【キタニタツヤ / ラブソング feat. Eve】の歌詞の意味を徹底解釈 |愛する人の中に自分の価値を見出そうとする様子が描かれた歌詞を徹底解釈!
執筆・監修: 天野結衣編集: 天野結衣最終更新: 2023/6/28
ラブソング feat. Eveという曲名の意味を考察
「ラブソング feat. Eve」の歌詞には、主人公の「きみ」に対する恋心が綴られています。
お互いの傷や苦しみを理解し、共有することが愛であると主人公が認識している様子がうかがえ、痛みを共有することで「愛」を感じているのかもしれません。
一般的な価値観から外れた愛ではあるが、それでもこれが自分たちの「愛」なんだ、という意味からこの曲名がつけられたのではないでしょうか。
ラブソング feat. Eveという歌詞の意味を徹底解釈
こんな愛の形
正しく汚し合っていた僕ら
互いの悲しみに夢中さ
痛くて舐め合った喪失感
散文的な快楽でもいい
ラブソング feat. Eve -キタニタツヤ
"正しく汚し合っていた僕ら"というフレーズは、主人公たちが自分たちの関係を正当化しながらも、互いに傷つけ合っていることを表現しています。
主人公たちの愛は一般的な愛とは異なり、お互いに傷つき合うことでしか愛し合えないのだ、ということなのかもしれません。
ですが決して悲観的ではなく、痛みを共有することで幸せを感じているようでもあり、喪失感をお互いに補うことで安堵感を得ているようでもあります。
ずっとそばにいてほしい
生きているのがどうしようもなく恥ずかしい
気のせいだと思いたくて、思えなくて
眠ることすらきみなしじゃ儘ならない
陶器のようで柔いその頬に傷をつけたい
僕らみたいなクズにはそれしかできない
ラブソング feat. Eve -キタニタツヤ
この部分では主人公の生きづらさが描かれているようです。
主人公は自分が生きていることに疑問や居場所のなさを感じており、それが辛く苦しいのでしょう。
人々の目が気になり、気のせいだと思ってもそう思えず、さらに眠ることもできないようです。
そんな自分を唯一受け入れてくれるのは愛する人であり、愛する人がいなければ何もかもが虚しくなり、充実感や安心感を得ることができない様子がうかがえます。
一方で大切な人でありながら、その人を傷つけたいという衝動も抱えていますが、それは相手の傷を見ることで自身の存在や愛を実感し、その痛みを通じて繋がりを感じているのかもしれません。
きみの存在
愛だ恋だと腑抜けた歌うたって
きみという毒でキマっていたいね
悲しいことばかり考えはじめて終わんないループ
ずっと待っていたこのトキシックな逢瀬
きみは有毒で最悪で最愛の、優しい地獄
まだ抜けない離脱症状
ラブソング feat. Eve -キタニタツヤ
”愛だ恋だと腑抜けた歌うたって”という部分からは、一般的な恋愛の歌や言葉では表現しきれない、より深い愛の形を求めていることが伝わってきます。
”きみという毒でキマっていたいね”は、主人公が「きみ」の存在が自分にとって欠かせないものであり、「きみ」という毒によって自分が完成すると感じていることを示しているのでしょう。
主人公は相手の存在がなければ自分自身が不完全であると感じているのかもしれません。
歌詞に出てくる”トキシック”は「毒」という意味がありますが、ここでは「きみ」の存在は中毒性があり、「きみ」からの心理的な傷や苦痛が絶えず存在し、その関係から抜け出せない状況にある、ということを伝えたいのではないでしょうか。
何が正しいのか
果たして、価値観は狂った
きみ無しの人生など滑稽さ
片足で立つような現実感
世界の殆どがグレーアウトした
バグりだす脳下垂体の暴走
パキるAM4時過ぎの幻聴
「誰もがお前を愛している」と教えてくれる
消えかけの月明かり
ラブソング feat. Eve -キタニタツヤ
主人公は「きみ」がいない人生は滑稽であり、意味のないものだと感じているようです。
”片足で立つような現実感”というフレーズは、主人公が現実感を持つことが難しく、不安定であることを表現しているのでしょう。
「きみ」が自分の存在の一部となっており、「きみ」がいないと自分の存在自体が揺らぎを感じるということを表しているのかもしれません。
また”世界の殆どがグレーアウトした”という部分は、主人公が周囲の世界が曖昧で、鮮明さを失っているように感じていることを示しているようです。
二人だけの世界が存在しているから、それ以外の世界はくすんでおり、意味を持たなくなっていると感じているのかもしれません。
現実から逃避したい
夜半の祝福さえ朝に食い尽くされ
また息をしづらくなる
誰もが僕を愛していない
ひどい悪夢が現実ならきみを服毒していたい
僕らみたいなクズのためのラブソングはどこ?
ラブソング feat. Eve -キタニタツヤ
主人公には夜の間に得た幸福や喜びが朝になると消えてしまい、再び苦しみや息苦しさが押し寄せる感覚があるようです。
一時的な幸せや喜びが続かず、喪失感や苦痛が支配していると感じているのでしょう。
”誰もが僕を愛していない”という言葉からは、主人公が周囲の人々から愛されていないと感じている様子がうかがえ、自己否定や孤独感に苦しんでおり、自分を受け入れてくれる存在や愛情を求めているのではないでしょうか。
なくてはならない存在
愛だ恋だと腑抜けた歌うたって
きみという毒でキマっていたいね
悲しいことばかりの僕の命、無価値だったみたい
今日も哀願してまたトキシックな逢瀬
きみは有毒で最悪で最愛の、眩しい常闇
まだ抜けない離脱症状
ただ君に渇いている
ラブソング feat. Eve -キタニタツヤ
”悲しいことばかりの僕の命、無価値だったみたい”は、主人公が自分の人生が悲しみや苦痛に満ちていて、自分の存在が無価値であるように感じていることを表現しているようです。
主人公は自己否定や絶望感を抱えており、自分自身の存在に対して希望を見いだせない状態なのでしょう。
そんな状況を何とかしてほしくて「きみ」に会ってしまいたくなるようです。
フレーズに出てくる”眩しい常闇”は一見すると矛盾した言葉の組み合わせですが、ここでは明るさや輝きを持ちながらも暗さや深淵さを持っている「きみ」のことを指しているのでしょう。
「きみ」もまた自分と同じように深い悲しみや苦悩を抱えていますが、「きみ」にはその内側に美しさや魅力が存在するという意味でつかわれているのかもしれません。
まとめ
今回はキタニタツヤの「ラブソング feat. Eve」の歌詞の意味を徹底解釈しました。
「ラブソング feat. Eve」は、主人公の強烈な感情や複雑な心の内側を描写しているようです。
刺激的で破壊的な愛の表現によって、葛藤や苦悩、自己否定といった感情を描き出しており、主人公は「きみ」との関係が異常であることを自覚しながらも、相手のそばから離れることができない、離れたくない様子がうかがえます。
主人公の内面の葛藤や苦悩がリアルに描かれており、愛や人間関係の複雑さや苦悩を描きつつも、その中にある深い渇望や矛盾した感情が浮かび上がっていた歌詞だったのではないでしょうか。
歌詞を聞いて、深く共感する人も多いのではないでしょうか。
これからもmusic.branchwithではキタニタツヤを追って行くのでぜひチェックしてみてください!