【10-FEET / 第ゼロ感】の歌詞の意味を徹底解釈 |映画『THE FIRST SLAM DUNK』のエンディングに起用された気持ちが高ぶる歌詞を紐解く!
編集: ひいらぎ最終更新: 2023/3/7
THE FIRST SLAM DUNKってどんなアニメ?
映画『THE FIRST SLAM DUNK』は90年代、大人気を博したバスケ漫画の映画版です。
漫画では桜木花道が主要キャラでしたが、映画版では湘北高校7番PGである宮城リョータの過去が描かれています。
映画ではインターハイでの神奈川県立湘北高校対秋田県立山王工業高校の試合を軸として進行しますが臨場感が半端なくあり、ギャクの要素はほぼありません。
試合の進行とともに明かされる宮城リョータの過去。
原作を知っている方もそうでない方も楽しめる映画になっています。
第ゼロ感という曲名の意味を考察
曲名の「第ゼロ感」は第六感を連想させます。
第六感は五感以外のものであり、視覚、聴覚、触覚、味覚そして嗅覚以外の感知能力を指しています。
その感覚がゼロであることから、感覚は全く持って関係がなく、人としてしっかりと考え悩み、そして解決するということを意味しているように感じます。
第ゼロ感という歌詞の意味を徹底解釈
1番
夢をかなえるために
群れを逸れて夢を咥えた
それが最後になる気がしたんだ
獣は砂を一握り撒いた
それが最後になる気がしたんだ
第ゼロ感 -10-FEET
このフレーズでは社会の縛りから離れ、自分の理想や夢を追いかけるということを言っているようです。
ただ自信はあまりなく、自分の選んだ道が間違っているか、行く先に未知の危険があるか、あるいは果てしない不安に苛まれることがあるかもしれないと思っている様子。
ですがそういったことをすべて超えてでも夢をかなえたいという気持ちが見え隠れします。
フレーズには獣とありますが、これは主人公のことを指しているのではないでしょうか。
砂を一握り撒くことで、主人公がその場所を自分たちのものにしたという意味もあるかもしれません。
そして”それが最後になる気がしたんだ”というのは、もう戻れない、もう何かが変わってしまった、と伝えたいのではないでしょうか。
主人公の気持ちに何らかの変化が生じたようです。
少年の頃の約束
不確かな夢叶えるのさ 約束の夜に
微かな風に願うのさ 静寂の朝に
遠い星の少年は
その腕に約束の飾り
まだ旅路の最中さ 幻惑の園に
第ゼロ感 -10-FEET
サビの部分です。
この部分は映画の話とリンクしているようでもあり、遠い星の少年はリョータを指しているのではないでしょうか。
そして"腕に約束の飾り"とありますが、これもまたリストバンドを指している気がします。
夢がかなうかどうかわからないし、それが自分の夢であるかもわからない。だけと遠い日に約束したことを叶えるために、自分でもまだ届かない場所へ行き、夢をかなえてみたい…。そんな思いが伝わってきます。
2番
未来の扉への鍵はどこに
霞んで消えた轍の先へ
それが最後になる気がしたんだ
手負の夢を紡ぎ直せば
それが最後になる気がしたんだ
第ゼロ感 -10-FEET
2番のフレーズの最初の部分では不安感が少し漂っています。
自分の行く先が明確に見えないまま進んでいくと、そこが最後になってしまうのではないかという不安感が芽生え、何とも言えない焦燥感、そして自己を否定する気持ちが見え隠れしているようです。
ですが、焦り、自分を否定しながらも、それでも夢を叶えたいと思った主人公は、なんとか踏ん張ろうとしたのでしょう。
今この時を逃せばいつまでも何もできないままだ、と決心をし、行動するようです。
幻惑の約束
熱砂を蹴り抗うのさ 約束の前に
命綱は無いのさ サーカスの夜に
まだ旅路の最中さ
あの場所に加速するさらに
雨上がりのシャンデリア 幻惑の園に
第ゼロ感 -10-FEET
このサビの部分では、熱くて踏むに辛い砂を蹴り、危険が伴う場所でも進み、約束を実行するために前へ前へと進む様子が垣間見えます。
まだまだ目的地には遠く、旅路はまだ続いており、目的の場所に、気持ち的にも距離的にも近づくにつれてスピードアップしたのではないでしょうか。
シャンデリアはとてもキラキラとしていますが、この様子はバスケの円陣を組んだ時、天井に見えるライトの灯りと呼応している気がします。
雨上がりとなっているので、様々な悩みが少し解決したのかもしれません。
冗談でしょ?
Swish da 着火 you
迷走 smash
Dribble trapper
Kidding me now?
第ゼロ感 -10-FEET
このフレーズではバスケ用語が出てきます。
最初に出てくる”Swish”はリングに当たらずに成功したシュートのことを指しており、リングに当たらなければ、シュっと音がしますがそこからきているようです。
ここではシュートをキレイに決めろ!と言いたいのかもしれません。
またDribble やtrapperもバスケ用語。
その後”Kidding me now?”とあるので、素晴らしいシュート連発でうそでしょ?と思っている観客の様子を描いているのかもしれません。
前へと進め!
Coyote steals the sound
Coyote steals the pass
Coyote steals the sound and pass
第ゼロ感 -10-FEET
このフレーズは、単純に訳すとコヨーテが音やパスを奪った、というようになります。
ここでの"steals "はパスカットなどを指しており、相手からボールを奪う方法です。
映画の重要人物であるリョータは身長168cmと小柄タイプ。
小柄ゆえにスティールもでき、ポイントガードとして活躍しました。
そんな映画のシーンを思い起こすフレーズとなっているのではないでしょうか。
響き渡るビート
Pass code a "Penetrator"
ベース! Bebop!
ゲット triple! Buzz up ビート!
ワンラブ and marcy!
Bebop! Heat check!
Vasco da Gama ビート!
第ゼロ感 -10-FEET
このフレーズで出てくる "Penetrator"もまたバスケで使われる用語であり、オフェンスがディフェンスを突破するプレイヤーのことを指しているようです。
また”Heat check"もバスケに関する言葉で、何本もシュートを決める選手がどのくらい好調を維持できるか確認するシュートを指します。
みんなでチームを盛り上げ、勝ちに行く…そのようなことから目標を達成するまでの様子が描かれているのかもしれません。
何も考えず体が動くままに
Pass code a "Penetrator"
ベース! Bebop!
Wanna buzz up ビート!
Just wanna buzz up ビート!
脳内更地にextra pass
クーアザドンイハビ
第ゼロ感 -10-FEET
最後のフレーズで出てくる”extra pass”は、ショットが打てるのにも関わらず、より得点に結びつくように他のプレーヤーに出すパスを指します。
その前に”脳内更地”とあるので、頭を空っぽにして本能のまま動け!と言いたいのかもしれません。
最後の”クーアザドンイハビ”は言葉が逆さになっており、「Behind the Arc(ビハインドザアーク)」のこと。3Pラインよりも後ろから打ち、決まった時に使われます。
わざわざ逆さにしたのは何か意図があったからでしょうか。
もしかすると曲名である「第ゼロ感」と関係があるのかもしれません。
まとめ
今回は10-FEETの「第ゼロ感」の歌詞の意味を徹底解釈しました。
この歌詞は、リズムと音の重要性を強調しているようです。
たくさんのバスケ用語が出てきており、バスケを知らない人も身近に感じたのではないでしょうか。
バスケ用語が出てきつつも脳内が「更地」(クリアな状態)になり、自分を取り巻く環境から解放されたことが表現されているようでもあります。
夢を追うだけでなく、その夢が実現できるように行動することの大切さ、心の葛藤が描かれていたように感じます。
歌詞を聞いて、深く共感する人も多いのではないでしょうか。
これからもmusic.branchwithでは10-FEETを追って行くのでぜひチェックしてみてください!