『シン・エヴァンゲリオン劇場版』はどんな映画なのか

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は日本だけでなく世界でも有名であり、社会現象にもなった『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズの最新作です。

映画は前作である『ヱヴァンゲリヲン新劇場版：序』の結末から14年後の世界が舞台となっており、主人公の碇シンジが再びエヴァンゲリオンに搭乗するようになります。

ビジュアルポスターには「さらば、すべてのエヴァンゲリオン。」と記されていますが、これはどういった意味なのか、結末はどうなるのか全世界で注目されました。

One Last Kissという曲名の意味を考察

「One Last Kiss」は日本語に直訳すると「最後のキス」という意味です。この曲では、切ない思い出や別れに対する想いを歌っており、「忘れられない人」との別れを切なく思っているようです。喪失感とともにあらゆることを受け入れ、そのことを胸に歩んでいく意味が込められていると感じます。

「One Last Kiss」は宇多田ヒカルさんが『シンエヴァ』の台本を見て、最後のシーンを思い浮かべながら曲を作ったそうですよ！それゆえにアニメの登場人物のことを歌っているのではないか、と考えられています。大変リズムが良い曲であり、映画を見た人もそうでない人も心に刻まれる歌詞になっていますよ。

結衣

One Last Kissという歌詞の意味を徹底解釈

1番

出会って予感した

初めてのルーブルは
なんてことはなかったわ
私だけのモナリザ
もうとっくに出会ってたから
初めてあなたを見た
あの日動き出した歯車
止められない喪失の予感

One Last Kiss -宇多田ヒカル

ルーブル美術館はパリにあるフランスの国立美術館です。

ルーブルにはとても有名な絵画、モナ・リザが展示されており、モナ・リザの正体はいったい誰なのか、という議論が長い間されていましたよね。

このフレーズではそんな有名なモナリザを見たけれど、特になにも感じなかったと言っており、その理由が「自分だけのモナリザ」にすでに会っている、としています。

さらに、出会って恋をして、人生が大きく変わり始め心の歯車が動き出した、と伝えているようです。

恋をしたらうれしく楽しい感情があるはずなのに、その感情以上に失うことを予感している部分が、喪失感を強調しているように感じます。

忘れたくない特別な記憶

もういっぱいあるけど
もう一つ増やしましょう
(Can you give me one last kiss？)
忘れたくないこと

One Last Kiss -宇多田ヒカル

この部分では主人公が大切な人に「もう一つ特別な思い出を作ろう」と提案しているようです。

"Can you give me one last kiss?"は「最後に一度キスをしてくれる？」という意味。

思い出はたくさんたくさんあるけれど、特別な思い出が欲しい、その思い出は絶対に忘れたくない、と伝えたいのかもしれませんね。

最後にもう一度…というフレーズはなんだか切なく感じますね。

永遠に変わらない愛

Oh oh oh oh oh…
忘れたくないこと
Oh oh oh oh oh…
I love you more than you'll ever know

One Last Kiss -宇多田ヒカル

この部分は歌詞が繰り返されています。

Oh oh oh…と鼓動のようなリズムが刻まれており、なぜだかとても爽やかな気持ちになります。

主人公は大切な人や大切な人との出来事を思い出しているようであり、大切な人に対して深い愛情を抱いているのがうかがえます。

最後に出てくる"I love you more than you'll ever know"は、直訳すると「あなたが思っている以上に私は愛しているの」という意味になります。

言葉にできないほど深い愛を感じているのかもしれませんね。

2番

冷静に考えてしまう

「写真は苦手なんだ」
でもそんなものはいらないわ
あなたが焼きついたまま
私の心のプロジェクター
寂しくないふりしてた
まあ、そんなのお互い様か
誰かを求めることは
即ち傷つくことだった

One Last Kiss -宇多田ヒカル

２番の歌詞は主人公と大切な人との関係性が描かれているようです。

主人公は大切な人の写真もなく、寂しい時には自分の中の「大切な人」を追い求めていたようですね。

心の中では鮮明に大切な人の姿がよみがえっていたのかもしれません。

恋をすると大切な人の「何か」が欲しくなり、それを心の支えにすることがあります。

主人公の場合心の支えがなく、寂しいと思いつつも寂しいと言えない様子。

ですがそんな感情もお互い様であり、たとえ小さな願望であっても傷つき傷つけてしまうのかも、と伝えているようです。

少し自虐的な感じも受けますね。

忘れられない想いを残したい

Oh, can you give me one last kiss？
燃えるようなキスをしよう
忘れたくても
忘れられないほど

One Last Kiss -宇多田ヒカル

この部分では、曲名でもある"one last kiss"というフレーズが再び出てきており、大切な人との最後の別れを連想させます。

燃えるようなキスは情熱的な表現なのですが、"one last kiss"という言葉があるだけで、大切な人との最後の思い出としてお願いをしているようであり、切なさが感じられます。

忘れたくても忘れられないほど、という部分は別れを覚悟しているようでもありますよね。

この想いがあなたへ届くまで

Oh oh oh oh oh…
I love you more than you'll ever know
Oh oh oh oh oh…
I love you more than you'll ever know

One Last Kiss -宇多田ヒカル

このフレーズもまた、”I love you more than you'll ever know”が繰り返されています。

さらに"Oh oh oh oh oh"というフレーズは、感情的な強調を表しているようです。

大切な人に対して深い愛情を感じますよね。

何があっても忘れられない

もう分かっているよ
この世の終わりでも
年をとっても
忘れられない人

One Last Kiss -宇多田ヒカル

このフレーズは、自分の気持ちを自覚した部分のようです。

どんなに歳をとっても、どんなに時間が経っても、心の中でずっと大切な存在として残り続けるのでしょう。

大切な人を思う気持ちが正直に表現されている気がします。

年をとっても、という部分よりも先に、「この世の終わりでも」と出てくるところが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の世界観を受けているようにも思います。

遠く離れても愛は果てしない

Oh oh oh oh oh…
忘れられない人
Oh oh oh oh oh…
I love you more than you'll ever know
Oh oh oh oh oh…
忘れられない人
Oh oh oh oh oh…
I love you more than you'll ever know

One Last Kiss -宇多田ヒカル

1番のフレーズでは、「忘れないこと」となっていましたが、ここでは「人」に変わっています。

1番では恋をする自分を主とし、思い出をたくさん残したいという気持ちが現れているようであり、2番になり思い出ではなく大切な人を心に残しておきたい、という気持ちになったようです。

歌を聞くと「忘れられない人」が何度もリフレインされているので、主人公にとって特別な人なのでしょう。

たとえ別れが来たとしてもそれを悲観的に思うのではなく、悲しみもすべて受け入れ、大切な人を愛していこう思いが伝わってくる部分です。

陽の光が導く時

吹いていった風の後を
追いかけた　眩しい午後

One Last Kiss -宇多田ヒカル

最後のフレーズは2行のみなのですが、曲全体の意味を象徴的に表しているように思います。

曲自体も今までのようなテンポのあるものではなく、まるで風が吹き抜けるように歌われており、情景が思い起こされます。

過去に大切な出来事や人を失った後でも、それらの思い出を忘れずに大切にしていきたいという気持ちが現れているのかもしれません。

まとめ

今回は宇多田ヒカルの「One Last Kiss」の歌詞の意味を徹底解釈しました。

「One Last Kiss」は、過去に愛した人や思い出についての切ない思いを歌った曲のようです。大切な人との別れや喪失感が表現されており、過去の出来事を振り返りつつ、思いや、忘れられない人との絆を訴えかけているようです。またたくさんの思い出を胸に抱きながら、それがたとえ悲しく辛いものであっても受け入れ、新しい未来に向かって少しずつ進んでいこうというメッセージも含まれているように感じます。

歌詞を聞いて、深く共感する人も多いのではないでしょうか。

これからもmusic.branchwithでは宇多田ヒカル を追って行くのでぜひチェックしてみてください！