【DECO*27/人質交換】の歌詞の意味を解釈
編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19
人質交換という曲名の意味を考察
人質とは、要求を押し通そうとして、とらえておく、相手側の人。という意味がありますが、要求とはなんなのでしょうか?また、「相手」とは誰なのでしょうか?
一般的に人質交換と聞けば、戦争や争いをイメージすると思います。
が、この曲を作詞したのはDECO*27です。戦争や争いを歌にするとは考えづらいでしょう。
では、どういう意味なのでしょうか...曲名だけでは考察できないので、歌詞を見ていきましょう。
人質交換の歌詞の意味を徹底解釈
1番
それなりの幸せと 思い込みを愛したよ
やけに君が笑う日は 隠し事がありました
「間違ってなんていないよ」なんて言って
鼻歌を嗜んでは
バクバク鳴ってジッとしてらんない
心に爪を立てましょう
解釈それなりの幸せと、私が君を好きだという思い込みを愛していたんだ。
君がいつもより笑う日に限って隠し事があったんだよ。
「間違ってなんていないよ」って言って落ち着かせようとしても、
隠し事がバレてしまいそうで私の心臓は高鳴ってしまう。
心を抑えつけよう。
思い込みを愛していた...おそらく私(主人公)は君(パートナー)を愛していなかったのではないでしょうか。つまり、思い込みというのは「付き合っているから君が好きだ」と思い込んでいたということを言いたいのでしょう。
そして、「君がいつもより笑う日に限って隠し事があった」という歌詞。これには共感できる方も多いのではないでしょうか。
相手がいつもより優しかったり、機嫌が良かったりするときに限って、相手には言えない隠し事(浮気とか...)があるんですよね。
しかし、そういった隠し事はだいたい いつかはバレてしまいますよね。今回の主人公はどうなんでしょうか?続きを見ていきましょう。
いちにのさんっで手を離そう
夢はどこで狂った?
引けないのよ 引けないからもうバイバイしよう
解釈いちにのさんっで別れてしまおう?
君との将来はどこで狂った?
もう後に引けないんだ。だからもう別れようよ。
「君との将来はどこで狂った?」という問い。主人公視点の歌詞だとは思いますが、彼女はもうこの問いの答えに気づいていると思います。
「君との将来が狂ったのは自分の隠し事のせいだ」と気づいていながらも、自分の責任で別れなくてはいけない事実を認めたくないから、こうやって自問自答をしているのでしょう。
君がいくら愛しても 痒いだけだから
そろそろ返してよ 君の私を
忘れたい思い出が人質だから
いつでも殺れること覚悟しといてよ
解釈君がいくら私を愛しても 心に響かないから
君が好きな私をそろそろ返してくれないかな?
忘れたい思い出が人質だから。
いつでも思い出を忘れることができるんだからね?覚悟してよ。
この歌詞はまだ主人公のことが好きな君に対するメッセージなのでしょう。
二人の思い出がなければ「付き合っている(付き合っていた)」とは言えませんから、主人公のことが好きな君にとっては、主人公と自分の思い出を二人で共有するといことは極めて重要なことだと思います。
二人の思い出を共有することが「君」にとって重要だとわかっているからこそ、主人公は「二人の思い出」を人質にしているのでしょう。
2番
知りすぎてしまうから 忘れたいと願うのです
上辺だけが好きなのよ だって下僕にしたいんで
取り合った結果勝手に歪んで
深水に腫魔る恋模様
欲張ってばっか毎度ビバトゥーマッチ
バラバラになりそうだよ
解釈君を知りすぎてしまうから忘れたくなってしまうんだ。
君の外見だけが好きなのよ。だって、君は置物だもの。
深く関わったら勝手に歪んで見える恋模様。
欲張ってばっかでいつも過度に喜ぶ。
もう疲れたんだよ。
「君は置物」とは、付き合ってパートナーを横に置くことで自分の価値を上げているという意味で使っています。
自分の価値を上げるために外見が優れた人と付き合っていたのなら、些細なことで別れたくなるのも仕方がない気がしますね。
「取り合った」〜「恋模様」までの部分。ここは、深く関われば関わるほど面倒になる恋模様を、水に沈めれば沈めるほど物が歪んで見える現象に比喩しているのでしょう。
また、「ビバトゥーマッチ」の部分はviva(スペイン語やイタリア語で、万歳を意味する) too much(英語でとてもの意味)と解釈し、そこから「過度に喜ぶ。」としています。
いちにのさんっで切り落とそう
いくら無駄をしたって死ねないじゃない
死ねないならもう死んでんじゃない?
解釈1,2の3で切り落とそう。
それでも死ねないならもう死んでるんじゃない?
特に説明がないので割愛します。
“どんな時も二人ならば超えていけるから”
下らない理想興なら すでに終わったんだよ
始めよう これまでの恥のトレードを
二人の愛言葉も 聞きたくないことだろう
解釈「どんな時も二人ならば超えていけるから」とか、くだらない理想はもういいんだよ。
さあ、今までのくだらない言葉を忘れ合おうか。
二人の愛の言葉も、もう聞きたくないから。
“どんな時も二人ならば超えていけるから”...。そんな甘い言葉を恋人同士であれば確認し合うことは普通なのでしょう。
しかし、主人公が別れてしまいたいと思っている今、そんな「甘い言葉」は苦痛でしかないのかもしれませんね。だから、そんな「恥」を忘れあいたいと歌っているのでしょう。
今すぐに楽にしてあげよう
これまでを無にしてあげよう
様を見ろ 貸しは歌詞にしよう
下がっていこう
お決まりのサヨナラの涙
なぜいつもそんなに狡いの
構ってくれ 構ってくれ
解釈「今すぐに楽にしてあげよう。これまでを無にしてあげよう」と誰かが言った。
今この現状を見てみろよ。もう一緒にはいられないんだ。
はいはい、別れる時のおきまりの涙ね。
なぜ、いつもそんなにずるいの?
構ってよ。もっと構って...
「君」の別れの涙は主人公に心の奥底の気持ちを気づかせたのでしょうか。
主人公は本当はもっと「君」に構ってもらいたかったのかもしれませんね。構ってもらえないから、隠し事(浮気?)をしてしまったと。
しかし、もう隠し事をしてしまった以上、もう主人公は今までのように振る舞えません。「君」の別れの涙は酢推しばかりの後悔を与えたのでしょう。
君がいくら愛しても 痒いだけだから
そろそろ返してよ 君の私を
忘れたい思い出が人質だから
いつでも殺れること覚悟してるけど
解釈君がいくら私を愛しても 心に響けないから
君が好きな私をそろそろ返してくれないかな?
忘れたい思い出が人質だから。いつでも思い出を忘れることができてしまうんだろう。覚悟してる。
主人公の心情の変化から一番サビと少し変わっていますね。また、変化に伴って、「痒いだけだから」という歌詞も「心に響けないから」と違う意味で解釈しています。
「人の涙」とは、やはり人の心を動かすものですね。思い出を人質とするほど硬い意志を持っていた主人公でさえ、ここまで気持ちがブレてしまっています。
君といつか 笑い合えたら
それもまあいいかな
止まらないこの涙は たぶんそう歌ってるから
ごめんね “したい”だらけの恥のトレードは叶わない
君の鼓動は ちゃんと止まってるから
解釈君といつか笑い合えたら、それもいいかな。
この止まらない涙は、多分そう言っているのだろう。
ごめんなさい。「復縁したい」という恥のトレードはもうできない。
君への気持ちはちゃんとなくなっているから。
別れる時、泣いていた「君」につられ、どうやら主人公も泣いてしまったようです。そして、その涙から「まだ一緒にいたい」と気づけたのでしょう。
たぶんそう歌ってるから〜ごめんねの間にはかなりの年月が流れていると考えられます。
そしてラストは、長い年月が流れても「復縁したい」と言ってくる「君」に「君への気持ちはちゃんとなくなっているから復縁できない」と、伝えているのだと思います。
年月というのは、残酷ですよね。「まだ一緒にいたい」という大切な気持ちでさえも風化させてしまうんですから。
「時」に縛られている私たちは、どう生きたらいいのでしょうか。考えさせられますね。