【Official髭男dism/最後の恋煩い】の歌詞の意味を徹底解釈 | 「最後」とは?これで終わりの恋という意味ではなかった!
編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19
最後の恋煩いという曲名の意味を考察
「最後の恋煩い」とはどんな意味があるのでしょうか?
「恋煩い」とは、恋をした時に感じる、やりきれない思いだったり、相手のことを好きすぎて胸が苦しくなってしまう状態です。
そんな恋煩いが最後ってどういうことなんでしょうか?
この曲では、最後という言葉の意味がちょっと違っていて、「これが最後の恋だ」ということではなく、二人に何度も訪れる「最後」です。
二人の日常生活の中には、「これで最後だ」と思うような出来事が日々起きる。その度に悩んで苦しんで絆が深まっていく。そんな意味が込められています。
最後の恋煩いの歌詞の意味を徹底解釈
1番
最後の恋煩いを始めよう
何度も「これが最後」って言いあおう
これ以上はもう無理って思うくらい喧嘩をしても、
逃げずに真剣に向き合おう。
いつまでもそんな二人でいよう。
「恋煩い」とは、恋の病。
相手を好きすぎて、悩んで苦しくなること。
それは、たとえ付き合っている二人でも、相手を本当に好きであればあるほど、強くなるものだと思います。
その度に真剣に向き合って仲直りすれば絆ってさらに深まりますよね。
怒ったり傷ついたりして、相手に対して本気だからこそぶつかり合えます。
そんな風に、毎回二人の限界を突破できる二人でいよう!ということではないでしょうか。
目を閉じたって 見落とせないだろう
日々の呼吸が乱れだす瞬間
まあいっかなんて放っておいたら
真っ逆さまジ・エンド
それだけは回避しなくちゃな
ちょっとイラっとした事、気にしないようにしても無理だろう。
それをスルーしてたら、積もり積もって、
気づいた時にはもう手遅れになる。
それは一番嫌だ。
「目を閉じたって見落とせない」ということは、
見て見ぬ振りできないということ。
「呼吸が乱れだす瞬間」とは、何か怒りを感じている瞬間かもしれません。
それを言わなければ、相手は分かりません。
自分の気持ちを、相手に伝えようとすることは、面倒くさいです。
喧嘩になってしまうかもしれないですから。
「まあいっか」と面倒くさがって、言わずに自分の中に溜め込めば、どんどんチリツモになって、
爆発してしまった時にはもう手遅れ。それだけは避けたい、と言っているのだと思います。
特大の罵声も 受け取るからいっそ
いい人なんてやめちゃえよ
生前贈与の冊子の表紙を飾るような年頃になっても
全てを語らいあう2人でいたい
どんなにひどい言い方をされても全部理解できるように努力するから、
いつも正直でいてほしい。
おいじいちゃん、おばあちゃんになっても、
何でも言い合える関係でいたい。
「いい人なんてやめちゃえよ」というセリフがかっこいいですよね。
どんな言葉も受け入れられるから、彼女にはいつも本音で話してほしいと思っているのだと思います。
そして年老いても、そんな風に本音で言い合える夫婦でいたいということでしょう。
「生前贈与」とは、生きている間に子や孫に財産を与えることをいうのですが、
そのパンフレットには、幸せそうに笑う老夫婦が写っていて、
穏やかに見えても、喧嘩する時は本気で喧嘩している、そんな夫婦になりたいという意味なのかなと思いました。
最後の恋煩いを始めよう
「うんざりだよ これだからもう!」って言いながら
笑みがこぼれる
何度も「これが最後」って言い合おう
最後の意味がすり減ってゆくこと
幸せの意味みたいに 思えた 僕ら Ah
怒っていながら笑っていられるのは、明日も明後日も一緒にいられるって思えるから。
本気で「最後だ」って思った日が増えていくにつれて、
「最後」って言葉の意味が薄れていく。
それは幸せってことなんだ。
「次こんなことあったら許さないからね!」みたいな言葉の後に、二人が笑っていられるのは、
お互いが信頼しあっているからだと思います。
「これが最後」と言いながら、次の日も同じことを言っているとしたら、
「最後」という言葉自体の意味を忘れそうになります。
それが幸せなことと感じているのかもしれません。
オオカミ少年というお話の、幸せバージョンというか、そんな気がします。
2番
慣れたふりで やり過ごせるほど
タフな心なんてない 一切合切
耐え続けた後で 勝手にオーバーヒート
それは理不尽すぎるなあ
好きすぎて苦しくなる自分をうまくコントロールできるほど器用じゃない。
好きだからこそ我慢したのに、喧嘩になってしまう。
恋煩いは、相手が好きすぎて苦しいこと。
それをコントロールできたら苦労しません。
「やり過ごせるほどタフな心なんてない」とはそういうことを言っているのだと思います。
相手のことを想って我慢したことなのに、それが原因で喧嘩になってしまい、二人のすれ違いになってもどかしい、「理不尽」だ。
溜め込んだものはついに溢れてしまい、「勝手にオーバーヒート」してしまうということですね。
断腸の思いを投げ合うのはきっと
僕らだけが持ち合わせた専売特許
とは言っても常識の範囲を超えてしまいそうだと
頭を両手で抱えて Uh!!!!
言うのが怖いと思うことを、
思い切ってぶつけ合える言葉は、
君にしか言えない言葉。
でも、さすがに言ってはいけない言葉を言ってしまいそうで不安になる。
断腸の思いとは、文字通り内臓がちぎれそうなくらい苦しい思いということ。それを投げ合うと言うことは、言うに言えない本音のぶつかり合いということだと思います。
「専売特許」とは、その人だけが得意としている技術や方法という意味。
二人の言い合いは二人にしかできないと言うことです。
本音で言い合うことは、二人の関係を壊してしまうかもしれません。
そんな言葉をぶつけられるのは、信頼している恋人だからこそですよね。
普通の友達にはできないことです。
最後の恋煩いを始めよう
「似たようなこと 前あったよもう!」って言いながらも
どこか不可解で
今夜も儚い迷い星に問う
最後の意味が増してきて 眠れない
夢の波間に残されて立ち尽くしている
同じようなことでまた喧嘩したけれど、
今までと何か違う状況。
もしかしたら今回は本気で最後になってしまうかもしれない。
だんだん不安になってきて浅い夢を繰り返している。
「前にもあった」ということは、前と同じことでまた喧嘩をしているのかもしれません。
でも「どこか不可解」ということは、今までと少し違う空気が二人に流れているのでしょうか。
眠れずに、今回はやばいかも、というような主人公の不安が伝わってきます。
3番
突然に一瞬だけ光って 消える綺麗な 思い出より
やんちゃな終身派 しょうもない事でも ご愛嬌
自分を繕ってしまう恋よりも、
自分らしくいられる人と育んでいく愛がいい。
この部分では、恋と愛の違いを歌っています。
ここで言う恋とは、短いもの。
「一瞬光って消える」と言うことは、すぐに燃え尽きてしまったり、相手を想うが故に自分をよく見せようとしたりして、どちらも長くは続かないものですよね。
その儚さは綺麗な思い出として残るかもしれません。
一方で、「やんちゃな終身派〜」の部分では、そんな自分を取り繕うような恋ではなく、自分らしくいられる人と一緒にいたいと言ってるような気がしました。相手のことを受け入れられるということは、愛があってこそです。主人公は、死ぬまでやんちゃ、つまり自分らしくいたいということだと思います。
最後の恋煩いを始めよう
「うんざりだよ これだからも!」て言いながらも
笑みがこぼれる
何度も「これが最後」って言い合おう
最後の意味がすり減ってゆくこと
幸せの意味みたいに 思えた 僕ら 大丈夫だな Uh
僕たちならこの調子でずっとやっていけるはず。
最後に「大丈夫」だなと歌っていますね。
心の底からお互いを信頼しあっているからこその言葉だと思います。
まとめ
この曲に出てくる二人のやりとりが、自然と浮かんでくるような歌詞ですね。
喧嘩するほど仲がいい、という言葉が似合いそうな二人です。
なんだかんだ言っても、深い絆で結ばれている、おおらかな愛を感じました。