【Ado / ドメスティックでバイオレンス】の歌詞の意味を徹底解釈 |自由になりたいと願う主人公の気持ちが綴られた歌詞を紐解く!
執筆・監修: 天野結衣編集: 天野結衣最終更新: 2023/4/20
ドメスティックでバイオレンスという曲名の意味を考察
曲名の「ドメスティックでバイオレンス」とは、"ドメスティック(家庭内)"という言葉と”バイオレンス(暴力)”という言葉があることから、暴力的な家庭内関係=DVを表現していると考えられます。
また歌詞には、自分の特権で相手を支配するような表現が多く、家庭内のパワーバランスを意識してつけられているのではないでしょうか。
ドメスティックでバイオレンスという歌詞の意味を徹底解釈
甘美なる破滅の果てに
ドメスティックでバイオレンス
ラルラリラ 甘くてってとろける
不思議なメロディ
試された 別にだっだ誰でも
構わないのに
愉快なほどにダレて
あなた私は馬鹿らしい
ドメスティックでバイオレンス -Ado
”甘くてってとろける”は、何かを食べたときに、甘いものが溶けるような感覚を表現する時に使用しますが、ここでは夫婦もしくは恋人の関係性を表現しているようです。
一見すると甘いような二人であっても実際には違う、と示しており、相手にとって自分じゃなくてもいいんだろうな、と主人公は感じているのでしょう。
愛し愛されているから甘いのではなく、ただ欲望を満たすだけの存在じゃないのか、と気付いたのかもしれません。
自分で自分に対して馬鹿らしく感じているようであり、自虐的にもなっているようです。
甘美なバトルロイヤル
冷めたナイフでざくざくと 刻む手先は愉快で
甘めの蜜だけを奪い去っていくわ
甘いケーキとポップソングで
刻むリズムでダッダラッダ
いつだって私の特権よ
ドメスティックでバイオレンス -Ado
このフレーズではケーキを切る時、うれしいという感情はなく、ただナイフで切っている様子が思い浮かびます。
ケーキはおそらく相手の目の届かないところにあるのでしょう。
相手に見えないところで、ただざくざくとナイフを入れており、次第にハッと気が付いたのではないでしょうか。
どうして自分は弱気になっているんだろうかと思い、ケーキをザクザクと切る意味、わかってないんだろうな、と思っているようです。
本音を言いたい
ドメスティックでバイオレンス
きっかけとかあれとかふんぞり返って
ドラマチックなバイオレンス
いつだって頭ごなし許さないって
諸行無常 自業自得 からの
愛されたいとかないって
だからさ 崩れて弾けろ
ドメスティックでバイオレンス -Ado
”きっかけとかあれとかふんぞり返って”とは、些細なことで怒り出したり、ケンカをしたりすることを表しているようです。
”ドラマチックなバイオレンス”とは、相手が理不尽なことでいきなり怒り出し、頭ごなしになんでも許さないと感情的になっている様子をさしているのでしょう。
”諸行無常 自業自得” は人生は短く、自分がしたことは必ず自分に返ってくるということを意味しているようであり、相手に対して心の中でそう思っていても、愛されたいと思う自分もいるようです。
こんな人、もうどこかへ行っちゃえばいいのに、と主人公は思っているのではないのでしょうか。
自分らしくいてもいいよね?
争いとか語ったって
冷めたキスはからっぽで
枯れた花飾ったって
これ以上必死でどうかどうか
生きている生きていく
手を取ってありのままでいたい!
ドメスティックでバイオレンス -Ado
この歌詞は愛が冷めてしまっていて、枯れた花を飾っているような気分になっていることを表現しているようです。
枯れた花は主人公自身をさしているのかもしれません。
枯れた花に水をあげても元には戻らない、しかし、もう一度自分の気持ちを取り戻し、自分らしくいたい、と感じているのではないでしょうか。
私だけの権利
出されたケーキはそんな甘くはなかった
優れた蜜だけを奪い去ってくわ
ひとつ残らずかっさらっていた
既に手玉でダッダラッダ
いつだって私の特権よ
ドメスティックでバイオレンス -Ado
”優れた蜜だけを奪い去ってくわ”という歌詞は、強くなりたいという欲求や、相手より優位に立ちたいという気持ちが表現されているのかもしれません。
自分の欲求を満たすために、自分に取り込んでしまうということを暗示しているのではないでしょうか。
自分の欲求のために、取り込むものを選ばず、全てを手に入れようとする欲望や執着心が感じられます。
自分が常にモノを支配し、力関係の上で優位に立ちたいという気持ちを表しており、そのためならなんだってする、と思っているのかもしれません。
破壊的な愛
ドメスティックでバイオレンス
きっかけとかあれとかふんぞり返って
くだらねーことばっかで
いつだって繰り返しの許さないって
諸行無常 右脳左脳 君が
愛されたいとかないって
だからさ 崩れて弾けろ
ドメスティックでバイオレンス -Ado
歌詞では、ささいなことで怒りや不満が募り、それが繰り返されることで大きくなっていく様子が描かれているようです。
相手は自分の感情の赴くままに主人公を傷つけており、傷つけた後は愛されたかった、と言うのではないでしょうか。
さんざんに傷つけておいて、自分だけ愛されたいなんて、冗談じゃないと思っているのでしょう。
心の底から崩れて弾けろ、と思っているようです。
後悔と焦燥の欲望
辞め時を過ぎた後悔も
遅すぎた響く焦燥も
欲しいの
ドメスティックでバイオレンス -Ado
フレーズに出てくる“焦燥”は「あせること」「イライラすること」などの意味があります。
ここでは相手に対して伝えているようでもあり、主人公に対してひどい態度をしすぎたこと、そしてその行為に対して焦る気持ちも全部ほしいと言っているのではないでしょうか。
相手が後悔し、焦っている様子を見てみたいと思っているようです。
まとめ
今回はAdoの「ドメスティックでバイオレンス」の歌詞の意味を徹底解釈しました。
「ドメスティックでバイオレンス」は、暴力と愛という相反する要素を描いているようです。
歌詞の中で、主人公はドメスティックな暴力を振るわれていることを示唆しており、本当の気持ちを心に秘めたまま日々を過ごしているのでしょう。
DVを受けた主人公の気持ちの揺れが見え隠れしていました。
歌詞を聞いて、深く共感する人も多いのではないでしょうか。
これからもmusic.branchwithではAdoを追って行くのでぜひチェックしてみてください!