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【米津玄師/花に嵐】の歌詞の意味を徹底解釈 | ことわざにもある曲名は何を意味するのか

編集: ひいらぎ 最終更新:
目次

花に嵐という曲名の意味を考察


「花に嵐」は、好事には邪魔が入りやすいことを意味することわざです。「花」が美しく咲いても「嵐」によって吹き荒らされてしまうことが由来しています。

単語別に解釈すると、「花」は祝福や喜び、幸福、美などを象徴していると考えることができ、「嵐」からは災害や困難、破壊、悲劇などが連想されます。
二つを並べ本来の意味も加味すると、「花に嵐」は幸福を脅かす苦難を表していると解釈するのが妥当なようです。


花に嵐の歌詞の意味を徹底解釈

1番

雨と風の吹く 嵐の途中で
駅は水面に浮かんでいる
轍が続いて遠い靄の向こう
ひとりで眺めて歌っては
米津玄師 -花に嵐

解釈雨と風が吹く嵐の最中
駅が水たまりに浮かんで見える。
轍が続く先、遠い靄の向こうを
ひとりで眺めて歌を歌う。

激しい「嵐」の中、主人公は一人で「駅」に佇んでいます。「轍」つまりレールの伸びる先は「靄」がかかって景色が隠れていますが、主人公はその「遠い」場所を「眺めて」、退屈しのぎでしょうか「歌って」います。

気の滅入る状況下で見えない景色を見つめ、「ひとりで」「歌って」いる様子は寂しげです。

 

そうだあなたはこの待合室
土砂降りに濡れやってくるだろう
そのときはきっと笑顔でいようか
もう二度と忘れぬように
米津玄師 -花に嵐

解釈きっとあなたはこの待合室に
濡れそぼった姿でやってくるだろう。
そのときは二度と忘れないように
笑顔でいようかな。

ここで主人公は「そうだ」と思い付いたように「あなた」のことを考え始めます。孤独を紛らわすための思い付きでしょうか、それとも、「あなた」といざ顔を合わせる前に緊張を緩和しようとしているのでしょうか。

「土砂降りに濡れ」て現れるであろう「あなた」に、主人公は「笑顔」を向けようかと思案しています。「嵐」の中を歩いて疲れている時に明るく迎えてもらえたら「あなた」は嬉しく思うでしょう。しかし、この「笑顔」は作為的で、「もう二度と忘れぬように」することがその目的として述べられています。

この部分は余白が多いので様々な角度からの解釈が可能で、主人公が「笑顔」にまつわる感情を「忘れぬように」と願っているのか、「あなた」が主人公の「笑顔」を「忘れぬように」いてほしいと思っているのか、あるいは「この待合室」での一幕を「忘れぬよう」な思い出にしたいと考えているのか、正解を見出すことができません。

確かなのは主人公が「あなた」を大切に思っていることです。「きっと笑顔でいよう」と事前に決めておかないと「笑顔」にはなれない心境でいるにも関わらず、「あなた」のことを慮っているのですから。

 

わたしにくれた 不細工な花
気に入らず突き返したのにな
あなたはどうして何も言わないで
ひたすらに謝るのだろう
米津玄師 -花に嵐

解釈あなたが向けてくれた優しさを
不格好だと突き返したのに
あなたはどうして何も言わず
ひたすらに謝るのだろう。

ここに登場する「花」は、「あなた」が「わたし」のために傾けてくれた親切や手助けのことを指していると解釈できます。

主人公はこれを「不細工」と形容し「気に入らず突き返した」と言っていますから、余計なお世話と思って鬱陶しがったのかもしれません。しかし、「あなた」は主人公の態度に腹を立てるどころか「ひたすらに謝」っています。

「あなた」の心理を読み解けていない様子から、主人公が「あなた」の中に自分とは違うもの、自分の持っていないものを見出していることが伺えます。

 

悲しくて歌を歌うような
わたしは取るに足りなくて
あなたに伝えないといけないんだ
あの花の色とその匂いを
米津玄師 -花に嵐

解釈悲しいから歌を歌う
こんなわたしは取るに足りないから
あなたに伝えないといけない
あの優しさを本当はどう感じていたのか。

「悲しくて歌を歌うような」つまり感情を紛らわせたくて「歌」に逃げるような「わたし」では「取るに足りな」いと、主人公は自己否定に陥っています。だからこそ「あなた」の存在が一層大きく感じられるのでしょう。

「あの花の色とその匂い」とは、「あなた」が「くれた」「花」が主人公の目にどのように映り、感性にどう働きかけたかを言い表した歌詞と解釈できます。つっけんどんな態度を後悔し、本当はどう感じていたのか正直に伝えたいと考えているのです。


2番

そうだあなたはこの待合室
風に揺すられやってくるだろう
そのときはきっとぐしゃぐしゃになって
何も言えなくなるだろうな
米津玄師 -花に嵐

解釈きっとあなたはこの待合室に
風に吹かれながらやってくるだろう。
そのときはきっと心の中がぐしゃぐしゃになって
何も言えなくなるのだろうな。

「雨」と同時に襲ってくる「風」もきっと「あなた」を疲れさせるでしょう。

それでも「待合室」に来てくれるはずの「あなた」を前にしたら、主人公は「ぐしゃぐしゃになって」「何も言えなくなるだろうな」と言っています。激しい感情が溢れかえっている時は、言葉を紡ぐ余裕がなくなります。

主人公が「あなた」に対して感じるのは感謝や好意かもしれませんし、後悔や恥かもしれません。

 

悪戯にあって 笑われていた
バラバラにされた荷物を眺め
一つ一つ 拾い集める
思い浮かぶあなたの姿
米津玄師 -花に嵐

解釈悪戯をされて嘲笑されていた。
バラバラにされた荷物を眺めて
一つずつ拾い集めていると
あなたの姿が思い浮かぶ。

主人公の頭に嫌な記憶が浮かんでいます。突き飛ばされでもしたのでしょうか、「荷物」が散らかってしまい「拾い集め」なければならなかった経験です。この「荷物」とは文字通り持ち物と解釈することができますが、主人公がそれまでに培ってきた経験や思想と捉えることもできます。

その場合、他人が「悪戯」心に主人公の気持ちを踏みにじり、彼はまだ「バラバラにされた」破片を「拾い集め」ている最中だと読めます。「笑われていた」と「悪戯」の場面は過去形になっているのに「拾い集める」は現在形になっていて、過去の傷が今も癒えていないことが示唆されています。

主人公の味方は「あなた」だけのようです。

 

はにかんで笑うその顔が
とてもさびしくていけないな
この嵐がいなくなった頃に
全てあなたへと伝えたいんだ
米津玄師 -花に嵐

解釈はにかんで笑うあなたの顔は
とてもさびしくて辛くなる。
この嵐が去ったら
わたしの思いを全部あなたへ伝えたい。

「あなた」の「笑顔」を主人公は「とてもさびしくていけない」と感じています。心底喜んだり楽しんだりして自然と沸いてくる「笑顔」を見たいと願っているのかもしれませんし、孤独な主人公の味方になってくれていることに負い目を感じているのかもしれません。

「この嵐」は天候を指していると同時に主人公の苦境を表現していると考えられます。今感じている苦痛を乗り越えたら、「あなたへ」「全て」を、感謝も劣等感も含めて伝えられるだろうと、主人公は希望しているようです。

 

苦しいとか悲しいとか 恥ずかしくて言えなくて
曖昧に笑うのをやめられなくなって
じっと ただじっと蹲ったままで
嵐の中あなたを待ってる
米津玄師 -花に嵐

解釈苦しいとか悲しいとか、恥ずかしいから口に出せない。
曖昧に笑ってごまかすのが癖になってしまった。
ただじっと蹲ったまま
嵐の中であなたを待っている。

「苦しい」「悲しい」は個人の弱みに繋がる感情ですから、白状することに「恥ずかし」さを感じたとしても仕方がありません。

主人公は代替的に「曖昧に笑」い感情を押し隠すことを続けてきたようですが、ごまかしているばかりでは精神的な負担は増える一方、打ち明けるのはますます困難になります。

今現在主人公を取り巻いている「嵐の中」では、彼は「ただじっと蹲」ることしかできません。直接言葉にはしませんが「あなた」に助けを求めています。


悲しくて歌を歌うような
わたしは取るに足りなくて
あなたに伝えないといけないんだ
あの花の色とその匂いを
米津玄師 -花に嵐

解釈悲しいから歌を歌う
こんなわたしは取るに足りないから
あなたに伝えないといけない
あの優しさを本当はどう感じていたのか。

一度解釈したので割愛します。

 

はにかんで笑うその顔が
とてもさびしくていけないな
この嵐がいなくなった頃に
全てあなたへと伝えたいんだ
米津玄師 -花に嵐

解釈はにかんで笑うあなたの顔は
とてもさびしくて辛くなる。
この嵐が去ったら
わたしの思いを全部あなたへ伝えたい。

一度解釈したので割愛します。


花 あなたがくれたのは 花
米津玄師 -花に嵐

解釈あなたがわたしに花をくれた。

「悪戯」をする他人がいる一方で、「あなた」は主人公に「花」を与えてくれた存在です。主人公はその事実を再認識し、「あなた」への思いを強めているように感じられます。

他者の優しさが「花」なら、それを素直に受け取れない主人公のひねくれた感性は「嵐」そのものです。今は渦中の主人公ですが、自省は問題解決への第一歩ですから、やがて晴れ空の下で「あなた」からの「花」を受け入れることができるでしょう。