 独りでは片付けられないものだろうと
君がいてくれたらほら
限りない絶望も答えが出せない問いも全部
ひとつずつ色づいていく
離せないんだ もしも手を離せば
二度と掴めないような気がして
米津玄師 -Flowerwall

ひいらぎの解釈フラワーウォール。独りでは立ち向かえない壁でも
君がいてくれれば大丈夫。
底なしの絶望も答えの出せない疑問も何もかも
意義のあるものに変わっていく。
つないだ手は離せない。もし離せば
二度と掴めないような気がするから。

「独りでは」対処できない困難にも、「君がいてくれたら」「僕」は立ち向かっていけます。

「絶望も」疑念も「全部」が「色づいていく」ことは、「僕」が悲観的にしか見られなかった事象の全てに希望的側面を見出せるようになったと読み取ることができます。

過去の苦しみも「君」との出会いに導いてくれた道筋だと考えれば意義のあるものに変わりますし、今後問題が起きても、「二人」で乗り越えることで絆が深まると思えば、また「君」の存在の大きさを再認識する機会と捉えれば、忌避すべきものではなくなるでしょう。

しかしここでも「僕」は「もしも手を離せば」「二度と掴めないような気がして」と不安を覚えています。美しいだけの世界ではないから、猶更「君」を愛おしく思い、限界があることを憂うのでしょう。

 

誰も知らない見たことのないものならば今 僕らで名前をつけよう
ここが地獄か天国か決めるのはそう 二人が選んだ道次第
米津玄師 -Flowerwall

ひいらぎの解釈誰も知らないものならば、僕らが今名前をつけよう。
ここを地獄にするも天国にするも、二人の選択次第。

「誰も知らない見たことのないもの」とは未知、ここでは「フラワーウォール」そのものだと考えられます。「名前」を与えることは、その存在を受け入れることに繋がります。

正体のない不思議な「壁」の前では進むべき「道」も知れません。不幸になるか幸福になるかを「決めるのは」彼ら自身です。覚悟の必要な選択ですが、「二人」ならば決断を下せるはずです。

 

フラワーウォール 目の前に色とりどりの花でできた
壁が今立ちふさがる
僕らを拒むのか何かから守るためなのか
解らずに立ち竦んでる
米津玄師 -Flowerwall

ひいらぎの解釈フラワーウォール。色とりどりの花でできた壁が目の前に
立ちふさがる。
行く手を阻むものなのか、僕らを守っているのか、
解らずに立ち竦む。

一度解釈したので割愛します。


それでも嬉しいのさ 君と道に迷えることが
沢山を分け合えるのが
フラワーウォール 僕らは今二人で生きていくことを
やめられず笑いあうんだ
それを僕らは運命と呼びながら
いつまでも手をつないでいた
米津玄師 -Flowerwall

ひいらぎの解釈それでも、君と道に迷えることや
沢山を分け合えることが嬉しい。
フラワーウォール。僕らにはお互いが必要で
離れられずに笑い合う。
僕らはそれを運命と呼んで
ずっと手をつないでいた。

「道に迷う」ことは悩むこと、ここでは特に人生進路について悩むことだと解釈できます。それを「君と」一緒に行えることが「僕」にとっては苦しくも「嬉し」く、「沢山」の出来事や感情を「分け合える」ことにも希望を抱いています。

「二人で生きていくこと」は、同時にいずれ終わりが来ることも意味していますが、「僕らは」それを「やめられず笑いあ」って、つまり、悲しい未来を覚悟した上で現在の幸福を受け入れています。

「優しさ」や「希望」がある一方で「悲しみ」や「絶望」も避けられない「道」を、「いつまでも手をつないで」進んで行くのが「僕ら」の「運命」なのです。

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