【YOASOBI / アイドル】の歌詞の意味を徹底解釈 |アイドル&推しの気持ちが描かれた、話題のアニメ『推しの子』主題歌を徹底解釈!
編集: ひいらぎ最終更新: 2023/4/13
推しの子ってどんなアニメ?
「推しの子」は、アイドルファンなどの間で使われる「推し」とアイドルに注目したファンタジー&サスペンスアニメです。
物語は、田舎の産婦人科医・ゴローの元にやってきた、活動休止中のアイドル・星野アイが双子を妊娠した状態で現れるところから始まります。
ゴローは妊娠出産に立ち会いますが、アイドルファンのストーカーによって命を落としてしまい、再び目が覚めた時、アイの子供・星野愛久愛海(通称:アクア)として転生してしまっていたのでした。
その後、アクアの成長と共に、アイドル界の闇や推しの気持ちなど、さまざまなテーマが描かれていきます。
現代社会を反映した展開や、芸能界のリアルな部分に切り込むサスペンス要素もあるアニメであり、TVアニメ放送開始前に全国劇場で先行上映されたことも話題になりました。
アイドルという曲名の意味を考察
「アイドル」はアニメ『推しの子』のストーリーから来ているようです。
完璧なイメージを持つアイドルと、彼女たちに対する社会からの要求について歌われており、彼女たちが自分自身や愛について素直になれないことや、彼女たちを支えるファンたちの心情なども描かれているようです。
アイドルという歌詞の意味を徹底解釈
アイドルの条件

無敵の笑顔で荒らすメディア
知りたいその秘密ミステリアス
抜けてるとこさえ彼女のエリア
完璧で嘘つきな君は
天才的なアイドル様
アイドル -YOASOBI
なんとかアイドルのヒミツをしりたいメディアに対して、笑顔で応戦するアイドルをファン目線で客観的に見ているようです。
ファンやメディアは、彼女の秘密を知りたがるが、なかなかその真相が明らかにならない。
普通の人とは違う抜けているが、それが彼女の魅力になっており、はぐらかされているのに、なんだか憎めない…とファンは思っているのでしょう。
”完璧で嘘つきな君”というフレーズは、アニメ『推しの子』のテーマでもある「この芸能界において嘘は武器だ」ということから来ているのでしょう。
そんな武器を手に入れている君は天才的なんだ、と伝えているようです。
完璧な受け答え

今日何食べた?
好きな本は?
遊びに行くならどこに行くの?
何も食べてない
それは内緒
何を聞かれても
のらりくらり
アイドル -YOASOBI
この部分は、完璧な嘘をつくアイドルとファンやメディアとのやり取りを表現しています。
たとえ日常会話的な質問であっても「何も食べてないよ」「内緒」などとのらりくらりとかわし、素の自分を絶対に出さないアイドルの様子が描かれているのでしょう。
ファンとしては知りたいと思いつつも、どこかで知りたくないとも思っており、そんなふんわりとした受け答えをするアイドルに夢中になっているのかもしれません。
言葉のマジック

そう淡々と
だけど燦々と
見えそうで見えない秘密は蜜の味
あれもないないない
これもないないない
好きなタイプは?
相手は?
さあ答えて
「誰かを好きになることなんて私分からなくてさ」
嘘か本当か知り得ない
そんな言葉にまた一人堕ちる
また好きにさせる
アイドル -YOASOBI
いろいろな質問に対して淡々と答えているけれど、どこかで笑顔を振りまいているようです。
見えそうなのに見えないもどかしさのようなものが、ファンにとってはクセになるのでしょう。
アイドルには実際は好きな人がいるかもしれないけれど、そういった質問に対しても「いない」とは答えず、「好きになることがわからない」と答える。
そんなところも夢中にさせてしまうのではないでしょうか。
好きになるという気持ちがわかっているのか、わからないのか、そんな状態のアイドルを支えたいという感情が芽生えるのかもしれません。
輝きの中のアイドル

誰もが目を奪われていく
君は完璧で究極のアイドル
金輪際現れない
一番星の生まれ変わり
その笑顔で愛してるで
誰も彼も虜にしていく
その瞳がその言葉が
嘘でもそれは完全なアイ
アイドル -YOASOBI
君は完璧で、究極の存在であり、そして、誰かがマネをしようとしても真似することができない存在だ、と伝えたいようです。
最も輝く一等星のようであり、みんなに向ける笑顔は心の底から愛を感じるものだと思っているのでしょう。
君の表情や言葉に嘘があったとしても、ファンにとっては本当の愛であり、真実を映し出す「アイ(瞳)」であると伝えたいのかもしれません。
シンデレラコンプレックス

はいはいあの子は特別です
我々はハナからおまけです
お星様の引き立て役Bです
全てがあの子のお陰なわけない
洒落臭い
妬み嫉妬なんてないわけがない
これはネタじゃない
からこそ許せない
完璧じゃない君じゃ許せない
自分を許せない
誰よりも強い君以外は認めない
アイドル -YOASOBI
今までのフレーズは、ファンやメディア目線でしたが、ここからはアイドル目線になります。
自分たちが「Bチーム」としておまけ扱いされ、主役である特別な人と比較されて落ち込んでいるのでしょう。
自分たちがあの人の引き立て役にすぎないことを自覚しつつも、それでも自分たちの存在意義を見出そうとしているようです。
自分の不完全さに対して苦しみつつも、もっと頑張ってもっと自分を磨いてアイドルを目指すんだ、という心意気が感じられます。
絶対的アイドル

誰もが信じ崇めてる
まさに最強で無敵のアイドル
弱点なんて見当たらない
一番星を宿している
弱いとこなんて見せちゃダメダメ
知りたくないとこは見せずに
唯一無二じゃなくちゃイヤイヤ
それこそ本物のアイ
アイドル -YOASOBI
アイドルは、多くの人にとって憧れの存在であり、弱点を持たないというイメージがあります。
しかし、その裏には、アイドル自身が自分の弱さを隠しているという現実もあります。
この部分ではそういったアイドルの心境が描かれており、唯一無二であるためには、自分自身を徹底的に管理することが必要だと感じているのでしょう。
ファンにとっては憧れの的となる反面、アイドル自身にとってはプレッシャーや制限が多いということを示しているのではないでしょうか。
嘘こそ愛なんだ

得意の笑顔で沸かすメディア
隠しきるこの秘密だけは
愛してるって嘘で積むキャリア
これこそ私なりの愛だ
流れる汗も綺麗なアクア
ルビーを隠したこの瞼
歌い踊り舞う私はマリア
そう嘘はとびきりの愛だ
アイドル -YOASOBI
いつもにこやかに対応することで、このヒミツだけは絶対に守り続ける、というアイドルの決意が見られます。
偽りの笑顔、偽りの「愛してる」という言葉は、一見すると悪のように感じるが、「私」にとっては正義であり、とびきりの愛だと感じているのでしょう。
ステージで踊り歌う時、汗をかいてもそれは美しいアクア(水)であり、瞳はきらめくルビーのよう。そして「私」は見事に姿を変え、マリア様のように踊り、歌うと決めたのかもしれません。
またアクアやルビーは『推しの子』に出てくる登場人物の名前でもあるので、映画を受けてのフレーズだとも考えられます。
「嘘」こそが、私の愛の形であり、私なりの最高の愛だと伝えているのではないでしょうか。
未来への約束

誰かに愛されたことも
誰かのこと愛したこともない
そんな私の嘘がいつか本当になること
信じてる
アイドル -YOASOBI
”誰かに愛されたことも誰かのこと愛したこともない”というフレーズからは、愛に満ち溢れていて愛したことも愛されたこともある主人公が、その嘘がいつか本当になることを信じている様子が描かれているようです。
愛し愛されることは心にずっと残しておきたいこと。
それなのに主人公は自分を奮い立たせるため、そういった優しい思い出は封印したいと考えたのかもしれません。
本当の気持ち

いつかきっと全部手に入れる
私はそう欲張りなアイドル
等身大でみんなのこと
ちゃんと愛したいから
今日も嘘をつくの
この言葉がいつか本当になる日を願って
それでもまだ
君と君にだけは言えずにいたけど
やっと言えた
これは絶対嘘じゃない
愛してる
アイドル -YOASOBI
”いつかきっと全部手に入れる”という歌詞からは、何事にも努力し続ければ自分の望むものや理想を手に入れることができる、という夢や希望が感じられます。
”等身大で”という言葉からは、主人公が自分自身を忠実に表現し、周囲の人々を大切に思いたいという気持ちが込められているのではないでしょうか。
最後の部分では、確かにファンに向けての愛している、という言葉は嘘かもしれない。だけれど”君と君”だけに対しては本当の言葉であり、嘘ではないと伝えているようです。
まとめ
今回はYOASOBIの「アイドル」の歌詞の意味を徹底解釈しました。
「アイドル」は、推しの目線とアイドルの目線で様々な気持ちを描いた歌詞になっています。
アイドルゆえに抱える苦悩、そして努力、思いなどが表現されているほか、推しとしてアイドルを信じたい、支えたいという気持ちが描かれており、アイドルと推しの関係性が見える歌詞だと感じました。
歌詞を聞いて、深く共感する人も多いのではないでしょうか。
これからもmusic.branchwithではYOASOBIを追って行くのでぜひチェックしてみてください!