【ヨルシカ / 第一夜】の歌詞の意味を徹底解釈 |静かな夜にじっくり聴きたくなる歌詞を紐解く!
執筆・監修: 天野結衣編集: 天野結衣最終更新: 2023/4/10
第一夜という曲名の意味を考察
「第一夜」は聴ける画集『幻燈』第2章踊る動物に収録されている楽曲です。
踊る動物は第一夜から第十夜で終わっており、10個の幻想的な世界が描かれています。
そのため夏目漱石の”夢十夜”を連想させ、そこから第一夜という曲名がつけられたと考えられます。
第一夜という歌詞の意味を徹底解釈
夏風の憶い
貴方だけを憶えている
雲の影が流れて往く
言葉だけが溢れている
想い出は夏風、揺られながら
第一夜 -ヨルシカ
”雲の影が流れて往く”というフレーズは、時間が進んでいることを示唆しているようです。
主人公が想い出を話し出すことで、感情があふれ出てしまっているのでしょう。
主人公の切ない気持ちや複雑な感情を、自然現象である「夏風」の揺れている様子で表現しているようです。
この部分は「貴方」と別れたことに想いを馳せ、主人公の感情を描写していると言えるのではないでしょうか。
切なくも美しいイメージが心に残るフレーズです。
朝の記憶
朝目が覚めて歯を磨く
散歩の前に朝ご飯
窓の向こうにふくれ雲
それを手帳に書き留めて
歌う木立を眺めます
通りすがりの風が運んだ
花の香りに少しだけ春かと思いました
第一夜 -ヨルシカ
このフレーズは詩のように展開されています。
穏やかな朝を描いた歌詞であり、朝の静寂な時間を過ごし、自然と触れ合うことで心が安らぐのでしょう。
主人公は毎日のほんの少しの出来事やいつもと違うことを書き留めることで、小さな幸せを集めているのではないでしょうか。
夏の想い出の影
貴方だけを憶えている
雲の影が流れて往く
言葉だけが溢れている
想い出は夏風、揺られながら
第一夜 -ヨルシカ
主人公は一度会った貴方を深く心に刻み付けているようです。
空に浮かぶ雲の影が静かに流れ去っていく様子を眺めながら、想いが胸に溢れ出してきたのでしょう。
想いを表現する言葉はたくさんありますが、何も伝えられない気がしているようです。
夏の風に揺られるように想い出は揺れ動き、切なさが胸に残っているのかもしれません。
想いを馳せた昼
昼は何処かで夢うつつ
ふらり立ち寄る商店街
氷菓を一つ買って行く
頬張る貴方が浮かびます
想い出ばかり描きます
この詩に込めた表情は
誰にもわからなくていい
いつか会いに向かいます
第一夜 -ヨルシカ
この部分では昼の風景が描かれています。
昼間、どこかで夢見心地で、何気なく商店街を歩いたのでしょう。
もしかするとお昼寝をした後、しっかりと起きるまえに商店街を歩いたのかもしれません。
そして氷菓を一つ買った時に、それを頬張る貴方の姿が目に浮かんだようです。
このことをきっかけに貴方と過ごした日々をたくさん思い出し、何とも言えない気持ちになったのでしょう。
この気持ちや表情は誰にもわからないし、わからなくていい。
いつか会いにいくから、と思ったようです。
夏の記憶
貴方だけを憶えている
雲の影が流れて往く
言葉だけが溢れている
想い出は夏風、揺られながら
第一夜 -ヨルシカ
このフレーズは今までにも出てきました。
”貴方だけを憶えている”というフレーズは、過去に出会った人との思い出を大切に思っているという感情を表現しているのでしょう。
そして、そんな思い出が雲の影に流れて行く様子が描写されており、過去の思い出に対する哀愁を表現しているようでもあります。
思い出に対して言葉では表せない深い感情があるものの、なかなかその言葉には出せないようであり、今も過去の思い出が自分を揺らし続けているようです。
花火と列車の夜
夜に花火を観ています
いつかみたいな人混みで
名前も知らず呼んでいた
白い花を一輪持って
隣町から帰ります
列車の窓を少し開いて
夜がひとひら頬撫でて
風揺れる、髪が靡く
第一夜 -ヨルシカ
夜の風景が出てきました。
夜に花火を観ている主人公は、今回の花火もまた大勢の人々でにぎわっており、そのにぎわっている様子を見ると、特別な人と一緒にいるような気がしているようです。
”夜がひとひら”というフレーズからは、風が気持ちよく吹いている様子を思い浮かぶことができ、風が揺れるたび髪の毛も揺らいだのでしょう。
花火というパッと明るく賑やかな夜と静かで落ち着いた夜の対比が大変美しいフレーズになっています。
夏風が心地よい
貴方だけを憶えている
雲の影が流れて往く
言葉だけが溢れている
想い出は夏風、揺られながら
この歌は夏風、揺られながら
第一夜 -ヨルシカ
主人公は貴方だけを思い浮かべ、懐かしく想い出しているようです。
想い出はまるで夏風のように揺らめきながら、いつかは消えてしまうものだと思ったのでしょう。
貴方への想いを歌にして、いつまでも忘れたくないと考えているようです。
そうすることによって夏風が吹くたびに想い出すことができると考えたのかもしれません。
出逢いの幻想曲
朝目が覚めて歯を磨く
散歩の前に朝ご飯
丘の向こうにふくれ雲
ふいに何かに気付きます
心が酷く震えます
白百合香る道を走って
やっと貴方に出逢えた
そんな夢を見ました
貴方は僕に笑います
ずっと待っていましたと
第一夜 -ヨルシカ
朝目が覚め、いつもの日常が始まったという光景を描いているようです。
眩しい太陽や爽やかな空気、白い雲を見ながら朝ご飯を食べていると、ハッと気が付いたようです。
丘の向こうには待ち望んでいた特別な「貴方」がいた…。
だけれどこれは夢だったようです。
夢であったけれど、その夢の中で「ずっと待っていた」と貴方に言われ、とてもうれしかった様子が記されているようです。
特別な「貴方」は、もしかするとすでに「この世」にはいない存在なのかもしれません。
まとめ
今回はヨルシカの「第一夜」の歌詞の意味を徹底解釈しました。
「第一夜」は、夏の風景に想い出を重ねた切なくも美しい歌詞が綴られています。
歌詞の中で、主人公は貴方という人を一途に想い続けており、その人への愛を歌っているようです。
日常の些細な風景や出来事が、貴方と共に過ごした時間を思い出させ、温かい気持ちにさせてくれるのでしょう。
歌詞の最後で主人公が貴方と再会する夢を見ますが、会えないことの淋しさを歌うのではなく、会えて嬉しいという感情が表現されているように感じました。
歌詞を聞いて、深く共感する人も多いのではないでしょうか。
これからもmusic.branchwithではヨルシカを追って行くのでぜひチェックしてみてください!