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【米津玄師/サンタマリア】の歌詞の意味を徹底解釈 | マリアのように献身的な女性とは

編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19

目次
サンタマリアという曲名の意味を考察
サンタマリアの歌詞の意味を徹底解釈
1番
2番

サンタマリアという曲名の意味を考察


聖母マリアは言わずと知れたイエスの母、キリスト教の重要な聖女です。

慈愛に満ちた献身的な女性、純潔の母とのイメージが強いと思います。

聖書に記述されているマリアの一生を調べてみると、上記のイメージに加え、彼女が精神的にかなり屈強だったことがわかります。

若くして神の子を産むという重大な責務を背負い、その宿命を受け入れ、貧困、難民生活、家族の死と言った数々の苦難を耐え忍び、最後まで信仰を貫きました。

その人柄で他者を惹き付け、癒しと希望を与えてくれる、そんな女性こそ「サンタマリア」と呼ぶに相応しく思えます。


サンタマリアの歌詞の意味を徹底解釈

1番

掌をふたつ 重ねたあいだ
一枚の硝子で隔てられていた
ここは面会室 あなたと僕は
決してひとつになりあえないそのままで
話をしている
米津玄師 -サンタマリア

ひいらぎの解釈重ねた掌の間には
一枚の硝子がある。
ここは面会室。あなたと僕は
決して触れ合うことはできない。
ただ話をしている。

「面会室」を仕切る「一枚の硝子」は決して越えられない壁として「僕」と「あなた」の「あいだ」にそびえています。直接触れ合うことは叶わない状況ですが、透明な壁越しに「掌」を「重ね」ているところを見ると、彼らは互いに心を許し合っているようです。

二人の登場人物の他、この空間には物質しかありません。また、二人でいるのに「隔てられてい」ることから、「僕」が消し去りようのない孤独を抱えていることがわかります。


今呪いにかけられたままふたりで
いくつも嘘をついて歩いていくのだろうか
しとやかに重たい沈黙と優しさが
見開いた目と その目を繋いでいた
あなたは少し笑った
米津玄師 -サンタマリア

ひいらぎの解釈呪いを受けた僕らは
何度も嘘を重ねながら生きていくのだろうか。
重たいのに優しい沈黙の中
僕は見開いた目であなたの目を見つめていた。
あなたは少し笑った。

並んで「歩いていく」「ふたり」とは、いかにも幸福そうなイメージを誘いますが、「呪い」のせいで「嘘をついて」しまう彼らには不幸が付きまとっています。

この「呪い」とは、孤独から逃れられないことだと考えられます。「僕」も「あなた」も別々の個人であり、どんなに近付こうとしても「硝子」の向こう側へ立ち入ることはできません。

「硝子」を通過できるのは、声や視線、表情ばかりです。彼らは「硝子」越しに感知できる全てから、相手の心を想像するしかないのです。

だから二人の話に「嘘」が紛れていても真実を知る方法はありません。本当のことを話していても疑われてしまえば「嘘」になってしまいます。

「僕」が言葉を排した「沈黙」を「優し」く感じているのは、そこに「嘘」がないからでしょう。また、同じ状況で「少し笑った」「あなた」も、「僕」とよく似た気持ちでいるようです。


サンタマリア 何も言わないさ
惑うだけの言葉で満たすくらいならば
様々な幸せを砕いて 祈り疲れ
漸くあなたに 会えたのだから
一緒にいこう あの光の方へ
手をつなごう 意味なんか無くたって
米津玄師 -サンタマリア

ひいらぎの解釈サンタマリア。
言葉が惑いを生むのなら何も言わない。
何度も祈りを打ち砕かれた果てに
やっと会えたのがあなただから。
光の差す方へ一緒に行こう。
無意味でもいいから手をつないで。

「僕」が「疲れ」る程に捧げた「祈り」は、聖母のような存在に出会いたいと言う渇望だったと考えられます。

「様々な幸せを砕いて」とありますから、「僕」はこれまでにも多くの人々と出会い「幸せ」と思える関係を築くことができたようですが、心底納得することはできなかったのでしょう、自ら見せかけの「幸せ」を断ち切って、孤独を受け入れ合える誰かを探し続けたことがわかります。

そして「漸く」「あなた」を見つけました。

直接触れ合うことが許されない彼らには「手をつな」ぐことはできません。しかし「意味なんか無くたって」そうしようと「僕」は言っています。「あなた」と「一緒」ならば、「僕」は「硝子」を障害物としてではなく真理として受け入れ、希望的側面である「光」を目指すことができるのです。


2番

いつか紺碧の 仙人掌が咲いて
一枚の硝子は崩れるだろうさ
信じようじゃないか どんな明日でも
重ねた手と手が触れ合うその日を
呪いが解けるのを
米津玄師 -サンタマリア

ひいらぎの解釈いつか青々とした仙人掌が咲いて
一枚の硝子を割ってくれたらいい。
信じようじゃないか、どんな明日が来ようとも
僕らが触れ合える日は訪れると
呪いは解けると。

「仙人掌」の棘で「硝子」が「崩れる」ことを「僕」は期待しています。しかし「いつか」、「だろうさ」、「信じようじゃないか」など、言葉の端々に確信のなさが滲んでいます。


今この間にあなたがいなくなったら
悲しさや恐ろしさも消えてしまうのだろうか
昏い午後の道端で探しまわった
呪いを解かす その小さなナイフを
汚れることのない歌を
米津玄師 -サンタマリア

ひいらぎの解釈呪いが解ける前にあなたがいなくなったら
悲しさや恐ろしさも一緒に消えてしまうのだろうか。
呪いを解いてくれる
純粋な言葉の刃を
夜の道端で探し回った。

「今この間」は「僕」が前述した未来が現実になるまでの期間だと解釈できます。

「あなた」がいるから「僕」は幸福を感じ、幸福を感じられるから「悲しさや恐ろしさ」を知ることができます。たとえ「呪い」が消えても「あなた」がいなければ「僕」は何を感じることもできません。

「小さなナイフ」と「汚れることのない歌」は共に「呪いを解かす」ためのものです。「ナイフ」からは言葉の刃が想起されますが、「小さな」ものなので刺さっても少し痛むくらいで済むと思われます。

また「汚れることのない歌」は、湾曲されることなく通じる心情表現と読み替えることができます。つまり「呪い」を解くのに必要なのは、「僕」の思いを間違いなく「あなた」の心に届けるための言葉だと解釈できます。

「僕」は「昏」くなるまで「道端」を歩き回るような苦心で、その言葉を見つけ出そうとしたようです。


サンタマリア 全て正しいさ
どんな日々も過去も未来も間違いさえも
その目には金色の朝日が 映り揺れる
点滴のように 涙を落す
その瞳が いつだってあなたなら
落ち込んだ 泥濘の中だって
米津玄師 -サンタマリア

ひいらぎの解釈サンタマリア。
過ごしてきた時間の全て、未来も間違いも全てが正しい。
あなたの目には金色の朝日が映り揺れている。
点滴のような涙を落す。
あなたのその瞳はいつだって美しいまま。
泥濘のような憂鬱の中でさえも変わらない。

「金色の朝日」を「映」し「点滴のように」慈愛に満ちた「涙を落す」のは、「あなた」の「目」です。「あなたなら」「いつだって」「その瞳」を保っていられると「僕」は信じています。

そんな「あなた」が今あるのは、それまでに積み重ねてきた「日々」と「過去」のおかげです。また、そんな「あなた」だから「どんな」「未来」を迎えようと「間違い」を犯そうと「正しい」結果を導くことができるはずです。

「あなた」と出会えたこと、これから共にいられることが、「僕」にも後悔や不安を含めた「全て」を「正しい」と受け入れる気持ちを与えています。


ここは面会室 仙人掌は未だ咲かない 硝子は崩れない
そんな中で一本の蝋燭が 確かに灯り続ける
あなたを見つめ あなたに見つめられ
信じることを やめられないように
米津玄師 -サンタマリア

ひいらぎの解釈ここは面会室。仙人掌はまだ咲かず、硝子が僕らを隔てている。
そんな中でも一本の蝋燭が確かに灯っている。
あなたを見つめ、あなたに見つめられていると
信じることを諦められなくなる。

「面会室」は相変わらずの風景を保っています。「僕」が期待した「硝子」の崩壊は起きる気配がありません。

しかし、「そんな中で一本の蝋燭が」「確かに灯」っています。「蝋燭」は祈りの象徴です。期待通りの未来が訪れるか否かは定かでなくとも、「信じること」そしてそれを「やめ」ないことが、彼らに希望を与え続けていることがわかります。


サンタマリア 何も言わないさ
惑うだけの言葉で満たすくらいならば
様々な幸せを砕いて 祈り疲れ
漸くあなたに 会えたのだから
一緒にいこう あの光の方へ
手をつなごう 意味なんか無くたって
米津玄師 -サンタマリア

ひいらぎの解釈サンタマリア。
言葉が惑いを生むのなら何も言わない。
何度も祈りを打ち砕かれた果てに
やっと会えたのがあなただから。
光の差す方へ一緒にいこう。
無意味でもいいから手をつないで。

一度解釈したので割愛します。


サンタマリア 闇を背負いながら
一緒にいこう あの光の方へ
米津玄師 -サンタマリア

ひいらぎの解釈サンタマリア。闇を背負いながら
光の差す方へ一緒にいこう。

「闇」は「光」のあるところに必ず現れます。「闇」がなければ「光」が存在することはありません。

「闇を背負」うことを受け入れた二人からは、「呪い」さえも肯定する包容力が感じられます。

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