【宇多田ヒカル / COLORS】の歌詞の意味を徹底解釈 |自分の色は何色?と考えさせられる歌詞を紐解く!
編集: ひいらぎ最終更新: 2023/2/28
COLORSという曲名の意味を考察
「COLORS」には色彩に関する意味合いが含まれています。歌詞の中でも、青い空やオレンジ色の夕日など、様々な色が登場し、キャンバスに自分自身の色を塗りたいという願いが歌われているのではないでしょうか。人生で挫折や困難があった場合にも立ち上がり、自分の色を出し続けることの大切さを曲名にしているようです。
COLORSという歌詞の意味を徹底解釈
1番
この幻はなんだろう

ミラーが映し出す幻を気にしながら
いつの間にか速度上げてるのさ
COLORS -宇多田ヒカル
「COLORS」は車のCMでもあったため、運転をイメージするような言葉が出てきます。
最初のフレーズにおいても車のミラーから映る風景に気を取られる様子を連想することができます。
歌詞の中では"幻"を気にしている様子がうかがえ、その"幻"から逃げるために速度を上げているのかもしれませんし、自分の幻想に夢中になりすぎて、周りが見えなくなっている状態なのかもしれません。
自分でも自分の変化に気が付かず、無意識に行動している様子が見えてきます。
どう進むべきか

どこへ行ってもいいと言われると
半端な願望には標識も全部灰色だ
COLORS -宇多田ヒカル
このフレーズでは1番目の色として「灰色」が出てきます。
誰かに"どこへ行ってもいい"と言われたら、自由でHappyな気分になることが多いのですが、意外と現実は甘くない。いざ自由になっても目的や方向性がはっきりしないと、どの方向に進んでいいか分からなくなってしまいます。
この部分では、そういった様子を「灰色」で表現しており、目的や方向性が見えるような見えないような不確かな状況で、なかなか目的地に到達することができないということを表しているようです。
夢を描こうと思うけれど…

炎の揺らめき 今宵も夢を描く
あなたの筆先 渇いていませんか
COLORS -宇多田ヒカル
このフレーズでは自分の「夢」を絵に例えており、夢を描くために必要な情熱はありますか?と問うている部分のようです。
自分自身に夢はあるのか、夢を描くための力がまだ残っているかを問いかけているようであり、実際に描きたいと思っていても情熱がなければ描くことができないと伝えたいのかもしれません。
自分の色を見つけて

青い空が見えぬなら青い傘広げて
いいじゃないか キャンバスは君のもの
白い旗はあきらめた時にだけかざすの
今は真っ赤に 誘う闘牛士のように
COLORS -宇多田ヒカル
サビの部分では青、白、赤と3つの色が出てきます。
ここでのキャンバスは自分の人生を指しており、自分の人生は自分で描くことができると伝えたいようです。
白い旗は諦めることを示すものであり、そのような状況においてだけ掲げられます。歌詞からは、簡単にあきらめてはいけない、今は赤色に反応する牛を誘う闘牛士のように、前進し挑戦し夢を追いかければいい、と伝えたいように感じます。
2番
行き詰った時に見つけた光

カラーも色褪せる蛍光灯の下
白黒のチェスボードの上で君に出会った
COLORS -宇多田ヒカル
2番最初のフレーズでは、主人公が行き詰っている時に「君」という存在と出会ったことが記されています。
フレーズの前半は、蛍光灯の下で色あせたカラーを象徴的に表現し、後半ではチェスボードの白黒を使って主人公が出会った「君」との出会いが印象的であることを表現しているようです。
色褪せた風景の中、白色と黒色は大変鮮やかだったのでしょう。人生において多くの選択肢がありますが、主人公が自分自身と向き合い、自分自身の色を見つけていく過程が描かれているのかもしれません。
刻まれる想い出と共に

僕らは一時 迷いながら寄り添って
あれから一月 憶えていますか
COLORS -宇多田ヒカル
このフレーズでは出会った「君」との生活を振り返っています。”一時”とあるので、一時的に一緒にいたということでしょう。お互いにこれで良いのかと、不安や迷いがあった中で支え合っていた様子がうかがえます。
まだ別れたばかりであり、その人との日々を思い返しているようですね。
かけがえのない時間流れ

オレンジ色の夕日を隣で見てるだけで
よかったのにな 口は災いの元
黒い服は死者に祈る時にだけ着るの
わざと真っ赤に残したルージュの痕
COLORS -宇多田ヒカル
2番のサビでは、オレンジ色、黒色そして赤色の3色が出てきます。
このフレーズでは夕日を眺めているだけで、ただそれだけでよかったのに、言葉の力で不幸を引き寄せてしまったことを後悔しているようです。
黒い服は日常生活でも着ることが多い色なのですが、あえて喪服を連想させており、この別れが後ろ向きであり、どうしてあんなことを言ってしまったのだろうという主人公の気持ちが強く伝わってきます。
また赤い、のではなく"真っ赤”なルージュの痕を残したところが、主人公から別れを切り出したのではなく相手から切り出されたこと、思いのほか傷が深いことをうかがい知ることができますね。
誰も知らない私の色

もう自分には夢の無い絵しか描けないと言うなら
塗り潰してよ キャンバスを何度でも
白い旗はあきらめた時にだけかざすの
今の私はあなたの知らない色
COLORS -宇多田ヒカル
前のフレーズで大切だと思っていた人と別れた様子が記されていましたが、ここでは少し前向きな歌詞が書かれています。
自分にはもう夢がないと少し感じているようですが、「何度でもキャンバスを塗り潰して、新しい絵を描けばいい」と言っており、自分自身を再び塗り替え、新たな色を見つけることができる、と自分自身に言い聞かせているようです。
最後の言葉である”あなたの知らない色"という部分に、あなたがいなくても大丈夫だから、という主人公の意地のようなものを感じます。
まとめ
今回は宇多田ヒカルの「COLORS」の歌詞の意味を徹底解釈しました。
「COLORS」は、自分自身の迷いや不安を色で例えています。またキャンバスを塗り潰して何度でも挑戦するという、決意や強さが記されてもいました。歌詞からは、自分自身に向けられたメッセージや自己肯定感、そして人生における選択や決断を描いているように感じられます。夢を追いかけ、自分自身を肯定し、自分の色で生きることの大切さを教えてくれる歌詞だと感じました。
歌詞を聞いて、深く共感する人も多いのではないでしょうか。
これからもmusic.branchwithでは宇多田ヒカル を追って行くのでぜひチェックしてみてください!