【YOASOBI / 優しい彗星】の歌詞の意味を徹底解釈 |もうすぐやってくる別れを描いた、アニメ『BEASTARS(第2期)』エンディングの歌詞を紐解く!
編集: ひいらぎ最終更新: 2023/5/11
BEASTARS(第2期)ってどんなアニメ?
『BEASTARS(第2期)』は、草食獣と肉食獣が共存する世界が舞台のアニメ作品です。
第2期では、自分が肉食獣であることを受け入れ、草食獣のハルのために強くなると誓ったところからはじまります。
レゴシは平穏に学生生活を送っていましたが、半年前に起こった食殺事件の犯人がいまだ野放しになっている事実を突き詰められる出来事がレゴシに起こります。
さらにシシ組も新たなボスを迎え、再び力をつけ始めました。
学園と裏市のそれぞれの因縁が絡み合い、レゴシにも試練が訪れます。
草食獣と肉食獣の狭間で、愛や友情、正義を探し続けるレゴシ。
レゴシは本当に大事なものを守り抜くことができるのか…。
『BEASTARS(第2期)』は葛藤する若き動物たちの壮大な物語が繰り広げられます。
優しい彗星という曲名の意味を考察
「優しい彗星」は、『BEASTARS』の原作者・板垣巴留さんの超短編小説「獅子座流星群のままに」を元に作られています。
曲名は、”優しさ”や”愛”を表現するために用いられていると考えられますが、彗星(流星)は様々な説があり、良い出来事であると言う反面、人の死を連想させるものでもあります。
歌詞からは死を連想させるフレーズが出てくることから、命について考える意味合いがあるのかもしれません。
優しい彗星という歌詞の意味を徹底解釈
月光の旅路

今、静かな夜の中で
無計画に車を走らせた
左隣、あなたの
横顔を月が照らした
優しい彗星 -YOASOBI
このフレーズは静かな夜の中で、主人公が無計画に車を走らせている様子が描かれています。
自分の左隣に座る「あなた」の横顔にふと目を止めたのでしょう。
月明かりがその人の顔を照らしていることに気がつきます。
このフレーズからは主人公の心が、「あなた」に向かって動き始めることを示唆しているようです。
溢れてくる記憶

ただ、思い出を探る様に
辿る様に言葉を繋ぎ合わせれば
どうしようもなく溢れてくる
日々の記憶
優しい彗星 -YOASOBI
主人公は過去の出来事を振り返っているのでしょう。
過去に刻んだ思い出を辿って、言葉でつなぎ合わせていくと、その記憶が溢れ出してくることを表現しているようです。
昨日までの過去は自分にとって大切な思い出であり、想い出せば再びその時の記憶があふれるように出てくる、と感じているのではないでしょうか。
強さを与えた眼差し

あなたのそばで生きると決めたその日から
少しずつ変わり始めた世界
強く在るように弱さを隠すように
演じてきた日々に
ある日突然現れたその眼差しが
知らなかったこと教えてくれた
守るべきものがあればそれだけで
こんなにも強くなれるんだ
優しい彗星 -YOASOBI
いつもあなたの傍にいることを決めた日から、自分たちの周りの世界が少しずつ変わり始めた、と主人公は感じたようです。
今まで強く生きることを望み、弱さを隠そうとして、主人公は毎日偽りの自己演出を続けてきたのでしょう。
しかし、ある日突然、主人公の前にあなたが現れ、それまで知らなかった感情を教えてくれたようです。
それは大切な人を守るということ。
守るべきものがあることで、こんなにも強くなることができるのだ、と主人公は感じているようです。
星と共に輝いた記憶

深い深い暗闇の中で
出会い、共に過ごしてきた
類の無い日々
心地よかった
いや、幸せだった
確かにほら
救われたんだよ
あなたに
優しい彗星 -YOASOBI
”深い暗闇”とは混沌とした世の中、もしくは主人公たちの心の内を指しているようです。
そのような中で主人公はその人と出会い、支え合い、一緒に過ごしてきたようです。
一緒に過ごした大切な日々を思い出しているのでしょう。
二人の時間は特別な時間だったようであり、とても心地よく、幸せだったようです。
また大切な人のそばにいるだけで、主人公は救われたと感じたようであり、張り詰めた緊張感からほんの少し解放され、ささやかな幸せを感じているのではないでしょうか。
流れる涙の美しさ

わずかな光を捉えて輝いたのは
まるで流れ星のような涙
不器用な命から流れて零れ落ちた
美しい涙
優しい彗星 -YOASOBI
この歌詞は自分の人生の中で、失敗や悲しみに苦しんだ過去を振り返る主人公の心情を表現しているようです。
フレーズからは、大切な人の命がもうすぐ消えることを示唆しており、大切な人の目から零れ落ちた涙はまるで流れ星のようであり、美しいと感じたのでしょう。
涙を流すことで心の叫びを表現しているようでもあります。
星に託す優しさ

強く大きな体に秘めた優しさも
どこか苦しげなその顔も
愛しく思うんだ
姿形じゃないんだ
やっと気付いたんだ
無情に響く銃声が夜を引き裂く
別れの息吹が襲いかかる
刹那に輝いた無慈悲な流れ星
祈りはただ届かずに消えた
優しい彗星 -YOASOBI
強い体と大きさを感じさせるあなたの優しさ、苦しそうな表情も愛しく感じられるのでしょう。
姿形に惹かれるのではなく、その内面の素晴らしさに惹かれていたことをたった今、気が付いたようです。
ですが気が付いた時にはすでに遅かったのでしょう。
フレーズには"無慈悲な流れ星"と記されていますが、流れ星はお願いごとが叶うと言われている反面、死を連想させるものでもあり、ここでは大切な存在のあなたの命が消えていったことが描かれているのではないでしょうか。
彗星の余韻

この、手の中で燃え尽きた
金色の優しい彗星を
美しいたてがみを
暗闇の中握り締めた
優しい彗星 -YOASOBI
彗星が燃え尽きた後の主人公の心情が描かれているようです。
たてがみは、軌道上を通過すると尾を引く現象のことで、美しい軌跡を残すたてがみが、その彗星が残した痕跡を表現しているのでしょう。
主人公の手の中で大切な人の命が途絶え、切なく感じているようです。
原作となる短編小説『獅子座流星群のままに』の世界が描かれているようでもあります。
まとめ
今回はYOASOBIの「優しい彗星」の歌詞の意味を徹底解釈しました。
「優しい彗星」の歌詞は、手の中で燃え尽きた彗星=金色の優しい彗星について描いているようです。
彗星が消え尽きる瞬間に、その優しさが更に強く感じられたのでしょう。
また、彗星を握り締めるという表現からは「大切なものを失いたくなかった」という思いが感じられました。
歌詞を聞いて、深く共感する人も多いのではないでしょうか。
これからもmusic.branchwithではYOASOBIを追って行くのでぜひチェックしてみてください!