【ヨルシカ/だから僕は音楽を辞めた】の歌詞の意味を徹底解釈 | エルマの正体は?エルマ≒音楽の可能性
編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19
だから僕は音楽を辞めたの歌詞の意味を徹底解釈
1番
考えたってわからないし
青空の下、君を待った
風が吹いた正午、昼下がりを抜け出す想像
ねぇ、これからどうなるんだろうね
進め方教わらないんだよ
君の目を見た 何も言えず僕は歩いた
考えたってわからない。
風が清々しい正午。これからのことに想像しながら青空の下君を待った。
これからどうしたらいいのだろうか。
君の目を見たけれど僕は何も言えず歩き出した
「考えたってわからない。」という歌詞からこの楽曲はスタートします。
この時点で、私たち聞き手には主人公が考えていることはわかりません。が、藍二乗の時点でエルマは死んでいて、かつこの楽曲のMVではエルマらしき女の子が生きていることから、エルマとの距離感などエルマのことに関して考えていると想像できます。
「君の目を見たけれど僕は何も言えず歩き出した」の部分で、主人公はエルマに相談ないしは意見を求めず自分だけで答えを出そうとしています。
エルマに相談できない内容なのか、後ろめたい気持ちがあるのかはわかりませんが、あとあと主人公の「人生」に影響してくるように思えます。
考えたってわからないし
青春なんてつまらないし
辞めた筈のピアノ、机を弾く癖が抜けない
ねぇ、将来何してるだろうね
音楽はしてないといいね
困らないでよ
考えたってわからない。
青春なんてつまらないし。やめたはずのピアノのクセもまだ抜けない。
「将来何してるだろうね」とエルマが言った。それにすかさず僕は「音楽はしてないといいね」と答える。
少ししてエルマが「(生き方に)困らないでよ」とつぶやいた
「青春なんてつまらないし。やめたはずのピアノのクセもまだ抜けない。」という部分から、主人公は人生に満足していないのでしょう。
また、将来何しているだろうね?というエルマの問いに「音楽はしてないといいね」と答えていることから、主人公は音楽に何かしらの嫌悪の感情を持っているのだとわかります。
最後の「困らないでよ」という歌詞ですが、エルマは主人公には「音楽しかない」ということに気づいているのでしょう。
だから「(生き方に)困らないでよ」と言っているのです。
心の中に一つ線を引いても
どうしても消えなかった 今更なんだから
なぁ、もう思い出すな
心の中に一つ線を引いて過去の自分と切り離しても
「音楽」だけはどうしても消えなかった。音楽に魅了されてしまったのだから
なぁ、「音楽」なんて思い出すな。
ここの部分では、過去の自分とは決別したい主人公の強いな思いが歌われています。
ただどうしても音楽だけは忘れられなかった。なぜなら音楽に魅了されているから。。。
間違ってるんだよ
わかってないよ、あんたら人間も
本当も愛も世界も苦しさも人生もどうでもいいよ
正しいかどうか知りたいのだって防衛本能だ
考えたんだ あんたのせいだ
僕には「音楽」しかないなんて間違ってるんだよ。
エルマ、あんたは本当にわかってないな。
本当も愛も世界も苦しさも人生も全てどうだっていいんだ。
僕が正しいのか君が正しいのか考えるのだって、答えを出すのを恐れていたからなんだ。
音楽を忘れられないのは「あんたのせいだ」
間違っているとは、エルマや他の人たちの「主人公に音楽しかない」という考えが間違っていると言いたいのでしょう。
防衛本能というのは、エルマのせいで音楽が忘れられないと結論付けるのを恐れるということ。つまり、主人公の中では「エルマのせいで音楽が忘れられない」と結論が出ていたにもかかわらず、無意識のうちに考えることで「エルマのせいだ」と結論付けないようにしていた ということがわかります。
2番
考えたってわからないが、本当に年老いたくないんだ
いつか死んだらって思うだけで胸が空っぽになるんだ
将来何してるだろうって
大人になったらわかったよ
何もしてないさ
なぜかはわからないが年老いたくはない。
いつか死ぬと考えるだけで胸が締め付けられる。
君は将来何してるだろうねって聞いてきたけれど大人になったらわかったよ。
なにもしていないさ。
「本当に年老いたくない」「死ぬと考えると胸が空っぽになる」というところから、主人公の生きることへの強い思いがわかりますね。
幸せな顔した人が憎いのはどう割り切ったらいいんだ
満たされない頭の奥の化け物みたいな劣等感
幸せな人が憎いのはどうしたらいいんだ?
満たされていない僕のどうしようもない劣等感。
ここでは、主人公と幸せな人を比べて「自分の方が満たされていない」と劣等感を感じている様子が歌われています。
では、主人公の満たされるものとはなんなのでしょうか。
人によって解釈は変わってくるとは思いますが、おそらく「音楽であり、エルマでもある」んだと思います。
なぜなら、藍二乗で君(エルマ)が主役のプロットを書くという歌詞があり、また、この曲でも「何度でも君を書いた」という歌詞があるからです。(後々出てきます)つまり、音楽≒エルマということですね。
間違ってないよ
なぁ、何だかんだあんたら人間だ
愛も救いも優しさも根拠がないなんて気味が悪いよ
ラブソングなんかが痛いのだって防衛本能だ
どうでもいいか あんたのせいだ
音楽をやめたのは間違ってない。
君の愛も救いも優しさも証明しようがないなんて気味が悪い。
ラブソングが痛いのだって防衛本能だ。
どうでもいいや 全部あんたのせいだ。
きっと主人公はエルマのことが好きだったのでしょう。ただ、エルマとは音楽の中での付き合いであったと勘違い(または事実?)していて、無意識のうちに距離を感じていたのでしょう。
そして好きという気持ちをどうしたらいいかわからなくて音楽(≒エルマ)から逃げたと。
考えたってわからないし
生きてるだけでも苦しいし
音楽とか儲からないし
歌詞とか適当でもいいよ
どうでもいいんだ間違ってないだろ
間違ってないよな
間違ってないよな
考えたって答えなんて出ないし、生きるのは辛いし。
音楽とか儲からないし、歌詞とかどうでもいい。
どうでもいいんだ。間違ってないだろ?
間違ってないよな...
間違ってないよな?
ここの部分は、「音楽をやめた」ということに対しての主人公の不安な気持ちを歌っているのだと思います。
そして、ここで注目すべきなのはMVでエルマがいなくなっていること。主人公の不安な気持ちをエルマがいなくなったことで表現しているのでしょう。
間違ってるんだよ わかってるんだ
あんたら人間も
本当も愛も救いも優しさも人生もどうでもいいんだ
正しい答えが言えないのだって防衛本能だ
どうでもいいや あんたのせいだ
わかってるんだ。音楽をやめるのなんて間違っていたんだ。
正しい答えが言えないのだって僕が傷つくのを恐れていたからなんだ。
でももうどうでもいいや、君がいないのだから。
ラスサビ部分。MVではエルマのカットが入ってラスサビに突入しています。
つまり、エルマを思い出して音楽をやめるのなんて間違っていたと気づいたのでしょう。ただ、もうやめてしまってエルマはいないのでどうしようもないと。
「正しい答え」というのは「エルマが好き」ということなのではないでしょうか。あくまで個人的解釈ですが...
僕だって信念があった
今じゃ塵みたいな想いだ
何度でも君を書いた
売れることこそがどうでもよかったんだ
本当だ 本当なんだ 昔はそうだっただから僕は音楽を辞めた
今じゃ塵みたいだけれど僕にだって「君を描く」という信念はあった。
本当に昔は売れることなんてどうでもよかったんだ。だから僕は音楽を辞めた
主人公はエルマを詩にするという目的で音楽を始めたようですね。
ただ、少しでも利益が出たり、有名になったりしたら、より利益を得るために、有名になるために、最初の信念なんて曲げてしまったりするものです。主人公もそんな感じになってしまったのではないでしょうか?
エルマを描くという目的よりも、より売れたり、より有名になるという目的の方に向かってしまった。その事実に主人公は気づいて音楽をやめてしまったのでしょうね。