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【米津玄師/Moonlight】の歌詞の意味を徹底解釈 | 曲名の意味って何?神秘的なメロディーの意味を探る!

編集: ひいらぎ 最終更新:
目次

Moonlightという曲名の意味を考察


月光からは様々なイメージが連想されます。静けさ、美しさ、優しさ、気品、神秘性、または冷たさ、陰り、狂気など、場面によって印象が大きく変わります。その正体が掴めない謎めいた部分に魅力があるようにも感じられます。

曲中では主人公が一人きりで月光を受けています。孤独を照らす月光は、寂しさを癒しているようでもあり、反面、目を向けるべき現実に影を落として思考の世界に誘おうとしているようでもあります。

孤独から立ち直るためのエネルギーを与えてくれる光と言うより、苦悩を包むための光だと感じられます。月光の作る薄明りは大勢で分け合うには弱すぎるので、独りでいるためにはちょうどいい居場所になります。

その代り、一度居心地の良さに浸ってしまうと、日光の下で味わう苦痛は強さを増すはずです。


Moonlightの歌詞の意味を徹底解釈

1番

あなたこそが地獄の始まりだと
思わなければ説明がつかない
心根だけじゃ上手く鍵が刺さらない
愛し合いたい 意味になりたい
米津玄師 -Moonlight

解釈あなたのせいでこの苦しみが始まった。
そう思わないと説明がつかない。
気持ちだけじゃ一つにはなれない。
愛し合える、あなたにとって意味のある相手になりたい。

「あなた」のせいで「地獄」の苦しみが「始ま」ったと言うことは、「あなた」との関係をきっかけに主人公の日常に大きな変化が訪れたと言うことでしょう。

「愛し合いたい」「意味になりたい」と言っていることから、主人公は「あなた」と精神的な一体感を抱ける関係に至りたいと望んでいるようですが、「上手く鍵が刺さらない」との表現からは、核心的な部分で反りが合わないことがわかります。


どこへ行ってもアウトサイダー 夜通し読んだハンターハンター
本物なんて一つもない でも心地いい
文化祭の支度みたいに ダイナマイトを作ってみようぜ
本物なんて一つもない
米津玄師 -Moonlight

解釈どこへ行っても仲間意識を抱けない。夜通し漫画を読んだ。
本物なんて一つもないのに心地がいい。
文化祭みたいなノリでダイナマイトを作ってみよう。
本物なんて一つもない。

どうやら主人公は「あなた」に限らず、誰と一緒にいても疎外感を覚えてしまうようです。

人気漫画を「夜通し読ん」で気を紛らわした経験が描かれています。現実の人間関係において「本物」の繋がりを感じられず、作り話の世界に逃げ込んだのかもしれませんが、結局虚構であることを忘れられずにいます。

それでも陰気に沈み込んでいるわけではありません。主人公は「本物なんて一つもない」にも関わらず、そこに「心地いい」感覚を得ています。

「ダイナマイト」は簡単に手作りできる代物ではありませんし、下手をすれば全てを破壊しかねない危険物ですが、それを「文化祭の支度みたいに」軽々しく「作ってみようぜ」と言っているところから、主人公がどこか地に足着かない現実観を持っていることが伺えます。

もしかすると、その浮遊感や冗談半分の破壊願望が「心地いい」感覚の要因なのかもしれません。

 

ムーンライト 爪が伸び放題 使う予定もない
差し出されたレーズンパイ
オールライト 「自分の思うように あるがままでいなさい」
ありがとう でもお腹いっぱい
米津玄師 -Moonlight

解釈月光が差している。伸び放題の爪には用途がない。
差し出されたレーズンパイ。
「自分の思うように、あるがままでいなさい」わかったよ。
ありがとう。でもお腹がいっぱいだ。

「伸び放題」の「爪」を主人公は気にしていますが、きちんと処理するのは面倒くさがっている様子です。ちょっとした身繕いすら厭うのは、気力がないからでしょうか。

また、誰かが「差し出」してくれた「レーズンパイ」と助言の言葉とを、感謝はしつつも満腹を理由に断っています。

無気力と食欲不振からは主人公の憂鬱が感じ取れます。「あるがままでいなさい」と誰かが肯定してくれても、それを主人公自身が聞き流してしまったら、いつまで経っても自分を認めてあげることはできないでしょう。

月光が照らす夜の情景は、主人公を癒そうとしているようにも、孤独に追い込もうとしているようにも思えます。

 

イメージしよう 心から幸せなあの未来
イメージしよう イメージ
教えてよ そこまで来たら迎えに行くから
教えてよ
米津玄師 -Moonlight

解釈心から幸せを感じられる未来をイメージしよう。
何度も強くイメージしよう。
近付いたなら迎えに行くから、教えてよ。
教えてよ。

主人公は「心から幸せなあの未来」を「イメージ」することで、少しでも現実に近付けようとしているようです。しかし「そこまで来たら迎えに行くから」と、まずは「未来」の方から近寄ってきてくれることを期待したり、「教えて」と頼んだり、どこか自主性に欠けています。

本当は「イメージ」が実現することを望んでいないのかもしれませんし、思い描いた夢でさえ「本物」ではないのだと諦めているのかもしれません。


2番

わたしこそが地獄を望んだんだと
認めなければそろそろいけない
自分の頭今すぐ引っこ抜いて
それであなたとバスケがしたい
米津玄師 -Moonlight

解釈わたしこそがこの苦しみの原因だと
そろそろ認めなければならない。
自分の頭を今すぐ引っこ抜いて
あなたとバスケして遊びたい。

「地獄」の真の原因が自分にあったことを主人公が受け入れようとしています。「そろそろ」と言っているので、本当は前々から理解していたのでしょう。しかし、自らの深層心理が自身の苦痛を生み出していると言う事実は、なかなか受け入れがたいものです。

理解を司る器官であり情動を処理する場所でもある「頭」を「今すぐ引っこ抜」き「それであなたとバスケがしたい」つまり、自分の「頭」を投げたり床に叩きつけたりと乱暴に扱いながら、空っぽの状態で「あなた」と遊びたいと言う非現実的な願望からは、主人公の強い自己否定が感じられます。 

どこへ行ってもアウトサイダー 継接ぎだらけのハングライダー
本物なんて一つもない でも心地いい
ビニールハウスで育ったアベリア 偽物なんだってだからどうした?
本物なんて一つもない
米津玄師 -Moonlight

解釈どこへ行っても仲間意識を抱けない。継接ぎだらけのハングライダー。
本物なんて一つもないのに心地が良い。
ビニールハウスで育ったアベリアは偽物だと言う。だからどうした?
本物なんて一つもない。

「ハングライダー」は人間にとって翼の代替品と言えるでしょう。それを「継接ぎだらけ」になるまで酷使したと言うことは、主人公は何度も飛ぼうとして落下することを繰り返したのかもしれません。

「アベリア」は「優美」「強運」「謙譲」などの花言葉を持っています。「ビニールハウス」で人工的に栽培されると、それらの美徳ごと「偽物」になってしまうようですが、「本物なんて一つもない」ことを既に知っている主人公にとっては大した問題ではありません。


ムーンライト 幽かに明るい部屋 なだらかなノイズ
効き目薄いボルタレン
オールライト テーブルの向こうに 裏返しのアイフォン
今回は誰のスパイ?
米津玄師 -Moonlight

解釈月光が差して幽かに明るい部屋。なだらかなノイズが聞こえる。
関節痛は治まらない。
大丈夫だ。テーブルの向こうに裏返しにしたアイフォン。
今度は誰が何の用?

月光の照らす「部屋」で主人公は独り休んでいます。

薄明りと無意味な雑音、薬を使っても引いてくれない痛みは、普通なら気が滅入りそうな要素ですが、主人公は「オールライト」と受け取っています。

むしろ、わざわざ「テーブルの向こう」に追いやった「裏返しのアイフォン」が気にかかっている様子です。「裏返し」でも着信は光や音、振動でわかるのでしょう、誰かからの連絡に「スパイ」に狙われているような危機感を覚えています。 


イメージしよう プールの底で眺める水面
イメージしよう イメージ
教えてよ 何もかも終わらせる言葉を
教えてよ
米津玄師 -Moonlight

解釈プールの底から見上げる水面をイメージしよう。
何度も強くイメージしよう。
何もかも終わらせる言葉を教えてほしい。
教えてよ。

「プールの底で眺める水面」を「イメージ」すると気持ちが落ち着きます。しかし、「ビニールハウスで育ったアベリア」が「偽物」になってしまうなら、「プール」に沈んだ景色もまた人工的に作られた「偽物」と捉えることができてしまいます。

「何もかも終わらせる」ことができる都合のいい呪文など実在しませんが、主人公はそれを望んでいます。自ら探すのではなく「教えて」と人任せにしているところからは、諦念や無気力が感じられます。

 

鳴り止まないカーテンコール そこにあなたはいない
鳴り止まないカーテンコール そこにわたしはいない
米津玄師 -Moonlight

解釈盛大なカーテンコールの響く舞台にあなたはいない。
盛大なカーテンコールの響く舞台にわたしはいない。

「カーテンコール」はショーが成功のうちに終わったことを意味しています。観客の盛大な拍手が響く舞台には、「あなた」も「わたし」も存在しません。彼らの人生はまだ終わっていませんし、何より成功していません。

たとえ終わりが来たとしても、主人公は自分の人生に「カーテンコール」を望むことなどできないでしょう。「わたし」を照らすのはスポットライトではなく、静かな月光なのですから。