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【King Gnu/破裂】の歌詞の意味を徹底解釈 | 不倫関係でもだんだん本気になってしまった主人公が描く苦悩とは

編集: ひいらぎ 最終更新:
目次

破裂という曲名の意味を考察

「破裂」という単語は曲中には一度も出てきません。しかし冒頭から「もう精一杯」と言っていることから、何かに耐え続けてきたものが破裂してしまったという曲であると読み取ることが出来ます。

不倫関係にある男女が現在の状況に耐え兼ね「破裂」し、男性が女性に必死に自分のところへ来るように促しているような描写が続きます。

つまり破裂してしまったのは「割り切った関係ではいられず本気になってしまった男性の気持ち」ではないかと推測することが出来ます。


破裂の歌詞の意味を徹底解釈

1番

もう精一杯だろ 身体に満ちた涙溢れ出すよ
とめどなく 小さな綻びから
するりするりと 滲んでるよ

そのうち朝日は昇り すべてはただの夢だって
そんなもの 真面目すぎるのよ
独りぼっちのふりしてさ

すべては幻
破裂 -King Gnu
解釈

もう俺は十分に精一杯やった。
これまで耐えてきた分の涙が溢れ出していく
それは一度に流れ出すのではなく、ふとした瞬間に空いてしまった小さな隙間から滲み出るように出てくる。

そのうちに朝になってしまったときに初めて気づくのは、それらが全て夢であったこと。
「そんな身を削るほどわたしのことを想っているなんて真面目すぎるわ。独りぼっちのふりをしてわたしに依存するなんて」

もう精一杯だろうと問いかけるのは自分自身に対して。

身体に満ちている涙、すなわち何かに耐え続けてきたことによって、ボロボロに疲れてしまった自分自身に「もう十分やった」と問いかけているように感じます。

しかもそれは何かをきっかけにして決壊したようなものではなく、初めからどこかにあった「後ろめたさ」のようなものからじわじわとその範囲を広げながら滲んでいる様です。

そして一晩を過ごして朝日が昇ったころにもう一人の登場人物が現れます。

口調が「~のよ」ということから女性のセリフであるようです。

「真面目すぎる」とは、真剣にその女性のことを想っている自分に対して、女性が男性の身を案じるかのように、それでいて滑稽であることをたしなめるように言っています。本来真面目であることは良いことなのですが、こと今回においては真面目であることがマイナスに働いてしまうことにこの曲のストーリーの本筋が見えてきます。

そしてさらに追い打ちをかけるように「独りぼっちのふり」と言われてしまいます。

ここまでのことを総合すると、どうやらこの曲のテーマは「叶わない恋」のように読み取ることが出来ないでしょうか。

ただ不釣り合いというわけではなく、この女性は既に既婚者、あるいは別の恋人がいるかのような不倫関係であるということです。

男性が真剣にその女性のことを想えば想うほど、男性は自らの心を擦り減らし、いつの間にか自身の身体は涙に溢れてしまっていました。

そんな男性を見て、「わたしをそんな風に想っているなんて真面目すぎる」と軽くあしらわれてしまっていることから、いかにも「女性の方は割り切った関係を望んでいるのに男性が真剣になってしまった」ような状況を思い描くことが出来ます。

そしていくら真剣になったところで手に入れることは出来ない幻であるということに気付いてしまうのです。


2番

いつでも強がってないでさ
光だけを見つめていて
めくるめく逃避行の旅へと
貴女連れ出すから

目に映る全てが 悲しく笑うなら 目を瞑ればいい

すべては幻
破裂 -King Gnu
解釈

そんな風にいつまでも強がっていないで、素直に光のある方向へ進めばいい。
こんなところにいないで、色んなものを見ることができる旅へ僕と一緒に逃げよう。

目の前にあるたくさんのしがらみもあるだろうけど、そういうものが目についてしまうのなら見て見ぬふりをしてしまえばいいのさ。

後半は女性は登場せず、とても前向きで希望を持てる様な素敵な言葉が並べ立てられます。

あなたを連れ出してあげる、などなかなか言えることではありませんし、言われた方もとても嬉しいことですよね。

しかし、何故かこの曲は全体を通して物悲しい雰囲気が最後まで漂い続けます。

前半ではこの女性には既に相手がいて、この男性のことが嫌いというわけではないがあまり依存して欲しくない、割り切った関係でいたい、と言っている様な突き放したような物言いをしています。

それに対して、男性が必死にいい言葉を並べてなんとか自分のものにしようとしているように思えます。


いつまでも篭もってないでさ
暗闇に惑わされないでいて
微かな光を辿ってさ 生きるんだ

いつでも強がってないでさ
光だけをみつめていて
めくるめく逃避行の旅へと 旅へと

すべては幻
破裂 -King Gnu
解釈

そんなところにいつまでもこもっていないで、暗いところにいるんじゃなくてもっと外の世界に希望を探しに出よう。
そして微かでも光があればそれを頼りに生きていくこともいいんじゃないか。
全てから逃げ出して旅へ出よう。

でも、それも全て幻。

一緒に逃げ出すう、と言うと、いかにも囚われた姫を救い出す勇者の様で格好よく見えますが、あくまで歌詞の中では「めくるめく逃避行」と表現されています。

「逃避行」とは世間に対して後ろめたい気持ちがある者が一緒に逃げ隠れて暮らすことで、こうした不倫関係にある男女が逃避行するというようなシチュエーションは演歌や小説などでも多く用いられる言葉です。

ただ純粋に前を向いて、広い世界に飛び出そうという意味で言っているのではなく、今あるしがらみから抜け出して僕と一緒に逃げてしまおうと言っているのです。

もちろん既婚者と推測されるこの女性には夫や周囲の目や家族のことなどがあって簡単に逃げることなどできません。

しかしそれらも見て見ぬふりをして一緒に逃げようと誘い出していることから、男性の女性への気持ちはとても強いものであると同時に、周囲や相手の気持ちのことを考えない少々自分勝手な男の様にも思えます。


すべて幻さ 奴らのまやかしから 連れ出すから

目に映る全てが 悲しく笑うなら
目を瞑ればいい いっそ幻の中へと逃げ込めばいい
破裂 -King Gnu
解釈

全てはただの幻で、奴らが惑わしているだけの世界から君を連れ出してあげるから。

とにかく見て見ぬふりをして幻の中へ逃げ込んでしまえばいい。

幻とは現実にはないけど目に見えてしまっているもので、この男性には女性との未来が見えているのかも知れません。

しかしそれも全て男性の中で膨らませてしまった妄想がとうとう破裂してしまい、相手の女性の方も自分と同じ気持ちだと思い込んで逃避行を提案したが、全ては自分の中で作り上げた幻であった、と解釈することができます。


まとめ

King Gnuらしいショッキングでドロドロとした愛憎劇が表現されています。

歌詞だけでなく曲調やアレンジの演出も相まって、まるで一つの物語を見ているかのように感じることが出来ますね。