【Ado / ギラギラ】の歌詞の意味を徹底解釈 |コンプレックスを克服する様子を詞的に描いた歌詞を紐解く!
執筆・監修: 天野結衣編集: 天野結衣最終更新: 2023/3/3
ギラギラという曲名の意味を考察
曲名の「ギラギラ」という言葉に強い意味が含まれていると考えられます。この言葉は、人生における熱量や情熱、輝きを表現し、歌詞には”ギラギラ輝いて私は夜を呑み”というフレーズがあることから、主人公が自分の内なる闇と戦いながら、独自の輝きを放っている様子が描かれているようです。曲名からも前向きに生きていこうとする熱量を感じます。
ギラギラという歌詞の意味を徹底解釈
1番
矛盾する愛
あーもう本当になんて素晴らしき世界
んで今日もまた己の醜悪さに惑う
だのに人を好きって思う気持ちだけは
一丁前にあるから悶えてるんでしょう
ギラギラ -Ado
最初のフレーズでは、一見愛着のあるものや素晴らしいものがある世界に生きていることへの感謝と喜びを表現しているようですが、実際には違う様子。
"んで今日もまた己の醜悪さに惑う"という部分が描かれていることから、自分自身と向き合い自分の醜悪さや欠点を感じ、苦しみ、もがいているようです。
それでも、フレーズの最後部分では他人を愛する気持ちがきちんとあることが描かれています。ですがその気持ちをどう扱っていいか分からず、苦しみを感じているのでしょう。
このフレーズからは苦しみながらも前向きに生きようとする主人公の心情を表現しているようです。
不完全な私
Ugly 正直言って私の顔は
そう神様が左手で描いたみたい
必然 この世にあるラブソングはどれひとつ
絶対 私向けなんかじゃないでしょう
ギラギラ -Ado
フレーズの最初に出てくる"Ugly"は「醜い」という意味になります。
主人公は自分自身の外見について不満を感じているようであり、歌詞からは神が自分の顔を作ったと思われることに対する皮肉が感じられます。
自分の容姿に自信がない主人公は、自分自身には真の愛が訪れないような気がしているのでしょう。自分にはラブソングが全く当てはまらないと思っているようです。
このフレーズでは主人公の内面的な葛藤を描写しており、自分自身と向き合うことの難しさを表現していると感じます。
輝かしい孤独
使い道のないくちづけ 憐みを恣(ほしいまま)に
スパンコールの瘡蓋(かさぶた)で身を守る
愛されないくらいなんだ
ギラギラ -Ado
このフレーズでは主人公が少し暗い気持ちになっているようです。
誰にも愛されず相手の憐みであると受け止めてしまうような哀しさが伝わってきます。また自分自身を傷つけたり傷つけられることを防ぐために、表面的なもので身を覆おうとしている様子もうかがえます。
主人公は、愛されない理由が自分自身にあるのかもしれないと思っているようであり、何度も失恋を経験してきた結果、愛されることに疑問を抱くほどになってしまい、辛く悲しい思いをたくさんしてきたことが想像できます。
GIRAGIRA輝く
ギラギラ輝いて私は夜を呑み
Rap Tap Tap Tap
今に見てろこのluv(ラヴ)
目に染みるは1mgの花火
Drag on Drag on
なんてファニー この世はビザール
ギラ ギラギラ ギラ
ギラギラ -Ado
サビの部分です。このフレーズでは主人公が夜に輝くライトの下で、ビートのリズムに合わせて踊っている様子を表現しているようです。ですが実際には踊っているわけではなく、「そんな気分で」夜の街を歩いているのかもしれません。
luv(ラヴ)は、「LOVE」のスラング。"今に見てろ"とあるので、主人公がひそかに自信を持っているのがわかります。
歌詞の中にある"ビザール”は「奇妙な」という意味であるので、全体的に個性的で奇妙な出来事や環境に対する感想を表現しており、主人公の「輝く、燃える、輝く」という感情を歌詞の中に反映しているのかもしれませんね。
2番
狂気と共生
Unknown お釈迦様も存ぜぬうちに
もう健やかに狂っていたみたい
それは世界の方かそれとも私の方ですか?
共生は端からムリでしょう
ギラギラ -Ado
2番のフレーズでは、お釈迦様という、普遍的な教えをもたらしたとされる仏教の創始者ですら気が付かないうちに狂ってみたいと願望を表しています。
"それは世界の方かそれとも私の方ですか?"という歌詞からは、心の病気や社会問題まで、不条理な現代社会の中で正気でいられない人が多いことを問いかけているように聞こえます。
お互いに共生するということはとても大切だけど、現実にそんなことはままならない、という現代社会への皮肉や嘆きを表現しているように感じます。
痛々しい輝き
マガイモノこそかなしけれ 無我夢中疾る疾る
強い酸性雨が洗い流す前に
蛍光色の痣抱いて
ギラギラ -Ado
この部分では、社会の中で生きる人々が感じる不条理な現実や不満を表現しているようです。
"マガイモノ"という歌詞が出てきますが、悪意を持って他人を騙し、利益を追求する人を指しているようであり、彼らがいることが悲しいという感情が込められているのではないでしょうか。そんな"マガイモノ"からなんとか逃れたいと伝えたいようです。
社会の不条理や不満がますます深刻化していることも示しており、社会から受ける深い傷を蛍光色で表すことで、その深刻さがより一層表現されているように感じます。
烈火の乱舞
メラメラ火を噴いて私は夜の狼
Rap Tap Tap Tap
そこで見てろこの乱舞
強くおなり あなたなりの武装(メイクアップ)で
Flap up Flap up
不意に不安に
ギラギラ -Ado
2番のサビではより一層決意を表しており、自分自身を生き生きとした動物にたとえています。
「火を噴く」や「狼」という言葉からは力強さも感じられ、自分のできる限りのことをして前を向こうと、自分自身に言い聞かせているようでもあります。メイクアップを「武装」と表現しているところは、共感する人も多いのではないでしょうか。
ですが最後のフレーズではちょっとした不安や不安定さも描かれており、自分自身に自信を持っているけれども、時には不安な気持ちに悩まされることもあるということを伝えたいのかもしれません。
燃える孤独の行進曲
孤独は燃料(ガソリン) 卑屈な町を行く
目を閉じて もういいかい もういいかい
もしも神様が左利きならどんなに幸せか知れない
ギラギラ -Ado
このフレーズでは、孤独感が人間を駆り立てて、卑屈でつまらない町を歩いているような気持ちを表現しているようです。
1番では神様を右利きと仮定して、自分の容姿は神様が左手で描いたみたいと言っていたのですが、ここでは神様が左利きであったなら…と言っています。自分の容姿に自信がない様子がうかがえ、いろいろなことを自問自答しているようでもあり、もうこれ以上向き合っても仕方ない、と思っているのかもしれません。
夜の煌き
ギラギラ輝いて私は夜を呑み
Rap Tap Tap Tap
今に見てろこのluv(ラヴ)
目に染みるは1mgの花火
Drag on Drag on
なんてファニー この世はビザール
ギラギラ -Ado
1番で出てきた歌詞が再び登場します。
ここでも胸中に燃える情熱と主人公の自己主張や自信を表しているようです。
ですが"Drag on Drag on"とも書かれており、今に見てろと気合を入れながらもどこか気がのらない主人公の内省的な心境も垣間見えます。
人生は思い通りにいかず、ときに奇妙に感じることもあるというメッセージが込められているのかもしれません。
満ちるエナジー
ギラ ギラギラ ギラ ギラギラ
Give Love 花は満ちて(ギラギラ)
ありのまんまじゃいられない 誰も彼も
なんて素晴らしき世界だ!
ギラついてこう
ギラギラ -Ado
最後のフレーズです。
ここでは愛を与えることで、世界は美しく輝き満ち溢れると言っており、自分自身のあり方や他者のあり方に限界を感じ、素晴らしい世界を求める思いを表しているようです。
最後に"ギラついてこう"という歌詞が出てきますが、”ギラギラ”というフレーズをさらに強調しており、強く輝き続け、前向きに生きていこうというメッセージが込められているような気がします。
まとめ
今回はAdoの「ギラギラ」の歌詞の意味を徹底解釈しました。
「ギラギラ」には、自己肯定が低く、不安定な心境にある人の内面を描いているようです。歌詞には、自分を嫌いな部分や愛されない気がする部分を素直に認め、愛を求める気持ちがあることも書かれており、世界や人々に対しても不思議な感覚を持っているようです。最後にはいろいろな葛藤があるけれど、前を向いて歩いていこうというポジティブなメッセージを伝えており、自分らしく輝くことを大切にするように呼びかけているように感じました。
歌詞を聞いて、深く共感する人も多いのではないでしょうか。
これからもmusic.branchwithではAdoを追って行くのでぜひチェックしてみてください!