【ALEXANDROS/月色ホライズン】の歌詞の意味を徹底解釈 | 過去、現在、未来すべてを悟った主人公から見る世界とは
編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19
月色ホライズンという曲名の意味を考察
「月色ホライズン」とはどのような意味があるのでしょうか。
Horizon(ホライズンまたはホライゾン)とは地平線・水平線または、限界、境界、視野、範囲という意味があります。
過去と未来の境界線の上にいる主人公は、未来を見たときに見える地平線の月色の光に希望を抱いているのだと思います。
そして立っている場所である境界線は「今」。月色に輝く地平線を見ながら、今だけを歩いて行けばいい、そんな意味が込められているのではないでしょうか。
月色ホライズンの歌詞の意味を徹底解釈
1番
東京はこんなんで
どうもこうもないような日々が続いているよ
たまの晴れ間に一喜一憂して過ごしている
熱い言葉はどうも性に合わないみたいでむず痒いよ
捻り曲がりくねったまま僕は旅へ出た
憧れてた場所は、こんなもんかって感じ。
特別なことは別にないし、可も無く不可も無く、そんな毎日を繰り返している。
時々、すごく気分がいい日もあるし、とことんつまらない日もある。
毎日ストイックで熱い生き方してる人と僕は違う。
ひねくれた自分を変えたくて、旅に出ることにした。
代わり映えしない毎日に飽き飽きしてるような主人公が見えますね。「東京はこんなんで」という歌詞から、彼はどこか田舎から上京してきたのでしょうか。
慣れてくると、どんなに新鮮だった場所も、こんなもんだよね、という風に落ち着きます。楽しいと思う事もたまにあるけど、どこか空っぽな毎日が続いているのです。
日々を熱く生きて、充実しているような人のことを少し羨ましく思うけれど、「性に合わない」と言って、自分が捻くれ者だと思っているようです。そんな自分が嫌で、何か変わりたいと思い、旅へ出ることにしたんですね。
飛行機の窓から世界を眺めた
昨日が明日と背中合わせて
今でも僕らは
そのどちらかで
迷いながら 居場所はどこ?
って探してる
空の中は昨日と明日を行き来しているようだ。
僕は今どこに居ればいいのだろう。
主人公は、過去の青春の思い出と、満たされない今の状況で揺れ動いています。飛行機のように前に進んで、未来を向いて行かなきゃいけないのに、過去に恋い焦がれ、未来には不安を抱いています。
もちろん過去には戻れないし、不安でも未来へ進んでいかなきゃいけない。
「今」という居場所があるのに、過去と未来のどちらかばかりを見ている主人公は、居場所がないと感じているのです。
僕らには いつまでも
光と闇が待っているの、いるの?
Well maybe it’s not so bad
(そんなに悪くないんじゃない?)
今をただ生きていく
未来にはどんなことが待っているんだろう。
昨日不安を感じていた今日は、別に不幸じゃないな。
未来のことなんて考えずに、今だけを生きていればいい。
人生には良いことも悪いこともあります。みんなそれぞれ辛いことを乗り越えたり、幸せを感じたりして生きていきます。
主人公は未来のことを考えすぎて、起きてもいないことに不安を抱いています。
でも、今現在は、「そんなに悪くないんじゃない?」ということに気がつき、悪くない今を生きていれば、必然的に未来も悪くないかも、と思ったのですね。
2番
あっという間に僕らこんな時代まで辿り着いていたよ
たまの晴れ間のその瞬間だけ君を思い出して
あの楽しかった日々はもうあんなに昔のことになったんだ。
あの頃はこんな未来想像してなかったな。
君の事は、気分がいい時だけ思い出すようにしている。
今はこんなにテクノロジーが発達して、あの青春時代からは想像つかなかったですよね。いつの間にかこんなに時代は進んでいた。そんなことを思いながら、今日も主人公は思い出に心を泳がせています。
「晴れ間」とは、天気の晴れに例えて、晴れやかな気分のことを指していると思います。思い出に浸りすぎると、現状に戻ってくるのが辛くなったりしますよね。
それを少しでも避けるために、たまにある気分の良い時だけ思い出すようにしている、ということではないでしょうか。
蜃気楼のままで未来描けたら
どれだけ楽に過去を消せるだろう
未来の姿や形を見ることが出来たら、不安もなくなる。
そしたら過去の思い出にすがり付かなくても大丈夫なのに。
「蜃気楼」とは、熱気・冷気による光の異常な屈折のため、空中や地平線近くに遠方の風物などが見える現象のことです。
そんな風に、未来を見ることができたら、見えないものに対する恐怖は無くなります。未来が不安なのは、未来がわからないからです。
そうやって不安が無くなれば、未来にも希望が持てて前に進める。だから過去を思い出して寂しくなることもないのに、と言っているのでしょう。
それでも僕らが
此処に在るのなら
ためらいは捨て
居場所はここって
言い切るよ
未来は不安だし、過去を思うと寂しくなる。
でも僕が生きているのは今というこの場所。
もう未来や過去には行こうとせずに、自分の居場所は今だけだって決める。
主人公は、過去を寂しんでは、未来に不安を抱く。そんな毎日でした。でも、自分自身がいるのは「今」というこの瞬間だけなのです。
居場所がないと感じ、空っぽだった心を、「そんなに悪くはない今」という場所に置いて、その瞬間だけを生きていれば良いのです。
そして過去は無くなりません。自分の青春だった思い出は永遠に消えることはありません。
それはとても幸せなことでもあると思います。寂しいと思うから辛い。「今」を生きるだけで良いなら、過去を寂しがる必要は無いのです。
僕らにはいつまでも
青いメロディーが 鳴っているの、いるの
Just let it go out tonight
(それを全部出してしまおう)
心が歌っていく
ずっとあの頃の思い出が、心の中で渦巻いている。
全て出し切ってしまえば、それが歌になる。
「青いメロディー」とは青春。それがいつまでも鳴っているということは、思い出に浸り出られないということ。
それを「全部出して」しまえば、歌という新しい形が生まれます。思い出は消えることなく、いつまでも歌として残しておける。主人公がある意味での、過去との決別をした瞬間だと思います。
3番
大人には いつまでも
なりたくないと思っていたけど
Well maybe it’s not so bad
(そんなに悪くないかもな)
心が巣立っていく
ずっと好きなことをして遊んでいられたあの頃が、ずっと続いて欲しかった。
大人になるってことは、それが出来なくなって我慢して生きていくことだと思ってた。
でもそんなことなくて、結構楽しいかもしれない。
そうやって大人になっていく。
主人公にとっての「大人」とは、あの頃みたいな「自由」がなくなることだったのではないでしょうか。
大人はつまらないもの、辛いもの、自分の力で生きるために、やりたくないことをやらなきゃいけないもの。
でもそうではなく、「大人」には自分で道を選べるという自由があります。自分というものを捨てずにいれば、やりたいことをやったり、行きたいところに行ったり、全ては自分次第でなんとでもなる。
そして、思い出から来る寂しさを克服することが「大人」になるということなのではないでしょうか。
The meaning of our lives
The reason why we’re here
I guess I don’t even care at all
It’s just the way it is
But I don’t mind at all
As long as I’m here
(「人生の意味」なんて 「此処にいる理由」なんて
正直僕にとってはどうでもよくて
「それが人生さ」って言われても
僕は構わない 現在生きてるなら)
もう考えても仕方ないって気づいた。
今此処に僕が居る限り、悟ったように何かを言われても、気にしない。
過去や未来のことを思うと、「意味」とか「理由」を考えてしまいますよね。考えても答えは出てこないし、考えれば考えるほど、だんだん不安になってきます。
「今」しか生きられない私たちは、未来や過去を考えることで立ち止まってしまうのです。
主人公は、もう考えることを辞め、今生きてさえいればそれで大丈夫なんだということに気づいたんですね。
僕らには いつまでも
光と闇が待っているの、いるの?
Well maybe it’s not so bad
(そんなに悪くないんじゃない?)
今をただ生きていく
一度解釈したので割愛します
一度解釈したので割愛します
僕らにはいつまでも
青いメロディーが 鳴っているの、いるの
Just let it go out tonight
(それを全部出してしまおう)
心が歌っていく
一度解釈したので割愛します
一度解釈したので割愛します
まとめ
過去、未来、現在、この3つをとことん考えたからこそ、「今だけを生きれば良い」という答えにたどり付いた主人公。
この3つを同時に生きることは不可能ですよね。思い出は思い出として自分なりに決別して、今この瞬間を歩いて行くだけで未来は勝手にやってくるのでしょうね。