【ALEXANDROS/あまりにも素敵な夜だから】の歌詞の意味を徹底解釈 | 「いま」を大切にする思いを深く込めた曲
編集: ひいらぎ最終更新: 2020/9/19
あまりにも素敵な夜だからという曲名の意味を考察
「あまりにも素敵な夜だから」。このタイトルにはどんな意味があるのでしょうか。
「素敵な夜」を想像させますが、この曲は、主人公が踊り明かし酔っ払って、公園で目を覚ます場面から始まります。
きっと誰もが感じたことのある、あの憂鬱感から始まるのです。この状況で多くの人は、昨日のことを後悔したりすると思いますが、主人公は昨日の夜のことを「あまりにも素敵な夜」として、悲観したりしません。
「あまりにも素敵な夜だから」こそ、どんなに翌日辛かろうが関係ない。素敵な「今」を大切にするという思いが込められているのだと思います。
あまりにも素敵な夜だからの歌詞の意味を徹底解釈
1番
Wake up
Saturday in a park
踊り明かしたLast Night
どうして
こんな所で
眠り落ちていたみたい
目が覚めたら公園にいた。
昨日の事が浮かぶ。
今日は土曜日だ。
夜通し踊り狂って、いつの間に、どうやって此処にたどり着いたんだろう。
主人公は、酔っ払って外の公園で寝ていたようです。
「どうして」と言っている事から、昨日のダンスクラブのことは覚えているけど、その後どうやってこの公園行き着いたかは曖昧のようですね。
土曜日の公園ということは休日の公園。子供達が遊んでいて、そのにぎやかさで目が覚めたのかもしれません。
飲み明かした挙句、そんな場所で目が覚めたら、きっと誰でも憂鬱になると思います。楽しかった昨日とは打って変わって、一気に現実に戻ってきたような、そんな主人公の虚無感が伝わってくるのではないでしょうか。
Shakedown
1994
お道化疲れてHad a fight
どうして?
私はただ
笑っていたいだけなのに
笑わせたり、気遣うことに疲れて喧嘩した。
そんなことしたかったわけじゃないのに、どうすれば良かったんだろう。
「Shakedown1994」という歌詞は、一体どういう意味なのでしょうか。
意味を調べると、「間に合わせの寝床」「ゆすり・脅し」「徹底的な捜索」などがありましたが、とあるインタビューで川上さんが次のように話していました。
歌詞のなかに<Shakedown 1994>っていう部分があるんですけど、これは、The Smashing Pumpkins(アメリカのロックバンド。1990年代のオルタナティブロックを代表するバンドの1つ)の“1979”の<Shakedown 1979>っていう歌い出しからきていて。
“1979”を初めて聴いて、「Shakedown」っていう単語を調べたとき、「試行錯誤」っていう意味があるんだっていうことを知って。ビリー・コーガン(The Smashing Pumpkinsのボーカル、ギター)がどういう意味でこの言葉を使ったのかは謎ですけど、いつか使いたい単語だったんですよね。
このコメントから、「試行錯誤」という意味である事がわかります。続いて、「お道化疲れて〜」の部分を見てみます。
普段から周りのことを考えて、ふざけて笑いを取ったり、優しくしたりしていても、時々どうしてもそれに疲れてしまうことってあると思います。
「お道化」とはピエロのように、人を笑わせるような身振りや言葉を言ったりすること。それに疲れ、相手に本音をぶつけて喧嘩になったのだと思います。
そして、「ただ笑っていたいだけなのにどうして?」とそのことを後悔しているように見えますね。
何かを仲間同士で試行錯誤することは苦悩を伴いますから、喧嘩が起きるのもある意味素敵なことのように思います。
間違って/間違って/間違って重ねた
あたり散らした傷を
間違って/間違って/間違って束ねて
解けなくて、かき乱した
試しては失敗を繰り返した。
苦悩して八つ当たりしては後悔する。
それすら繰り返して、もっと分からなくなった。
試行錯誤の苦しみがすごく表している歌詞だなと思いました。「間違って/間違って/」という記し方が、試しては「違う」の繰り返しで出口の見えない作業の苦しさををうまく表現しています。
八つ当たりして後悔して、それもセットで繰り返してしまっているのでしょうか。負のループが見えてきて、途方も無い気持ちが伝わってきます。
あまりにも素敵な夜だから
他に何もいらなくなって
あたりまえじゃない「今」だけは
No,No,No,Don’t need to go back
このまま、踊り果てるよ
「もう全部いらないや」って何もかも忘れられるような空間。
今この瞬間という時間は貴重なもの。
戻れなくなってもいいと思うくらい、思う存分羽根を伸ばす。
お酒をたくさん飲んで、羽目を外した後の翌日は誰もが重たい気分になると思います。二日酔いはもちろん辛いですし、後悔したり、「もうあんな風に飲まない…」なんて思ったりするのではないでしょうか。
主人公はそんなことは一切考えずに、その瞬間をとことん楽しもうとしています。当たり前じゃなく、尊い「今」という時間をしっかり生きているということでしょう。現実逃避しているようで、その瞬間も自分の糧として取り込もうとしているのです。
2番
“Time’s up”
9-5pm
ぬるま湯みたいなHigh Five
どうした?
私はまだ
こんなとこで終われない
夜の楽しい時間は夜明けと共に消える。
そこで出来た友達もその時だけのもの。
そして目が覚める。
やらなきゃいけないことをやるんだ。
「9-5pm」という夜の華やかな空間は、夜明けと共に終わりを迎えます。「楽しい時間はもう終わりだよ」と言われているような、切ない気持ちになりますよね。
お酒を飲んで、踊って、仲良くなる人もいるでしょう。昼間に出会って出来た友達とはちょっと違い、夜に出会った人は何故だか特別な感じがします。
でもそれも言ってみれば気のせいで、夜が明ければ解散して、連絡先なんて知らずに終わるってこともよくあると思います。
居心地のいいその空間は束の間で、主人公はそれを「ぬるま湯みたいなHigh Five(ハイタッチ)」と言って虚しさを感じている。「こんなとこでは終われない」という部分から、この虚しさをモチベーションに変えているという事がわかります。
間違って/間違って/間違って重ねた
あきれるぐらいの”Miss”も
間違った/間違った/間違った見方で
いつのまにか”様”になって
間違いを繰り返し、そのうちそれも”らしさ”になってかっこよくなったりする。
「あきれるぐらいの”Miss”」について、主人公はきっと失敗することもむしろ楽しんでいるようになっているのではないでしょうか。
やったことが間違いでも、それは自分の内側から出てきた素晴らしい物だと思います。それが積み重なって個性となり、「”様”」になってくる。そうやって自分らしさを受け入れることで失敗すら楽しむことができるのだと思います。
瞬きほどの命だから
怯えてるのつまんなくなって
過ち恥じる暇あるなら
No,No,No, Don’t waste your time
ありのままで足掻いて
人生は短いものだから、「今」を大切にする。
そんな大事な今を、恐れや恥じらいを感じる時間にしたくない。
躊躇ってる暇があるなら、行動して、失敗したなら素直に悔やめば良い。
怯えや恥と言ったネガティブな感情がある時は、単純につまらないと感じます。「今」を大切にしている主人公は、つまらないと感じる時間は無駄だと思っています。
その感情のせいで行動できなくなるのは勿体無いですよね。臆病になったり、間違いを恥ずかしがって、時間を無駄にするよりも、間違いを悔しんだり苛立ったり、素直にもがいていた方が良いということでしょう。
3番
We all make mistakes
Gotta admit that it aches
揚げ足取るやつewww! it makes me sick
誰もが過ちを犯す。
その後悔の痛みを受け入れるからこそ強くなる。
間違ったことばかり責めたり笑ったりする奴まじムリ。
間違わない人はいないし、失敗は成功のもと。聞き飽きるくらいみんな知っていることです。それなのに、他人の失敗をいつまでも避難したりからかったりする人っているものですよね。
主人公はそんな人に対して、「ewww! it makes me sick」と言ってとても嫌悪感を表現しています。
I’ll buy you a cup of coffee
And by the end of the day you’ll see
It’s going bye bye..
コーヒーでも飲んでゆっくりしよう。
そして1日の終わりにはそんなこと忘れてる。
どんなにやる気満々でも、誰かのくだらない批判のせいで冷めてしまうこともあります。そんな時は、「I’ll buy you a cup of coffee(コーヒー買ってあげる)からゆっくりお茶しよう」と言うように心を落ち着かせようとする主人公が見えます。
そうすれば、1日が終わる頃には忘れてしまってるさ、と言うことですね。行き止まりや煮詰まった時に、ホッと一息つけるような歌詞です。
間違って/間違って/間違って重ねた
あたり散らした傷は
間違った/間違った/間違ったところで
傷のまま変わらないけど
失敗を繰り返して増やした傷は、傷跡となって消えることはないけれど、それも「今」と言う瞬間を作っている。
傷になってしまうことを恐れたり、傷跡を恥じたりする時間はつまらない、そう言いながら次の最後のサビで締めくくっています。
試行錯誤をした上で増えていった傷は消えないけれど、それも足掻いた証になり、「素敵な夜」の一部になっていくんですね。
あまりにも素敵な夜だから
怯えてるのつまんなくなって
あたりまえじゃない今だけは
No,No,No,Don’t need to go back
このまま、踊り果てるよ
一度解釈したので割愛します
一度解釈したので割愛します
まとめ
羽目を外して遊び、帰り道や翌日の虚しさを悲観して終わるのではなく、全部の感情を受け入れ糧にしていけば良いと言うメッセージが、私には斬新でした。
そうすれば、どんなことも「今」という貴重な時間として、存分に生きることができますよね。