【クリープハイプ/栞】の歌詞の意味を徹底解釈 | 曲名の読み方は?あいみょんも歌った一曲を考察する!
編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19
栞という曲名の意味を考察
曲のタイトル「栞」とはどういった意味が込められているのでしょうか。
そもそも栞とは皆さんご存知ですか?栞とは、本の読みかけのページのところに挟む、目印に使われるもののことです。
このクリープハイプの「栞」という曲名も、その栞から由来されています。
歌詞中、一人称は出てきませんが、「君」が出てきます。この曲は、桜が散る頃の春に、そんな自分と君との別れを歌った切ないラブソングです。
また、桜が散る頃といえば、新生活を新たに踏み出す瞬間ですね。
別れがあり、また出会いがあり、慣れない環境に対しての不安など、少し心に重たいものを引きずりますよね。そんな新生活に不安や迷い、悲しみや後悔を抱えた人たちに「道は続いているから、一歩踏み出そう。そのままの君で大丈夫だよ。」
といった応援ソングでもあるのではと筆者は感じています。
上記にあるように、栞とは読みかけのページに挟む、つまり途中で止まっているという状況を表します。
別れや出会い、新生活など一歩行き詰っているリスナーに対し、栞を挟んだページからまた本を読むように、また一歩踏み出そうという切ないラブソングに隠された応援メッセージの表れではないでしょうか。
また、栞を挟んで読み終えたページは記憶に残り消せません。それと同様に、人もどんなに辛くとも、過去は消すことができません。しかし、この曲はそんなリスナーに、一歩踏み出そうと語りかけている。つまり、その不安や後悔も含め全てあなたである、そんな今のままのあなたで大丈夫だよというメッセージも読み取れますね。
曲名の「栞」にはこのような意味やメッセージが込められていると筆者は解釈しました。
栞の歌詞の意味を徹底解釈
1番
途中でやめた本の中に挾んだままだった
空気を読むことに忙しくて 今まで忘れてたよ
句読点がない君の嘘はとても可愛かった
後ろ前逆の優しさは 少しだけ本当だった
解釈(主人公)僕は、毎日を生きるのに必死で、君のことさえ少し置き去りにしてしまっていたかもしれない。
君は少し不器用だから、つく嘘は文章に句読点がないようにちょっと歪で、僕を想ってついた嘘はそんな感じでとても愛おしかった。
でもその優しさも今は切ない。
(主人公の一人称は出てきませんが、仮に「僕」として解釈を進めます。)
主人公である「僕」は、日常を生きることに必死になり過ぎて、彼女である「君」の存在を少しいい加減にしていたようです。
しかし街には桜が咲き、彼女との別れが近いことに気づきます。
彼女は、彼とお別れになる事実を伝える際、嘘をつきます。
でも不器用な彼女がついたその嘘は、まるで句読点がない文章のようで、それがまた愛おしく感じる僕です。
しかし、その優しい嘘の中に、少しだけの本当、つまり「お別れになる」という事実があり、今は彼女のついた優しい嘘も、切なく感じてしまう僕の心情が描かれています。
簡単なあらすじなんかにまとまってたまるか
途中から読んでも 意味不明な2人の話
解釈本の裏表紙にある、簡潔に書かれるあらすじ。
そんなものでは僕ら2人のことは語り切れない、語り切りたくない。
僕らの物語は、最初から読まなければ意味不明な程にややこしくて愛おしい。
僕は、彼女との別れを目の前にして、途中でやめた物語の記憶が蘇ります。
Aメロにある、「途中でやめた本の中」という歌詞はここに通ずるものがありますね。
その2人の物語は、簡単にまとめられたあらすじなどでは表しきれないほどの数々。
他人が途中から読んでも内容なんてわかるはずもない。
大切な本を、最初から1ページずつめくるように、2人で読みたい。願わくば、この先も2人の物語を作りたいといった僕の切ない心情です。
また、2人の物語はそれほど僕にとって特別な愛に溢れたものだということです。
桜散る桜散る ひらひら舞う文字が綺麗
「今ならまだやり直せるよ」が風に舞う
嘘だよ ごめんね 新しい街に行っても元気でね
桜散る桜散る お別れの時間がきて
「ちょっといたい もっといたい ずっといたいのにな」
うつむいてるくらいがちょうどいい
地面に咲いてる
解釈別れの時。
風が吹くとひらひらと桜が散っていく。
僕は心の中に残る「今ならまだやり直せるよ」という言葉を散りゆく桜の花びらにのせて、「新しい街に行っても元気で」と言葉を掛けました。
さらに桜が散りゆく中、お別れの時間。
まだまだ未練が捨てきれない僕。でも一緒にいたいと口に出してはいけないから、、。
彼女の顔も見れない僕の足元には、散ったたくさんの桜の花びら。まるで地面に咲いているようで、僕の心が少し痛むくらいに僕の瞳に綺麗に映った。
ついに2人に別れの瞬間が訪れます。
春風に吹かれ、たくさんの桜の花びらが散っていきます。
僕は、心の中に秘めた「今ならまだやり直せるよ」を言えずにいます。でも言ってはいけないこと、言ったら彼女を困らせることは、重々承知です。
そんな僕は、きっと涙ながらの笑顔で「新しい街に行っても元気でね」と声を掛けます。
別れの時間が迫るに比例して、僕のまだ一緒にいたいという気持ちは大きくなります。そんな僕は、彼女の顔すらもうまともに見られず、俯きます。
そこには桜の花びらが、まるで地面に咲いているように散っています。
春の儚い命が、散っても尚綺麗に地面で咲き誇っている。そんな桜に対して今の僕は、言いたいことも言えずに、彼女の顔すら見られずに、情けなく俯いているくらいが丁度いいんだ、そんな僕の心情が描かれています。
また、「ちょっといたい もっといたい ずっといたいのにな」の「いたい」の歌詞がひらがな表記とされているのは、素直な気持ちのずっといっしょに「居たい」と僕の心の「痛い」とが、かかっているのではと感じました。
2番
初めて呼んだ君の名前 振り向いたあの顔
それだけでなんか嬉しくて 急いで閉じ込めた
解釈僕は君の名前を初めて呼んだ日のことを思い出している。
照れくさそうに、でも嬉しそうに振り返った君の顔。
その顔がなんだか僕はすごく嬉しくて、急いで心の中に閉じ込めたんだ。
僕は、君を初めて下の名前で呼んだ日のことを思い出しています。
初めて名前で呼び、呼ばれたときのあのくすぐったい緊張感が伝わります。
振り向いた彼女の顔は、きっと幸せそうにしていたんでしょう。
その笑顔が、僕にとってはとても嬉しくて、その笑顔を忘れないように、心の中に、そして2人の物語の中に、慌ててしまいこんだのです。
あのね本当はね あの時言えなかったことを
あとがきに書いても 意味不明な2人の話
解釈今更だけど、あの時僕は君に言おうと思ってたんだ。
ずっと2人の物語をつないでいこうと。
だけど、きっともう一生伝えられない。
だって、2人の物語はここで終わるから、お別れの後に「これからも一緒に居よう」なんて、辻褄が合わない。
僕は、「君とずっと一緒に居る」というニュアンスのことを、お付き合いの中で言えなかったのでしょう。
言おうとは思っていたけど、お別れの時が来るとも思っていなかった僕は、結局言えず終いで終わってしまうのです。
別れへの道を進む2人には、もうつなぐ物語はありません。ハッピーエンドではない物語のあとがきに「ずっと一緒に居る」なんておかしな話だという、僕の心情ですね。
ありがちで退屈などこにでもある続きが
開いたら落ちてひらひらと風に舞う
迷っても 止まっても いつも今を教えてくれた栞
ありがちで退屈などこにでもある続きが
終わってからわかっても遅いのにな
うつむいてるくらいがちょうどいい
地面に泣いてる
解釈君と過ごしていたなんてことない日々、何ならちょっと手持無沙汰くらいだった日々が、桜が散るように僕の生活からなくなっていく。
僕が人生に悩んだとき、いつも今という宝物を教えてくれていたのは君だった。
そんなこと、別れてから思ってもしょうがないのに。
そんな僕は今はただ、俯き泣くことしかできない。
僕は彼女と別れてから、なんの変哲もない毎日に彼女がいたことの大きさを感じます。
僕が、迷い、時に立ち止まってしまうとき、大切なことを教えてくれたのは彼女でした。
そんないつもある当たり前に、僕は別れてから気付きます。
そんな自分の不甲斐なさに、彼は俯き、泣くことしかできないのです。
この気持ちもいつか 手軽に持ち運べる文庫になって
懐かしくなるから それまでは待って地面に水をやる
解釈彼女をまだ好きだという気持ちも、この悲しいお別れも、いつかきっと懐かしなと笑えるようになる。
それまでは、この気持ちを大切に生きよう。
僕の彼女に対する気持ちはまだ色濃くあります。
僕にとって、2人の物語は分厚い単行本。
しかし、一般的な単行本が、人気を経て2,3年程で文庫本になるように、2人の分厚い物語も、僕の今の気持ちを大切にしていけばいつかは良い思い出だったと話せる日が来る。
文庫本は、そんな彼の前向きな気持ちの表れであると言えます。
桜散る桜散る ひらひら舞う文字が綺麗
「今ならまだやり直せるよ」が風に舞う
嘘だよ ごめんね 新しい街に行っても元気でね
桜散る桜散る お別れの時間がきて
「ちょっといたい もっといたい ずっといたいのにな」
うつむいてるくらいがちょうどいい
地面に咲いてる
解釈一度解釈をしたので、割愛します。