【サカナクション/ナイロンの糸】の歌詞の意味を徹底解釈 | カロリーメイトCMに起用された曲を考察する!
編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19
ナイロンの糸という曲名の意味を考察
ナイロンの糸とはどういう意味で曲名に使われているのでしょうか。
ナイロンとは、wikipediaによると、
ナイロン(nylon)は、ポリアミド合成樹脂の種類である。 当初は主に繊維として使われた。 世界初の合成繊維のナイロン6,6(6,6-ナイロンなどとも)が含まれる。 1935年、アメリカのデュポン社のウォーレス・カロザースが合成に成功した。
とあります。
ナイロンの特徴をあげると、
- 弾力性があり、シワになりにくい
- 伸び縮みがなく、型崩れしない
- 軽いのに丈夫で、引っ張りや摩擦に強い
- 発色性に優れている
という特徴があるようです。
そんな特徴を持つ糸ですから、「変形がなく、永遠に切れない糸」というような意味が込められているのかもしれませんね。
また、「糸」というのは中島みゆきさんの「糸」という曲にもあるように、音楽では、人と人との繋がりを意味する言葉としても使われるので、「変形がなく、永遠に切れない人との関係」という意味も込められているのかもしれませんね。
ナイロンの糸の歌詞の意味を徹底解釈
1番
このまま夜になっても
何かを食べて眠くなっても
今更寂しくなっても
ただ 今は思い出すだけ
解釈
このまま夜になって、何も食べずに寝ても
今更後悔して、君に会いたいと願っても。
ただ、ただ、君を思い出すだけ。
この「ナイロンの糸」という曲は、サカナクションの7thアルバム「834.194」に収録されています。
この「834.194」というアルバムの顔とも言えるトラック1の「忘れられないの」では、何らかの理由で「君」と別れてしまった主人公の悲しみが歌われていました。続くトラック2の「マッチとピーナッツ」では、「君」との関係の後悔が歌われています。
詳しくは以下の記事から。
なので、サカナクションの7thアルバム「834.194」では、主人公(僕)と「君」の物語が歌われている。と解釈するのが自然だと思います。
つまり、「834.194」というアルバムに含まれているこの「ナイロンの糸」も、主人公(僕)と「君」の物語が歌われている。と解釈するのが自然です。
それを踏まえて、「思い出す」という歌詞が何を思い出すのかを考察すると、当然、「君との思い出」を思い出していると解釈できるわけです。
このまま夜に駆けて
多分少し寒くなるから
厚着で隠す あの日のこと
解釈
夜にかけてだんだん寂しくなるから
君と別れた日のことから目をそらそう。
「このまま夜に駆けて多分少し寒くなるから」。この歌詞は、主人公のこれからの人生が寒くなる=主人公のこれからの人生が、「君」がいなくて寂しくなるという意味で使われているのでしょう。
「厚着で隠す」という歌詞からは、今でさえ寂しいのに、思い出すともっと寂しくなってしまうから思い出したくないという主人公の想いが感じ取れますね。
君が消える 影が揺れる
甘えて もう一歩
風が消える 髪が揺れる
甘えてる様
解釈
「君」はもういない。
「君」の影だけが僕の記憶に残っているんだ。
風邪はもう吹いていないはずなのに記憶の「君」の髪はまだ揺れている。
「君」と主人公が思い出せる「君」は違うものという事実を、強く印象付けられる歌詞ですね。
「甘える」という歌詞からは、現実の「君」とは違うものにでさえ縋ってしまう主人公を感じられますね。
2番
どれだけ忘れたくても
どれだけ君と話したくても
あの頃感じてたこと
ただ 今は思い出すだけ
解釈
どれだけ君を忘れたくても、
どれだけ君と話したくても
君との日々を思い出すだけ。
君と話したい。君に会いたいと願うたび「君」を意識してしまって「君」忘れられないのかもしれませんね。
切ないメロディーが「君を忘れたくないけど忘れたい」という主人公の複雑な想いを、よりひきたてていていいですよね。
縒れてた古い糸を
静かに手で巻き取る様に
いつかは分かる あの海のこと
解釈
もう縒れてしまった君との糸を
そっと手で巻き取ってしまうように
いつかはこの広い世界のことがわかるのかな。
「縒れてた古い糸」とは、今はもういない「君」との縁 のことを言っているのでしょう。つまり、「縒れてた古い糸を静かに手で巻き取る様」とは、「君を忘れること」という意味があるのだと思います。
そう解釈すると、「海」とは、「君」がいない世界のことを指しているのかもしれません。
君が消える 影が揺れる
甘えて もう一歩
波が消える 風は知ってる
甘えてる様
解釈
僕の記憶から君が消える。
君がいない世界の障壁が消えて、この世界を知るようになる。
「君」が主人公の記憶から消えることで、「君」がいない世界でも主人公は普通に生活できるようになったのではないでしょうか。その様子を「波が消える」という歌詞で表現しているのです。
この海に居たい
この海に居たい
この海に帰った二人は幼気に
この海に居たい
この海に帰ったフリてもいいだろう いいだろう
解釈
「君」のいない世界で生きていきたい。
お互い違う道を進んだ「僕」と「君」は子供のようにこの世界で無邪気にいきていくんだ。
でも、僕は、まだ君を覚えていてもいいだろう?
主人公は、「君」に縋っていながらも、新たな生活に慣れて人生を歩んでいかないといけないということに気づいているのでしょう。その想いが「この海に居たい」という歌詞で表現されているのだと思います。
「この海に帰ったフリてもいいだろう」という歌詞。これは、「まだ君を覚えていたい」という主人公の想いを表現しているのでしょう。