【羊文学 / 1999】の歌詞の意味を徹底解釈 |透明感のある歌声に魅了される!クリスマスに聴きたくなる歌詞を徹底解釈!
執筆・監修: 抹茶編集: 天野結衣最終更新: 2023/12/20
1999という曲名の意味を考察
「1999」は世紀末である1999年のクリスマスを指しているようです。
昔ノストラダムスの大予言というものがあり、1999年の7の月に世界が終わるかもしれない、と言われていました。
羊文学の「1999」はそんな世紀末に迎えるクリスマスを歌っており、喜びと悲しみ、そして未知の未来に向けての不安や期待を表現するために、この曲名がつけられたのではないでしょうか。
1999という歌詞の意味を徹底解釈
なかなか眠れない
ぼくはどうしたらいい?
眠れない夜がきて
窓の外が少しオレンジに変わる
1999 -羊文学
最初のフレーズに「ぼく」とひらがなで表記されていることから、幼いころの自分に想いを馳せているようです。
”窓の外が少しオレンジに変わる”という言葉からは、時間の経過とともに訪れる変化を視覚的に表現しており、もうすぐ朝になるという時間まで眠れず過ごしていた様子がうかがえます。
不安や期待が心の中に渦巻いているのかもしれません。
時が流れる
昨日見た映画で
過ぎていった時代は
僕のママやパパが子供の頃
1999 -羊文学
最初のフレーズでは「ぼく」とひらがな表記でしたが、ここでは「僕」にかわっています。
主人公は映画を通して過去の時間を振り返っているのでしょう。映画を見ていて、この時代は今とは違うし、両親が子供の頃の話なんだな、と思ったようです。
家族や自分の思い出を振り返り、時の流れを感じているのかもしれません。
予測不可能なできごと
それは世紀末のクリスマスイブ
誰もが愛したこの街は
知らない神様が変えてしまう
っていう話
1999 -羊文学
ここではどんな映画を見たのかが記されています。
主人公が見た映画は世紀末=1999年のクリスマスイブに何かが起こる、といった内容だったのでしょう。
”知らない神様が変えてしまう”という言葉は、人生や運命は予測不能であり、制御できない力ということを意味しているようでもあり、宗教的というよりもむしろ未知の存在としてとらえているようです。
映画を通して運命というものを深く考え、クリスマスイブのような美しい瞬間はいつでも訪れるとは限らないと思ったのではないでしょうか。
どうしたらいいのかな?
ぼくはどうしたらいい?
眠れない夜が増え
テディベアとお話できそうだよ
1999 -羊文学
再び”ぼくはどうしたらいい?”と問いかけています。これは幼いころに感じた混乱や迷いを反映しているのでしょう。
いろいろなことを考えて眠れない日々が続いたことが伺えます。
主人公は眠れない時はテディベアと話をしていたと記しており、テディベアは通常、安らぎや幼少期の無邪気さを象徴する存在です。
テディベアは幼き頃の主人公にとって心の支えだったのではないでしょうか。
もしかすると今でも心の支えとなっているのかもしれません。
新しい年が始まる
街は光が溢れ
子供達のあしおと
カウントダウンがはじまった ほら
1999 -羊文学
”街は光が溢れ”という表現は、クリスマスのイルミネーション、そして生き生きとした人々を指しているのでしょう。
”子供達のあしおと”という言葉からは、無邪気さそして活気に満ちた様子が連想されます。
カウントダウンは新しい年や新しいステージへの準備が整ったことを象徴していることから、期待感や未来へのワクワクした気持ちを主人公はもっているのでしょう。
新しい年は喜びと希望に満ちているのだから、その瞬間を子供達と一緒に共有したいと思ったのかもしれません。
なぜなんだろう
それは世紀末のクリスマスイブ
僕が愛していたあのひとを
知らない神様が変えてしまった
1999 -羊文学
ここでの”世紀末のクリスマスイブ”は楽しい雰囲気ではなく、刹那的な雰囲気を表現しているようです。
主人公は大切な人とクリスマスイブを過ごそうとしていたのかもしれません。ですが愛していた人は時の流れと共に変わってしまったようです。
なぜ愛する人が変わってしまったのか、何が原因で変わったのかわからないため、”知らない神様”が変えたと表現したのではないでしょうか。
新たな始まりへ
それは世紀末のクリスマスイブ
誰もが愛したこの街は
知らない神様が変えてしまう
っていう話
それは世紀末のクリスマスイブ
僕が愛していたあのひとを
知らない神様が変えてしまった どうしてよ
夜が明ける頃 迎えにゆくよ
1999 -羊文学
クリスマスイブは喜びや愛に満ちた日として表現されますが、世紀末という言葉が付くことにより、より一層特別な日としてとらえることができそうです。
主人公は愛していた人と別れる寸前なのでしょう。
どうして変わってしまったのだろう…と想い悩んでいる様子がうかがえます。
ですが最後”夜が明ける頃 迎えにゆくよ”という言葉で結ばれていることから、未来への期待と新たな始まりへの希望が示されており、もう一度愛する人とやり直したいと考えているようです。
思い悩んだクリスマスイブですが、自分の心に正直になって新たな一歩を踏み出したいと考えているのではないでしょうか。
まとめ
今回は羊文学の「1999」の歌詞の意味を徹底解釈しました。
「1999」は世紀末のクリスマスイブについて描かれており、世紀末とは時間だけではなく主人公の心を象徴しているようでもありました。
主人公は美しさと不確かさが交錯する瞬間をとらえ、予測不可能な力が人生に大きな影響を与えるかもしれない、と考えたのでしょう。
幼いころに眠れなかったように大人になってもいろいろと考えて眠れなくなり朝を迎えそうになってしまいますが、それでも朝が来たら一歩踏み出したいと考えたようです。
歌詞は楽しく美しい瞬間や新しい始まりへの期待、何かを変えたいと思っている姿が描かれていると感じました。
歌詞を聞いて、深く共感する人も多いのではないでしょうか。
これからもmusic.branchwithでは羊文学を追って行くのでぜひチェックしてみてください!