【Official髭男dism/たかがアイラブユー】の歌詞の意味を徹底解釈 | 愛を伝えることの難しさを歌った歌詞に共感が止まらない!
編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19
たかがアイラブユーという曲名の意味を考察
「たかがアイラブユー」と言うタイトルにはどんな意味があるのでしょうか。「たかが」というのは、それほどのものじゃない、と言って重要に考えない様を表す言葉。
アイラブユー=私はあなたを愛しています。という言葉は人々にとって最高の言葉だと思うのですが、私たちはこの言葉を耳にしすぎて、大して感動したりしません。
そんな風に思われるようになってしまった様を「たかが」と言っているのだと思います。
アイラブユーって言ったくらいで、僕の愛情は伝わりっこない、そう思ってしまうのも仕方ないかもしれません。
愛を伝えることの難しさに、少し諦めのようなものも感じられますが、主人公は彼女に愛を伝えることができたのでしょうか?
たかがアイラブユーの歌詞の意味を徹底解釈
1番
「愛してる」またはそれに準じた言葉の類いを投げ合ってきたけど
想いの密度とか意味合いからは目をそむけてきた
僕の愛は君にはどんな風に届いたんだ?お気に召したかな?
って考え出したらとても不安になってしまうよ
いろんな言葉を使って、愛してることを伝えてきた。
言葉で言うのは簡単で、どこかそれに甘えてしまっている自分がいる。
言えば言うほど、言葉の意味が軽くなっていって、ちゃんと伝わってないかもしれない。
「それに準じた言葉」とは、愛してるの他に、大好き、大切に思ってる、ずっと一緒にいようなどでしょうか。
どの言葉も、愛してることを伝えようとする言葉ですが、人間は悲しい生き物で、「愛してる」と言えば言うほど言葉の重みを感じなくなっていきます。
初めて言われた「愛してる」と、毎日言われ続ける100回目の「愛してる」とでは、どうしても後者の方が感動は少なくなるような気もします。
よく考えてみれば、100回目の「愛してる」の方が素晴らしい事のはずなのに。1回言うだけじゃ足りないし、言い過ぎても慣れてしまって伝わらない。
だから主人公は「それに準じた言葉の類」も使ってきました。そして、言葉だけではダメで、伝える事の難しさから目をそむけてきました。
主人公が彼女に向けて放った言葉は、どんな風に彼女の中に届いていたのだろう。言葉がありきたりすぎて、その想いの深さには気づけていないかもしれない。そんな風に主人公は不安を感じているのです。
それでもつないだありきたりな言葉の先には
あり得ないと思っていた奇跡があった
聞き慣れた言葉でも、心を込めて言い続けた。
そうすることで奇跡は起こるということに気付いた。
主人公は、言葉がだんだん重みをなくしていくことをわかっています。それでも伝え続けるのです。
彼女が聞き慣れて、飽きてしまっていても、ただ言葉を投げるのではなく、心を込めて「愛してる」と言います。そうやって言い続けることで、奇跡は起きると気づいたのです。
たかがアイラブユー ラブユー
常套句のNEED YOU NEED YOU
それでも僕ら相も変わらず愛を叫ぶ
たかがアイラブユー ラブユー
聞き飽きたNEED YOU NEED YOU
お互いのI(アイ)が首をもたげあって生まれていく
誰でも簡単に言える言葉だからこそ、心を込めて伝え合う。
飽きるくらいの言葉も、二人にとっての意味になる。
「お互いのI(アイ)」つまりI=私の愛がもたれあう事で生まれる絆ということではないでしょうか。この後に続くサビにもありますが、「アイ」という言葉にかけていろんな意味を見出しています。
もう一つここに出てくるのは「相」です。「相変わらず」と言って変わらない愛を叫び続ける。この言葉は恋人のありきたりな決まり文句で、聞き飽きてしまうけれど、その言葉が持つ意味を信じて伝え合っていくのです。
2番
どうしても分かり合えない愛のトラブルを怖がってきたけど
流れるニュースの大半は愛なき往復ビンタ
だから手をつないで喧嘩をしよう
最高の妥協点で会おう
卒業アルバムみたいにいつか笑えるように
愛が憎しみに変わることを恐れていたけど、ニュースで出てくる事件は、押し付けるような一方的なもの。
相手を尊重する気持ちがあれば折り合いをつけられる。
喧嘩して仲直りして、何年か後には笑えるはず。
主人公が恐れている「分かり合えない愛のトラブル」とは、愛してるが故の憎しみのようなものではないでしょうか。
愛してることをわかって欲しい、自分と同じ分だけ愛して欲しい、それを相手に押し付ける形になってしまうと、気持ちはすれ違っていきます。
愛してる人と一緒に死のうとする人、嫉妬して誰かを恨む人。それが事件にまで発展し、男女関係のもつれなどと言ってニュースで流れる。
愛することが人をそうさせてしまうのはとても悲しいし、怖いことでもあります。でも主人公はそれが「往復ビンタ」のように一方的なもので、本当の愛では無いということに気づきました。
喧嘩は、それぞれの意見が対立してぶつかり合うことですが、手をつなぐように相手を思いやりつつ、本音を言おうと言っています。
そうすればお互いが納得できる結論に達することができるはずです。「妥協」という言葉はあまりいいイメージはありませんが、いくら好き同士でも、違う人間が一緒に過ごしていくわけだから、意見が合わない事は絶対にあります。
それを「最高の妥協点で会おう」と言って、努力する姿勢を見せる主人公は、とても頼もしいと思います。
傷跡隠した 意地やプライドのメイク落としたら
あり得ないほどハッピーな世界になった
全部さらけ出して素直になったら、楽園にいるような、幸せを感じた。
好きな人には、自分の悪いところや弱いところは見せたくないですよね。幻滅されるんじゃないかとか、冷めるんじゃないかとか不安になるから当然です。
でもそれは自分を取り繕うことで、どんどん疲れてしまうし、それをさらけ出そうとしても恐怖でなかなか勇気が出ません。
主人公はそんな意地やプライドを拭い取って、彼女に本来の自分をさらけ出しました。そして彼女がそれを受け入れてくれたことで、思ってもいないほど自由になれたのでしょう。
好きな相手に対し素直でいられる事で、傷も癒されるような気持ちになったのだと思います。
たかがアイラブユー ラブユー
常套句のNEED YOU NEED YOU
言葉にいつも いつも必ず愛を混ぜる
たかがアイラブユー ラブユー
聞き飽きたNEED YOU NEED YOU
お互いの哀を愛で照らしあって歩いていく
どんな言葉も愛してるからこその言葉。
哀しい事があっても、二人の愛で支えあって生きていく。
何気ない一言が、誤解を招いてしまったり、喧嘩になってしまうことってあると思います。
言葉の重さを理解し、何を話す時でも愛情のこもった言葉を選ぶと言う主人公の優しさが素敵だなと思いました。
3番
サイケデリックでやっぱり怖くて でも
相容れなくたって with LOVE
あり得ないと思っていた奇跡があった
好きすぎて、自分の気持ちがコントロールできなくなりそうで怖い。
その気持ちは、彼女にはわかってもらえないかもしれないけど、構わず愛を注ぐ。
そうやって信じて伝えていれば奇跡は起こる。
「サイケデリック」とは、幻覚剤によってもたらされる心理的感覚や、様々な幻覚などのこと。つまり主人公は彼女にひどく夢中になっているということなのでしょう。
そのせいで自分の心が壊れるんじゃないかと怖いのだと思います。その恐怖は彼女にはわかってもらえず、自分一人で抱えていくとしても、負けずに彼女に愛情を注いでいくと言っているのです。
そうやって健気に愛を伝え続けていれば、いつか必ず彼女にも本気の愛が伝わる。そんな奇跡が起きたのでしょう。
たかがアイラブユー ラブユー(されどアイラブユー)
常套句のNEED YOU NEED YOU(だけどI NEED YOU)
それでも僕ら相も変わらず愛を叫ぶ
たかがアイラブユー ラブユー(されどアイラブユー)
聞き飽きたNEED YOU NEED YOU(だけどI NEED YOU)
お互いのI(アイ)が首をもたげあって生まれていく
(されどアイラブユー だけどI NEED YOU)
たかがアイラブユー 聞き飽きたNEED YOU
(されどアイラブユー だけどI NEED YOU)
ありきたりな言葉に、深い愛情が込められている。
僕には君しかいない。
最後の部分で、アイラブユーが「たかが」と「されど」で歌われています。「愛してる」って言葉はありきたりすぎて、何も感じなくなったりする言葉だけど、言い続けていれば、本当の意味が伝わる。だから「されどアイラブユー」なのだと思います。
「NEED YOU」についても、誰もが使う決まり文句だけど、そこに愛(I)が着くと、その二人だけの言葉になります。
そして、「僕には君が必要だ」と言う、唯一無二の彼女への愛が伝わるのではないかと思います。
まとめ
言葉の重みを考えさせられる歌詞でした。言葉というのは不思議で、場所やタイミング、言う人、受け止める人によって、同じ言葉でも伝わり方が全然違ったりします。
だからこそ、「愛してる」という素敵な言葉も、軽んじてしまったりするんですよね。それでも本来の意味が伝わることを信じて言い続けるってかっこいいと思いました。