【珀 / 糠星の備忘録】の歌詞の意味を徹底解釈 |孤独の中に一筋の光が見えた、と思えるテレビ東京系ドラマ『さらば、佳き日』主題歌を紐解く!
執筆・監修: 抹茶編集: 天野結衣最終更新: 2023/7/5
さらば、佳き日ってどんなドラマ?
テレビ東京系ドラマ『さらば、佳き日』は、ある地方に”新婚夫婦”として引っ越してきた男女の物語です。
保育園の先生である晃と絵本の出版社で働く桂一は、とても仲睦まじく穏やかに生活をしている新婚夫婦。
ですが2人には誰にも言えない大きな「秘密」がありました。
なんと2人は兄妹だったのです。
ドラマではなぜ2人が兄弟だと隠して一緒に生活をすることになったのかが描かれており、2人を取り巻く様々な人たちの関係も描かれています。
2人の先にある未来とはー。
兄妹が出した答えとはー。
禁断の愛、という言葉だけでは語れない2人の物語が始まります。
糠星の備忘録という曲名の意味を考察
「糠星の備忘録」という曲名に使用されている”糠星”は、夜空に散らばって見える無数の星をさしています。
糠星は小さな存在でありながら内に輝きを秘めており、そのような意味合いでこの曲名がつけられたのではないでしょうか。
糠星の備忘録という歌詞の意味を徹底解釈
なんにも期待しない
何もかもが僕を 睨んでくる目に感じるから
俯いては昏い夜を歩く
何もかもが僕を 蔑む声に聞こえるから
期待忘れ無気力に息する
糠星の備忘録 -珀
この部分の歌詞は、主人公が周囲からの視線や声から感じたことを綴っており、周囲からは嫌われていると感じているようです。
主人公にとって周囲の人々が睨んでいるかのように感じており、そのために自信を失ってしまい、身を引いてしまっているのでしょう。
いつの間にか無気力な状態になってしまい、意欲や希望が失われてしまったようです。
たった一つのできごと
いつからか止まってしまった世界を
灰がかった色の無い世界を
たった一つのくだらない仮説が
一瞬で動かしたんだ
糠星の備忘録 -珀
無気力になった主人公は、世界が止まったように感じているようです。
ですが、”たった一つのくだらない仮説が 一瞬で動かしたんだ”というフレーズからは、色味がなにもない灰色の暗い世界の中を過ごしていたが、ほんの些細なことが一瞬のうちに世界を変えてしまったと感じたことが伺えます。
自分の考えを変えるほどの出会いがあったのでしょう。
主人公の視点や心の持ち方の変化を引き起こし、新たな展望や可能性をもたらしたのかもしれません。
なんて名付けたらいいのだろう
出会ってしまったこの感覚に
相応しい名を見つけられないままで
ずっと惚けていたよ
肝心な時ほど 浮かぶ言葉は
「美しいね」なんて単純で人並みなものだ
糠星の備忘録 -珀
主人公が特別な感情や経験に出会ったものの、それにふさわしい言葉や表現を見つけられずに戸惑っていることを伝えているようです。
主人公は自分を変えるほどの感覚や感情を得たのでしょう。
それをどう表現したらよいのかわからず、出てきた言葉は「美しい」という単純でありふれたものだったようです。
主人公の中ではそのような感情は「美しい」という言葉ではは十分ではなく、もっとふさわしい言葉があるのではないか、と疑問を持っているのでしょう。
単純な表現ではその深さや美しさを捉えきれないと感じているのかもしれません。
自分の心に問いかけたい
指で宙に線を引いて 綴っていこう
まだ誰一人と知らない話を
丸く満ちていたあの明星は
涙に滲んで おぼろげだった
踏み誤って 辿り着いた結果が
「無意味じゃ無かった」と
諭してくれるような気がするから
この心が赴くまま...
糠星の備忘録 -珀
この部分の歌詞は、主人公が宙に線を引き、未だ誰も知らない物語を紡いでいこうとする姿勢や、過去の経験から学んだ価値を感じながら、自分の心に従って進んでいく様子を表現しているようです。
主人公は過去に感じていた感情は無駄になっていなかったと感じ、過去の経験から得たことは自分にとって意味のあるものであり、進むべき道を示してくれるような気がしたのでしょう。
泣いていた過去も決して無駄ではなく、この感情があれば進んでいける、と思ったのかもしれません。
今まで知らなかった
出会ってしまってから
見飽きた景色が一変して
あの宇宙と調和して見えた
糠星の備忘録 -珀
主人公は特定の出会いや経験を通じて、自分の周囲の景色や世界の見方が変わり、それが宇宙との調和しているように感じたのでしょう。
”出会ってしまってから 見飽きた景色が一変して”という部分では、主人公が何かしらの出会いや経験を経て、日常的に見慣れていた景色や状況が一変したことを表現しているようです。
主人公の内面の変化や成長が外部の環境にも影響を与え、新たな視点や美しさを見出すことができるようになったのかもしれません。
自分が感じるままに
出会ってしまったこの感覚に
相応しい名を見つけられないままで
ずっと惚けていたよ
気の利いた言葉は 出てきやしないけど
僕にとって そんなものは
どうだってよかったんだ
糠星の備忘録 -珀
今まで出会ったことのなかった感情を”美しい”と表現するしかなく、適切に言葉にすることができずにいたのですが、気の利いた言葉を選んだり表現したりすることにこだわらなくてもいいのでは、と思ったようです。
それだけ主人公は未知なる感覚や感情を深く受け入れようとしたのでしょう。
言葉や表現の優劣よりも、感覚や経験の真実さを大切に考えたようです。
自分が感じるままにその感覚や経験を受け入れていこうと考えているのではないでしょうか。
新たな世界
指で宙に線を引いて 綴ってゆこう
まだ誰一人と知らない話を
迂闊に憧れ 心惹かれた僕らが
確かに ここにいたこと
糠星の備忘録 -珀
主人公は自分自身の力で新しい道を切り開き、まだ探求されていない世界に飛び込もうとしているのでしょう。
”迂闊に憧れ 心惹かれた僕らが 確かに ここにいたこと”というフレーズでは、憧れや情熱を持ちながらも、自らの存在と創造力を確かめるために行動し、新しい世界を築き上げたいという願いが感じられます。
他の人は経験していないことを大切な人と経験していこうとしているのかもしれません。
まとめ
今回は珀の「糠星の備忘録」の歌詞の意味を徹底解釈しました。
「糠星の備忘録」は周囲からの視線や批判的な声によって自己を否定され、期待を失い、無気力な状態に陥っていた主人公が、一つの出来事によって変化をもたらした様子が綴られているようです。
主人公はその出会いや感情によって周囲の景色が一変し、宇宙と調和しているようだと感じたのでしょう。
内に秘めた思いをどう表現していいのかわからないけれど、とにかく自分を変えたほどの強力なものであったようです。
周囲の評価や言葉に縛られることなく、自分の心の中にある想いと出会いを信じ、新たな世界を切り拓くことの大切さが綴られていたのではないでしょうか。
歌詞を聞いて、深く共感する人も多いのではないでしょうか。
これからもmusic.branchwithでは珀を追って行くのでぜひチェックしてみてください!