【King Gnu/The hole】の歌詞の意味を徹底解釈 | 「護りたい」「救いたい」という飾らない愛が描かれている!
編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19
The holeってどんな曲?
「The hole」は,King Gnuによって2019年1月16日に発売された2ndアルバム「Sympa」でラストを飾る哀愁溢れるバラード曲。
公開されているMVはまるで一本の映画のようなストーリー性が話題になりました。
そんな「The hole」の特徴は、奏でられる音響の魅力はもちろん、強いメッセージが込められた歌詞。
「護りたい」「救いたい」という飾らない愛が描かれた一曲です。
The holeという曲名の意味を考察
「The hole」の“hole”とは“穴”という意味です。
曲中でも何度も「ぽっかりと空いたその穴」というフレーズが出てきますが、ここでの穴とは心の穴のこと。目には見えない寂しさや悲しみを表しています。
愛する人の心にぽっかりと空いた穴を埋めたい、寂しさや悲しみを癒してあげたい。そんな意味でつけられたタイトルです。
The holeの歌詞の意味を徹底解釈
1番
晴れた空、公園のベンチで1人
誰かを想ったりする日もある
世界がいつもより穏やかに見える日は
自分の心模様を見ているのだろう
太陽の下をひとりで出歩く時。
ここにいない誰かのことを考えるような、優しい気持ちになることがある。
そんな時は世界も優しく輝いているかのにキラキラして見えるんだ。
穏やかな天気の日は心までも穏やかになりますよね。
晴れているだけで、心もなんだか明るくなったり。
そんな日は、自分じゃない誰かを想う余裕さえ出てきます。
そして、誰かを想う優しい気持ちは世界の見え方さえも変えるのです。
ここでは、そんな誰しも経験したことのある不思議な力を語っています。
吐き出せばいいよ
取り乱せばいいよ
些細な拍子に
踏み外してしまう前に
無理なんてしなくていい。
言いたいことは我慢しなくていい。
泣き喚いてもいい。
耐えてばかりでも、いつの日かきっと溢れ出して壊れてしまうだろう。
そうやって道を踏み外すしてしまう前に、僕に頼ってほしいんだ。
辛いことに耐えるばかりでは心が壊れてしまう。
そうなる前に、泣き叫んでいい。
そんな救済のことばが綴られています。
愛を守らなくちゃ
あなたを守らなくちゃ
消えそうな心の声を聞かせて
愛を忘れないでほしい。
あなたを護りたい。
あなたが飲み込んだその言葉の続きが聞きたいんだ。
「あなたを護りたい」「あなたを救いたい」、そんな切実な愛情が歌われています。
「消えそうな心の声」は、言いたいけれど言えなかった言葉。
きっとそれは「辛い」「助けてほしい」という言葉でしょう。
ぽっかりと空いたその穴を
僕に隠さないで見せておくれよ
あなたの正体を
あなたの存在を
そっと包み込むように
僕が傷口になるよ
あなたの心の中にある途方も無い悲しみや苦しみを、隠さないで僕に見せてほしい。
あなたの本当の気持ちを知りたい。
そして受け入れたい。
あなたの全てを受け入れたい。
あなたの心の傷を癒す存在になりたい。
どれだけ楽しいことがあってっも、心のどこかに漠然とした悲しみが消えないことはありませんか?
そんな心の中にぽっかりと空いた穴を見せてほしいと主人公は歌っています。
「僕が傷口になるよ」は、あなたの傷の理由を知った上で護りたいという強い意志でしょう。
2番
気づけば誰かの物差しで
人と比べた未来に傷ついて
身体にぽっかりと空いたその穴を
埋めてあげることが出来たのなら
無意識のうちに、つまらないルールや常識に雁字搦めになっている。
誰かと自分を勝手に比較して落ち込んでしまう。
そんな苦しさにあなたも耐えているのだろう。
そんな気持ちを癒してあげられるような人になりたいんだ。
人と比べて自分はこんなに駄目だ、と落ち込んだことはありませんか。
そんな塞ぎ込んだ気持ちのままでは、未来さえ見えなくなります。
将来の希望さえなくして、生きる気力も湧かない。
そんな生きづらさをKing Gnuは肯定し、救済の言葉を投げかけます。
逃げ出せばいいよ
全てを放り出せばいいよ
些細な拍子に
壊れてしまう前に
苦しくて堪らないならば、逃げてもいいんだ。
全てを放り投げて、ゼロから始めればいいんだ。
耐えて耐えて耐えて、そうして心が壊れてしまうくらいなら。
辛いことを我慢するばかりではいつか限界がきて心が壊れてしまいます。
そうならないために、全てをやめて放り投げても大丈夫。
一からスタートすればいい、そうしたメッセージが込められています。
愛を守らなくちゃ
あなたを守らなくちゃ
消えそうな心の声を聞かせて
一度解釈したので割愛します。
一度解釈したので割愛します。
ぽっかりと空いたその穴を
僕に隠さないで見せておくれよ
傷には包帯を
好き勝手放題の
世界から遠ざけるように
僕が傷口になるよ
あなたの途方もない苦しみを我慢しないでほしい。
僕を頼ってほしい、ぜんぶ教えてほしいんだ。
あなたの心の傷はすぐに癒さなければいけないものなんだ。
矛盾ばかりで踏んだり蹴ったりの現実にこれ以上あなたが打ちのめされる姿を見たくない。
だから僕が守るよ。
悪意に満ちた無責任な世界で生きる私たち。
そこで積もりに積もった悲しみや苦しみは隠さず癒す必要があります。
この曲の主人公は、そんな深い傷を引き受けるという覚悟を持っています。
そんな強くまっすぐな愛が歌われたサビです。
愛する誰かが自殺志願者に
僕らはそのくらい脆く不確かで
愛を守らなくちゃ
あなたを守らなくちゃ
世界の片隅に灯るかすかな光を
掻き集めて
愛している人が生きる希望さえ無くしてしまう。
人間とはそれくらい弱い存在なんだ。
強い人間なんていない、すぐに崩れ落ちてしまう脆い存在。
それでも愛をなくさないために僕が愛する人を守らなければいけない。
どこかにあるはずの希望を探して、大切に持ち続けなければいけない。
私たちは常に絶望と隣り合わせです。
自分だけでなく愛する人にも同じことが言えます。
人間とはいつ消えてしまうかわからない弱い存在であるからこそ、King Gnuは救済を歌います。
ささやかな希望をかき集めて歌にして、音楽で人を癒したい、救いたい。
そんな使命を持って生み出された曲が「The hole」なのでしょう。
この世界の
希望も絶望も
全て飛沫をあげて
あなたに降り注ぐのなら
あなたの正体を
あなたの存在を
そっと庇うように
僕が傷口になるよ
この現実には希望と絶望が混沌と溢れている。
あなたにもきっと希望と絶望が目まぐるしく訪れているのだろう。
そんな世界に疲れて心が消耗されてしまう前に君を守るよ。
本当のあなたの全てを受け入れて愛そう。
悲しみや苦しみから、僕が守ろう。
ラストのサビです。
希望と絶望に渦巻く世界であなたを護る存在。
明日もなんとか生きられるような、希望を与える存在。
それこそが音楽なのではないでしょうか。
この曲の主人公は紛れもないKing Gnuです。
音楽であなたに愛を伝えたい。癒したい、護りたい。
そんなメッセージが「The hole」には込められています。
まとめ
「The hole」はタイトルに表されているような「心にぽっかりと空いた穴」を埋めるために生み出された曲といえます。
音楽の力であなたの悲しみや苦しみを癒し、護りたい。King Gnuにから、音楽とリスナーに愛を込めて歌われた骨太なバラードです。