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【milet/Drown】の歌詞の意味を和訳して徹底解釈 | 「涙」で伝えたかったmiletの想いとは?

編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19

目次
Drownってどんな曲?
「ヴィンランド・サガ」のストーリー
Drownという曲名の意味を考察
Drownの歌詞の意味を徹底解釈
1番
2番

Drownってどんな曲?

『Drown』はmiletの4thEP「Drown / You & I」収録曲でテレビアニメ「ヴィンランド・サガ」の第2期エンディング・テーマに起用されています。

miletいわく「極寒の地で、白い息を吐きながら歩いているイメージ」の楽曲で、MVはアメリカのカリフォルニア州アラバマ・ヒルズで撮影されています。これは「ヴィンランド・サガ」の舞台であるヴィンランドをイメージしたものです。

歌詞は「ヴィンランド・サガ」のストーリーを汲んで作られていて、miletはこの曲について「渦を巻く痛みや希望や強さ、そして愛を重ねて曲を書かせていただきました。」と主人公トルフィンの心の傷や苦悩、愛や希望を込めていることを明かしています。

ただ、ストーリーを汲み取った上で最終的に「自分に置き換えて作り上げた」とも語っていて、完成した歌詞は「ヴィンランド・サガ」の主人公トルフィンに寄り添いながらもmiletの個人的な想いが綴られた歌詞になっているようです。


「ヴィンランド・サガ」のストーリー

歌詞を読み解く上で、「最終的にmiletの個人的な想いが綴られた」とはいえ、やはり「ヴィンランド・サガ」のストーリーは無視出来ないものでしょう。

具体的な内容はネタバレになるのでここに書くことは避けますが、歌詞を考察する前に、少し大まかに触れておこうと思います。大まかな内容でも知りたくない方はここから下はアニメを見るまで読まないことをお勧めします。

物語は「ヴァイキング」と呼ばれる武装集団(言ってみれば海賊ようなもの)の活躍を描いたものです。

主人公トルフィンの父トールズはアシェラッドと戦闘中に人質に取られたトルフィンを庇って殺されます。

トルフィンはアシェラッドに復讐するために敢えてアシェラッドの兵団に入ります。

そして、幾つかの戦闘があり・・・

仇であるアシェラッドが敵対勢力に処刑されてしまいます。

復讐に燃えていたトルフィンは仇を失い、廃人になります・・・。

このように「ヴィンランド・サガ」は主人公トルフィンの揺れ動く感情が物語を動かしています。

そして、この話からインスピレーションを得てmiletの中でmiletの歌として構築されたのが『Drown』なのです。


Drownという曲名の意味を考察

「Drown」は「溺死させる」「水で満たす」といった意味があり、「涙でいっぱいになる」「ケチャップをたっぷりかける」など水分などが溢れるという状態を表現する言葉です。

曲中に「あなたは私を溺死させる」という内容の英語がありますが、この一文をそのまま受けとることも出来ますし、他の角度から受け取ることも出来ます。

miletはこの曲で何を伝えたかったのかを考察していきましょう。


Drownの歌詞の意味を徹底解釈

1番

Feeling like I’m alomst there, but I’m not
音もない風に漂う bones
途切れて消えない声の方
何も知らないまま戻れないでしょう
milet -Drown
解釈

私はいつもそこにいるような気がする。
でも、風に漂う骨ではない。
忘れられない過去にそのまま戻るわけにはいかない。

冒頭から複雑な表現で始まります。

この歌詞は全体を通して直接的な表現がありません。なので、ここに書く考察は一つの受け止め方にすぎません。人それぞれに違う受け止め方があることをあらかじめご了承ください。

まず「bones」が何を意味するのでしょうか?

和英ではそのまま「骨」という意味になります。

「私は音もない風に漂う“骨”ではない」・・・意味がわかりませんね。

これは“そのまま”読むことで解読できます。

「私は骨じゃない!ちゃんと生きてる!」

ここで自らの生命の確認を行ったのです。

次に何故「いつもそこにいる」のかが綴られています。

それは「何も知らないまま戻りたくないから」です。

ヴィンランド・サガのストーリーに重ねると、こうなります。

「何故、父が殺されなければならなかったのか?その理由を知らないまま戻れない」

だから、主人公トルフィンは「いつもそこに」=「いつも戦場に」いるのです。

なにも理由なく戦っているわけではありません。

理由がなく生きるのは死んだ骨と同じ。

私は骨ではないぞ、ちゃんと生きる理由を持っているぞ。

こういうことだと私は受けとりました。


同じ色の目にうつる
違う色の息を吐く
milet -Drown
解釈

同じ色の瞳をした君に違う息を吹き掛ける。

西洋ではいろいろな瞳の色をした人がいるので「同じ色の目」の部分は同種=父と息子を指すと思います。

違う色の息を吐くという表現はかなり間接的な言葉だと思います。

ここで、タイトルの「Drown」が意味する“溺死”という言葉のイメージから、「溺死しないための息」を父と息子の間で交わしているのです。

それとは別で、「違う色」という言葉で「複雑な感情」であったり「父の想いとは違う想いを私は抱いている」ということも伝えたかったのではないでしょうか。


You’re gonna make me go
You’re gonna make me drown
失うものはもう何もない
You’re gonna make me go
You’re gonna make me drown
No, I don’t want it
But I know no one’s there
はざまを辿って
milet -Drown
解釈

君は私を前へと誘う。
君は私を溺死させる。
失うものなんて何もない。
君は私を前へと誘う。
君は私を溺死させる。
私はそれを望んでいない。
しかし、誰もそこにはいない。
揺れ動く感情の波を漂う。

父の手によって生き長らえた主人公ですが、「私を溺死させる」という衝撃的な言葉がサビに登場します。

これでは主人公は父に殺されたことになってしまいます。

父側の気持ちに立って歌った曲かとも思いましたが、これは主人公側からの歌詞で間違いないと思います。

「私を溺死させる」とはそのままに「君の行動が私を溺死させる」ということです。

父が息子を生かすためにとった「身代わりになって死ぬ」という行いは主人公にとっては悲しく苦しく耐え難いものであり溺死するのと同じようなものなのです。

父の命に代えられるものなどなく、父が生きるなら他には何もいらない=失うものなんて何もないのです。

また「Drown」には「いっぱいに満たされる」という意味もあるので「涙でいっぱいになる」という間接的な表現も含まれているでしょう。

自分の命と父の命、2つの命の狭間で苦悩する感情が揺れ動いています。



2番

Feeling like I’m living in your shadow
浅い傷に棲みついた sorrow
振り下ろせない錆びたナイフ
誰も知らない君がそこにいたんでしょう
milet -Drown
解釈

私は君の面影に住んでいるよう。
浅い傷には悲しみが染み込んでいる。
ナイフは振り下ろせないまま錆びている。
本当の君を誰も知りはしない。

ここは父の過去を主人公が振り返っています。

父トールズは「不殺の誓い」を立てていたためにアシェラッドと素手で戦いました。トルフィンはその姿が深く印象に残ったのでしょう。

トールズが受けた浅い傷には悲しみがあることをトルフィンは感じ取ります。

「こんなやつら簡単に退治できるのに」という悔しさがトールズにはあったに違いありません。

ナイフは使えないまま錆びています。

父のそんな想いを、悲しみを、誰も知らないのです。


抱きしめてあげるよ
その息を吸って泳ぐ
milet -Drown
解釈

君を抱きしめたい。
君の息を吸って泳いでいる。

「抱きしめてあげるよ」のフレーズに父への愛が全て詰め込まれています。

そして、父の息=父の命を犠牲にして生きるのです。


You’re gonna make me go
You’re gonna make me drown
足場もない答え 前へ向かう
You’re gonna make me go
You’re gonna make me drown
No, I don’t want it
But I know no one’s there
milet -Drown
解釈

君は私を行かせる。
君は私を溺死させる。
答えに確信が持てないまま、明日へ進んでいく。
君は私を行かせる。
君は私を溺死させる。
私はそれを望まない。
でも、誰もそこにはいない。

「足場のない答え」とは、ここまで綴られた複雑な感情によって地に足がつかない主人公を顕しています。


I know no one’s there
I’ll stay, I’ll stay
I know no one’s there
milet -Drown
解釈

誰もそこにはいないことを知っている。
私はとどまりたい。私はとどまりたい。
誰もそこにはいないことを知っている。

この歌詞でたびたび使われる「誰もそこにはいないことを知っている」というフレーズ。

これは諦めきれない父への想いではないでしょうか?

「父がもういないことを知っている。そんなことはわかっているけど、父への想いを絶ちきることは出来ない」という意味を込めているのです。

主人公はその想いにしがみつきたい。ずっとここにいたいのです。


You’re gonna make me go
You’re gonna make me drown
失うものはもう何もない
You’re gonna make me go
You’re gonna make me drown
No, I don’t want it
Don’t let me go (Don’t let me go)
You’re gonna make me drown (Don’t let me go)
足場もない答え 前へ向かう
You’re gonna make me go
You’re gonna make me drown
No, I don’t want it
But I know no one’s there
milet -Drown
解釈

君は私を前へと誘う。
君は私を溺死させる。
失うものなんて何もない。
君は私を前へと誘う。
君は私を溺死させる。
私はそれを望んでいない。
私を行かせないで。私を連れていかないで。
君は私を前へと行かせる。
私を行かせないで。
君は私を溺死させる。
しかし、誰もそこにはいない。

最後に付け加えられた「Don’t let me go」というフレーズは揺れ動く主人公の感情をさらに強調しています。

自分を犠牲にしてまで私を生かさないで欲しいと主人公は訴えているのです。


I know no one’s there
I will stay right here
はざまを辿って
milet -Drown
解釈

そこに誰もいないことを知っている。
私はここにとどまりたい。
感情の狭間を辿って。

そして、いつまでも愛する人の側に居たいと願うことでこの曲は終わります。

つまり、miletがこの曲で伝えたかったのは「何にも代えがたい愛」なのです。


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