【ヨルシカ / 都落ち】の歌詞の意味を徹底解釈 |忘れられていく切なさを描いた歌詞を徹底解釈!
編集: ひいらぎ最終更新: 2023/4/6
都落ちという曲名の意味を考察
「都落ち」は、音楽画集『幻燈』に収められている楽曲です。
都落ちは、都会にいられなくなり、地方などへ転居することを指していますが、歌詞の中で「今、思い出に僕は都落ち」というフレーズがあることから、気になる相手に忘れられていくことからきているのではないか、と感じます。
都落ちという歌詞の意味を徹底解釈
水際の微笑み
花咲くや 赤ら引く頬に
さざなみ寄るは海
貴方は水際一人微笑むだけ
今、思い出に僕は都落ち
都落ち -ヨルシカ
花が咲き乱れる中、主人公から笑顔が消えたことを記しているようです。
さざなみが寄せる海辺にはただ笑みを浮かべる大切な人の姿があり、ゆったりと一人で微笑んでいるのでしょう。
今、大切な人の思い出の中で主人公は都落ちをしたと感じたようです。
明日にはもう…
鼻歌、綺麗だね
明日には往くんだぜ
海猫が鳴いたね
鳥でも泣くんだね
心なし乾いたら別れの時間だぜ
夏風揉まれて貴方に浅い影
都落ち -ヨルシカ
ここでは客観的に物事をとらえている主人公の姿が見えてきます。
君の鼻歌がとても美しいメロディーで感動しているのに、明日はこの街を去ってしまうんだな…と、とても寂しい気持ちになっているようです。
鳥は本来鳴く生き物ですが、ここでは海猫が鳴いた様子を「泣く」と表現しており、より一層主人公の切なさが伝わってきます。
心を満たすような愛情をもう一度感じられたらいいけど、夏風に吹かれながら、君に浅い影を残すようにここにいるよ、と主人公は思っているのかもしれません。
別れのひととき
さらり花咲くや あから引く頬に
さざなみ、夜は海
貴方は水際一人手を振るだけ
今、思い出に僕は都落ち
都落ち -ヨルシカ
この部分は最初のフレーズと似ていますが、”あから引く頬に”に変わっています。
このことから花が咲いている中、涙を流す姿を描写しているのでしょう。
波打つ海のように、主人公の心は穏やかではないことを表現しているようです。
”貴方は水際一人手を振るだけ”というフレーズは、別れを告げることを意味しているのではないでしょうか。
さよならの朝
朝焼け、綺麗だね
舟はもう発つんだぜ
海猫が鳴いたね
貴方も泣くんだね
人里離れて鳴る音は向かい波
飛ぶ鳥は遠くへ明日から向こうまで
都落ち -ヨルシカ
美しい朝焼けの景色について歌っているようです。
その美しい景色とは反対に、別れが近づいているようでもあり、景色が美しいと本心から思えない様子が伺えます。
舟が発つことで、旅立ちの季節になったことを表しており、旅立ちの寂しさや、自然の美しさに触れることで感動して涙する想いが表現されているのではないでしょうか。
フレーズの後半では、人里を離れ自然の中にいると、周りからはさまざまな音が響いてくると記されており、向かいくる波の音や、遠く離れた場所から聞こえる鳥の声など、豊かな情景が表現されています。
また”明日から向こうまで”というフレーズは、未来へ向けての旅立ちや、物事の先にある未来に向けて前進する想いが込められているのではないでしょうか。
離れたくなかった
水に落ち流れやがて憂き
貴方に焦がれる舟は海
惜しみ書く指は思う丈ばかり
散る思い出は波か都落ち
都落ち -ヨルシカ
このフレーズでは、大切な人から離れる寂しさや悲しみを表しているようです。
水に落ちることは自由に流れることに似ているため、人生や恋愛において自分を失うことを表現しているのでしょう。
大切な人を愛している思いがあふれますが、その思いもやがては海に流され、消えていくことを暗示しているように感じます。
”散る思い出は波か都落ち”というフレーズは、別れた大切な人との思い出が風化していく様子を表現しているのではないでしょうか。
散っていく思い出は、波と共に海へと流されていき、その様子がまるで「都落ち」のようだと伝えたいのかもしれません。
水上の想い出
都離れて舟進む
水は流れて時もまた
僕は貴方の思い出に
ただの記憶に
都落ち -ヨルシカ
”都離れて舟進む”は、大都会から離れて別の場所で新しい生活を始めることを表しているようです。
舟が進むように、新しい場所へ向かって前進することを想像させるフレーズであり、”水は流れて時もまた”という歌詞は、時間が経つことを表現しているのではないでしょうか。
過去に大切な人との思い出があるけれど、今はその人とは別々の人生を歩んでいるようであり、思い出はただの記憶に過ぎないけれど、それでも大切なものであることを思わせます。
海辺で僕は…
恋ふらくはあから引く頬の
寄せ消ゆ波の花
貴方は水際一人微笑むだけ
今、思い出に僕は
都落ち -ヨルシカ
恋が終わってしまったと感じ、悲しみに暮れる主人公が描かれているようです。
”波の花”は冬の日本海沿岸で見られる風景であり、波が白い泡のようになり雪のように舞います。
季節が巡っていることを示唆しており、主人公は思い出に浸りつつも、この恋が終わっていることに気が付いているのでしょう。
大切な人はただ水辺に立ち微笑むだけで、主人公はその光景を見てなおさら寂しさを深めているようです。
寄せては消える波の花が、この恋愛の消滅を象徴しているのかもしれません。
海辺の別れ
さらり花咲くや あから引く頬に
さざなみ、夜は海
貴方は水際一人手を振るだけ
今、左様なら 僕は都落ち
都落ち -ヨルシカ
春になり花が咲き始めたようです。
静かな波音を聞きながら夜の海を眺めているようであり、思い出の中で大切な人が水際で一人、手を振っているのでしょう。
”左様なら”というフレーズは本来の意味である、「そのとおり」という意味の他に、「さようなら」という意味も込められているのではないでしょうか。
ずっと思っていた大切な人と別れを決意したようです。
まとめ
今回はヨルシカの「都落ち」の歌詞の意味を徹底解釈しました。
「都落ち」の歌詞には、哀しみや別れの悲しみが含まれているように感じます。
歌詞の中で、誰かを手を振って見送る場面が描かれていますが、その人はもう帰らず、自分は孤独な旅を続けるしかないと思ったのでしょう。歌詞には和言葉が使用されており、より寂しいイメージが浮かびます。
大切な人にとって自分は思い出の中の人であり、それ以上でもそれ以下でもない。
いつか忘れられてしまう存在なのだ、ということを伝えたいのかもしれません。
歌詞を聞いて、深く共感する人も多いのではないでしょうか。
これからもmusic.branchwithではヨルシカを追って行くのでぜひチェックしてみてください!