【宇多田ヒカル / 初恋】の歌詞の意味を徹底解釈 |First Loveから19年後…初恋はどう変化したのかを紐解く
編集: ひいらぎ最終更新: 2023/2/17
TBSドラマ『花のち晴れ~花男Next Season~』はどんなドラマ?
『花のち晴れ~花男Next Season~』は一世を風靡した『花より男子』の続編であり、ドラマではF4が卒業してから10年後の英徳学園を舞台とし、自分らしく生きることがテーマの痛快青春ラブコメディーとなっています。
物語は元社長令嬢で現在は庶民の江戸川音、英徳学園で庶民狩りを行うC5リーダー神楽木晴、そして音の婚約者でライバル校の桃乃園学院で生徒会長を務める馳天馬の3人を軸に進んでいきます。
主人公音は、健気さのほかにも強さを兼ね備えており、やがて婚約者馳天馬とC5リーダー神楽木晴の間で揺れ動きます。
最後まで天馬を選ぶ音ですが、最終的にはどちらの男性を選ぶのか…。
この3人のほかにも個性豊かなキャラクターが数多く登場し、それぞれの悩みやヒミツを抱えながら自分自身を見つけ、自分らしく生きるために奮闘する姿が描かれています。
初恋という曲名の意味を考察
「初恋」はTBSドラマ『花のち晴れ~花男Next Season~』のイメージソングです。歌詞の中では、主人公が初めて恋に落ちる瞬間や、相手と出会わなければ自分はどう生きていただろう…と考える場面が多く描かれています。また恋をする、ということについて当たり前のように思っていたことが実はそうでもないと気付き、自分自身の弱さや不器用さを徐々に受け入れる様子も書かれています。前回のFirst Loveから19年。同じ意味を持つ「初恋」はしっとりと静かに、恋について語りかけています。
初恋という歌詞の意味を徹底解釈
1番
これが初めての恋だと気づいた

うるさいほどに高鳴る胸が
柄にもなく竦む足が今
静かに頬を伝う涙が
私に知らせる これが初恋と
初恋 -宇多田ヒカル
このフレーズでは初めての恋心について歌われています。
なぜだかわからないけれど、ちょっとしたことでどきどきしたり涙が出たり。
しぐさや言葉遣いに気を遣ってしまったりすることがありますよね。
それが特定の人が傍にいる時やその人のことを思っている時に起きているとしたら…。
そう考えた主人公は、はたと恋をしていると気が付いたのでしょう。
初めて恋に落ちたことを自覚した瞬間でもあります。
あなたが必要なの

I need you, I need you
I need you, I need you
I need you, I need you
I need you, I need you
初恋 -宇多田ヒカル
ここでは「I need you」がなんと8回も繰り返されています。
「I need you」は恋や愛をテーマにした歌ならば、よく出てくるフレーズですが、これだけ繰り返されている楽曲はそうないかもしれません。
繰り返されていることから、相手のことを本当に必要だと感じており、初恋独特のうちに秘めた強い感情を表現していると思われます。
ささやくように歌われており、より初恋の切なさと甘酸っぱさを感じることができます。
必ず恋をするわけではない

人間なら誰しも
当たり前に恋をするものだと
ずっと思っていた だけど
初恋 -宇多田ヒカル
この部分では、いつか恋をするとはわかっていたけれど、まさかここまで深い感情を知ることになるなんて、と伝えたいようです。
実際に初めて恋をしてみて、想像以上に強く驚きに満ちたものであったと気が付いたのかもしれません。
最後の「だけど」は余韻があり、主人公の恋に対しての戸惑いを感じます。
運命的な出会い

もしもあなたに出会わずにいたら
誰かにいつかこんな気持ちに
させられたとは思えない
初恋 -宇多田ヒカル
ここでは、このように強く熱烈に恋することができるのは、大切な人に出会ったからこそ。これから先、他の誰かに出会って恋をするかもしれないけれど、このような感情にはきっとならない、と伝えているようです。
それだけ初めての恋は特別なのでしょう。
いろいろな感情を恋だと気づき、自分の中でときめきや悲しさ、うれしさを感じているのかもしれませんね。
初恋だとはっきりわかった

うるさいほどに高鳴る胸が
勝手に走り出す足が今
確かに頬を伝う涙が
私に知らせる これが初恋と
初恋 -宇多田ヒカル
このフレーズは、「初恋」の楽曲の一番最初にも出てきました。
ですが若干歌詞が異なっており、最初は何かを行動したくてもなかなか踏み出せなかったのに、ここでは、「勝手に」走り出しています。
また静かに流れていた涙も「確かに」に変わっています。
最初はきっとこれが初恋だろうな、と自覚していただけでしたが、それが確信に変わったのかもしれませんね。
思いを止めることができない様子がうかがえます。
心から愛を必要としている

I need you, I need you
I need you, I need you
I need you, I need you
I need you, I need you
初恋 -宇多田ヒカル
再び「I need you」のフレーズが出てきました。
初恋と同じ意味を持つ、「First Love」の楽曲では日本語と英語の歌詞がバランスよく入っていたのですが、この楽曲では唯一の英語が「I need you」です。
それゆえに大切な人を本当に必要としている感情が伝わってきますね。
ささやくような歌声は秘めた情熱も感じるのですが、相手を慈しむ気持ちもあるように思います。
2番
自分の中で芽生えた感情

どうしようもないことを
人のせいにしては
受け入れてるフリをしていたんだ
ずっと
初恋 -宇多田ヒカル
ここでは、主人公が気持ちのコントロールがうまくいかなくて、他の人のせいにしてきたことを反省しているようです。
初めて恋に落ちて、その感情が自分の中に芽生えたことで、自分自身を見つめ直すことができたのかもしれませんね。
ですが恋をするといろいろなことに敏感になり、感受性が豊かになります。少しのことで傷ついたり傷つけてしまったり。
そんな自分に少し疲れた様子もうかがえます。
生まれてきた意味

もしもあなたに出会わずにいたら
私はただ生きていたかもしれない
生まれてきた意味も知らずに
初恋 -宇多田ヒカル
このフレーズでは、大切な人と出会えたことの喜びを歌っているようです。
大切な人がいなければ、このような感情を抱くこともなく、生きる意味を見出せなかったかもしれません。
大切な人と出会うことで、生きているって実感できた、人を大切に思う心も知ることができた、という思いなのでしょう。
大切な人への感謝の気持ちも見え隠れしますよね。
恋の終わり

言葉一つで傷つくような
ヤワな私を捧げたい今
二度と訪れない季節が
終わりを告げようとしていた
不器用に
初恋 -宇多田ヒカル
ここでは初恋の終わりを連想する歌詞になっています。
小さなことや何気ない一言で傷ついた時、もう少し自分が強ければ、と思うことがありますよね。
傷つくことを恐れて自ら別れを切り出してしまうこともあります。
過ぎ去ってしまった大切な時間を惜しむ気持ち、自分が不器用であることを自覚していることを歌っているのでしょう。
告げようとしていた、とあるので、恋が完全に終わったわけではないようです。
あなたを追いかける勇気

欲しいものが
手の届くとこに見える
追わずにいられるわけがない
正しいのかなんて本当は
誰も知らない
初恋 -宇多田ヒカル
このフレーズは物事を追求する人間の本能的な欲求について歌っているようです。
その対象が今は「大切な人」であり、手に届きそうなのに、何もしないことなんてできないと伝えたいのかもしれません。
それが、正しいことかどうかは人それぞれであり、絶対的な答えはないということも歌詞に表現されているようです。
恋に正解があったら、ある意味とても楽なのかもしれませんが、正解がないからこそ、淡く切ないのかもしれませんね。
陽の光の先へ続く路

風に吹かれ震える梢が
陽の射す方へと伸びていくわ
小さなことで喜び合えば
小さなことで傷つきもした
初恋 -宇多田ヒカル
このフレーズから考えられるのは、大切な人との思い出が過去であるかもしれないという点です。
梢が伸びていくという表現は、木々の葉が風に揺られながら成長していく様子であり、生き生きとしているのがうかがえるのですが、その後「傷つきもした」と過去の情景が映し出されています。
小さなことで喜んで一緒に過ごすことができたけれど、小さなことで傷ついてしまうこともたくさんあった様子がうかがえ、自分の恋を冷静に振り返っているようです。
涙が教えてくれた

狂おしく高鳴る胸が
優しく肩を打つ雨が今
こらえても溢れる涙が
私に知らせる これが初恋と
I need you, I need you
初恋 -宇多田ヒカル
最後の部分です。
似たようなフレーズが「初恋」の中には3回出てきますが、それぞれがストーリーのようであり、時間の経過を感じさせます。
また、恋愛において感じる高揚感や切なさをリアルな描写として表現しており、恋愛によって新たな自分自身を発見し、成長したようです。
狂おしいと情熱的な言葉の後に「優しく」という言葉が出てきており、その対比がなんとも美しいですよね。
溢れる涙が、嬉しいものなのか、悲しいものなのか…。
想像力を掻き立てられる歌詞です。
まとめ
今回は宇多田ヒカルの「初恋」の歌詞の意味を徹底解釈しました。
初めて恋を経験した時、自分の気持ちをコントロールできないほどどきどきしたり、急に泣いたりしてしまいますよね。この「初恋」では、そんな恋を経験した主人公の心情を表現しているようで、誰かに出会うことで世界が変わり、そして自分自身を見つめ直すことができると伝えているようです。ですが「First Love」にはないしっとりさがあり、今まさに恋をしている人だけでなく、過去の恋を振り返っている人にも当てはまる歌詞になっていると感じます。
歌詞を聞いて、深く共感する人も多いのではないでしょうか。
これからもmusic.branchwithでは宇多田ヒカル を追って行くのでぜひチェックしてみてください!