【King Gnu/Vinyl】の歌詞の意味を徹底解釈 | 化学物質は若者の葛藤にどう作用するのか
編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19
Vinylという曲名の意味を考察
Vinyl(ビニール)とはビニル基を持つ化学物質の重合によって合成される高分子樹脂の総称です。
主な用途は、衣類、壁紙、バッグ、クッションや断熱材、防音材、保護材、水道パイプ、包装材料など多岐にわたります。このように多様な用途があるビニールですが、この曲名のビニールは、本当の自分を包み隠す包装材料としてのビニールだと考えられます。
曲の中に、「焦れったいビニールの中からストリートへ抜け出たなら」という歌詞があるので、本当の自分がビニールに覆われていたと解釈することができるためです。
Vinylの歌詞の意味を徹底解釈
1番
暇つぶしには飽きたのよ 纏ったビニールを脱がせたいの。
お前の思惑から無邪気に抜け出して。
“さよなら、愛を込めて”
偽りの自分はもう飽きた。自分の殻を破りたい。
偽りの自分はもうやめて、自由に生きていきたい。
"ありがとう、今までの自分"
暇つぶしには飽きた。とういことは、本気で取り組めるものを見つけたいということです。
纏ったビニールを脱がせたい。ビニールとは心の殻だと仮定すると、心の殻を破りたいと解釈できます。
お前の思惑とは、自分を偽って生きないと。という自分の理性。それを抜け出して自由に生きていきたいという気持ちが表現されているのです。
気の済むまで暴れなよ
哀れだろ? むしゃくしゃするぜ
喧騒に上がる煙に飛び込んでいくだけさ
「遊びがないの、あなたには」なんて適当に言葉侍らせて
喧騒に上がる煙に薪をくべろ
気が済むまで葛藤しなよ
今の自分は哀れだろ?自分の気持ちを押し殺すなんてむしゃくしゃするぜ
本当の気持ちに正直になるだけさ
勇気がない自分を適当に焚きつけて
本当の気持ちに火をつけろ
気の済むまで暴れなよというのは、気の済むまでどうするか悩みなよ。ということでしょう。
自分は哀れだろ?自分の気持ちを押し殺すなんてむしゃくしゃするぜ。というのは、殻から出たい自分が、殻にこもっている自分に対して言っている言葉です。
喧騒に上がる煙とは、いろいろな気持ちが交錯する自分の中での本当の気持ちで、飛び込んでいくというのはその気持ちに向き合うという意味です。
「遊びがないの、あなたには」という言葉は、今の自分を否定する言葉。今の自分を否定し、自由な世界へ飛び立つように自分を焚きつけています。
喧騒に上がる煙に薪をくべろとは、自分の中での本当の気持ちを実現させるために本気になれという意味です。
2番
今日も軽やかなステップで騙し騙し生きて行こうじゃないか
真っ暗な明日を欺いてさ
誰に向けたナイフなの? 何に突き動かされてる?
苦しいだけの“現実”はもう止めて
“さよなら、愛を込めて”
今日も今までのように自分を偽りながら生きて行こう
暗い明日のことは考えないようにして
誰に向けた脅しなの?何がそうさせているの?
苦しいだけの偽りの自分はもうやめよう
"ありがとう、今までの自分"
軽やかなステップで騙し騙しとは、楽しそうに見せかけ、自分の本心を騙しながらと捉えられるので、今日も楽しそうに見せかけ、自分の本心を欺きながら生きていこうと解釈できます。
真っ暗な明日とは、自分の心が死んだままの明日と捉えられます。
ナイフとは、脅しに使うもので、誰に脅されてこう(本当の自分を抑圧)しているのか、何がそう(本当の自分を抑圧)させるのか?と自分に聞いている状態だと思われます。
苦しいだけの現実。現実とは、偽りの自分で生きている今です。それを止めてと言っています。
"さよなら、愛をこめて"は今まで頑張ってきた偽りの自分に感謝を込めた挨拶です。
息を吸いなよ
この街の、有り余るほどの空気を
焦れったいビニールの中から
ストリートへ抜け出たなら
遊びきるんだ、この世界
喧騒、狂乱に、雨あられ
掻っ攫ったもん勝ちでしょ?
実感しなよ
この世界に広がる自由を
焦れったい偽りの自分から抜け出せたなら
自由な世界を満喫するんだ
この世の喧騒も狂乱も
自分で体験した者勝ちだ
息を吸いなよとは、この世界に広がる自由を実感しなよ。ということです。
この街の、街とは自由な世界。ありあまるほどの空気はなんでもやれる自分の可能性を示しているのだと思います。
焦れったいビニールの中からとは、息苦しい殻の中からという意味です。
ストリートとは、自由な世界。自由な世界へ抜け出したなら。と解釈できます。
遊びきるんだ、この世界。とは、自由な世界を満喫するんだ。という意味に捉えられます。
雨あられのように降ってくる喧騒や狂乱のような出来事も
自分で体験した者勝ちだとは、自分で実際に体験することが自分の人生を生きてると実感できるという意味です。
3番
さよなら 愛を込めて
思いの丈を着飾って
どんちゃん騒ぎのナイトクラブから
さよなら 愛を込めて
思いの丈を着飾って
繋いだその手は離さないで
今までの自分、ありがとう
気持ちを強く持って
偽りの自分が生きていた世界から
さようなら 今までの自分、ありがとう
気持ちを強く持って
自分の芯はなくさないで
さよなら、愛をこめては今まで頑張ってきた偽りの自分に感謝を込めた挨拶です。
思いの丈とは、殻を破る決意を胸にしてという意味だと解釈できます。
どんちゃん騒ぎのナイトクラブから。とは、
今まで自分が生きていた偽りの自分の世界
そこから抜け出す様子です。
解釈したので割愛します
繋いだその手とは、今までの偽りの自分と、自由に生きていくと決意した新しい自分が繋いでいる手です。離さないでということは、今までの自分の中にある芯。その部分は無くさないでいようという決心だと考えられます。
意図するなよ
この身など
博打だろ
清々するぜ
激動、時代の坩堝へ
飛び込んでゆくだけさ
“遊びじゃないのよ貴女とは”
なんて嘘で固めたこの夜なら
冗談もご愛嬌でしょ?
何も考えるなよ
人生など
挑戦してなんぼだろ
自分の殻を抜け出せて清々するぜ
厳しい世間の荒波へ
飛び込んでいくだけさ
"本気です"
という言葉も嘘ばかりの世の中じゃ
冗談もかわいいものでしょ
意図するなよ。とは、考えるなよということ。考えると臆病になってしまうから何も考えるな。と自分にいい聞かせているのだろうと解釈できます。
この身とは、自分自身。この歌詞においては自分自身の人生を意味しています。
博打とは賭け事で、挑戦という意味だと考えられます。
清々するぜとは、殻を抜け出せて清々している様です。
激動、時代の坩堝とは、世間の荒波。そこへ飛び込んでいくだけだという意味です。
“遊びじゃないのよ貴女とは”は、本気だということです。
なんて嘘で固めたこの夜ならとは、嘘ばかりの世の中ではという意味だと考えられます。
冗談もご愛嬌でしょ。とは、冗談くらい可愛いものでしょ。という意味です。
暴れ回れよ
哀れだろ?
むしゃくしゃするぜ
喧騒に上がる煙に
飛び込んでいくだけさ
遊びきるんだ、この世界
喧騒、狂乱に、雨あられ
最後の最後には
ニヤリと笑ってみせる
一度解釈したので割愛します
自由を満喫した最後には
必ずいい人生だと笑ってみせる
一度解釈したので割愛します。
最後の最後とは、思う存分本当の自分で人生を満喫したあとのことです。
ニヤリと笑ってみせるということは、満足する結果が得られた。幸せになれた。と実感してみせる。という心意気が感じられます。
まとめ
Vinylの歌詞を解釈してみて、「本当の自分で生きていきたい」という強い気持ちを感じました。
多くの若者が抱くであろう感情、葛藤をうまく表現した曲だと思います。
多くの若者は、無難に偽りの自分で社会生活を過ごすことを選ぶのでしょうが、この曲の自分は、本当の自分で生きていくことを選びました。
歌詞通り、「最後の最後にはニヤリと笑ってみせる」人生になることを祈っています。作詞作曲を手掛けた常田さんがむしゃくしゃしている時に作った曲のようですが、常田さんの実体験に基づいた曲なのでしょうか。