【Ado / レディメイド】の歌詞の意味を徹底解釈 |自己表現と社会の間で悩む歌詞を徹底解釈!
執筆・監修: 天野結衣編集: 天野結衣最終更新: 2023/3/7
レディメイドという曲名の意味を考察
「レディメイド」という曲名は、人々が固定観念に縛られず、自分らしく生きることを表現していると感じます。
歌詞中には、大人になって金と愛情で踊ることを期待される社会の圧力と、その圧力から自分を解放し、自分自身と向き合うことが語られているようです。
レディメイドは既製品という意味ですが、歌詞中には、自分を抑え込むよりも自分自身を表現することが大切であることを訴えるメッセージが含まれている気がします。
レディメイドという歌詞の意味を徹底解釈
孤独の叫び
ロンリー..寄る辺ない侘しさに
頬杖ついてるようじゃ変わらないわかってんだよ
メイビー..ありふれたモブなんだって認めてないならいっそ腐るまで叫んで
レディメイド -Ado
このフレーズでは、淋しい気持ちになった時の心情を歌っているようです。
ただ頬杖ついているようじゃ変わらないことは理解しており、自分の置かれた状況を変えたいと思っても、何もしなければ何も変わらないと同じであると言いたいのでしょう。
ありふれたモブなんだと気づいているのにそれを認めないならば、叫びつづけることで気づかせようとしているのかもしれません。
異端者の掟
異端傾(かぶ)けば?赤裸々に
本音ばかりじゃ生きられない
路肩に寝転ぶ人生が
きっとお似合いだなあ
大人になれば溶け込んで金と愛情で踊るのさ
レディメイド -Ado
この部分では自分と周りとの違いを受け入れ、自分自身を見つめることが描かれているようです。
本音を言えば、世間体や流行に翻弄されることなく自己実現を追求できるかもしれません。
普通じゃないけれど、私の人生だからこそ、端っこの方で寝転ぶことも自由でありたいと思っているのではないでしょうか?
”大人になれば溶け込んで金と愛情で踊るのさ”は、大人になるにつれ、社会に順応していくことを意味しているように感じます。
楽ならOK?
1.2.3で弾け飛んだ
固定観念バットで打って
どうだい?どうだい?
楽ならまっいっか
レディメイド -Ado
フレーズ最初に”1.2.3で弾け飛んだ”とありますが、これはリズムを感じてあっという間に踊る様子を表しているようです。
自分の思い込みにとらわれずに発想を広げることを伝えたいようであり、それに対して"どうだい?"と、自分の行動に対して自問自答をし、自己を肯定しています。
いろいろなことを考えていたって仕方がないし、固定観念なんてどうだっていい。楽な方に流れたっていいんじゃないか?と言いたいのかもしれません。
後悔なんてしていない
レディメイドの琴線に
歪みかけてノイズ混じり
後悔?後悔?
やめて黙っていろ
舌に乗った苦い感情ばかりが発火して
レディメイド -Ado
サビの部分では琴線に触れる何かが少しずつ歪んでいき、ノイズが混じったような音が聞こえる、と記しており、自分が考えていたことに対して、第三者がそれでいいのか?と問いかけたようです。
実は後悔をしているのかもしれない、でも後悔しているなんて認めたくないと思っているのではないでしょうか。
最後のフレーズでは、嫌な思い出や苦い感情が溢れてくる。それが不快で吐き出したくても吐き出せないという意味に感じます。
威張っているの?
ダーティー..言葉飲み込めばほら
いい子になるわよなんて顔色窺ってんだよ
ベイビー..歪み出すラブなんだって
オーダーメイドのブランド身につけ威張って
レディメイド -Ado
このフレーズでは恋人が自分に求める言葉を飲みこんで理解をしたふりをすれば、いい子になってあげる。でもそのためには相手の言葉や顔色を伺わなければならない、と気付いているようです。
また、自分たちの愛は歪んでいて、ブランド物を身につけて堂々とした雰囲気を醸し出すことができるとも言っており、自分を必要以上に大きく見せようとしている姿が垣間見えます。
ヒーローぶって何が楽?
舌を鳴らせば下種(ゲス)張りと不適合者は魔女狩りさ
鼻高々にヒーローぶってきっと楽なんだなあ
社会の外は何処ですか? 金も愛情もクソくらえ
レディメイド -Ado
ここでは自分に自信を持たせるために、下品なことを言って他人に上から目線で接していることを表しているようです。また、いわゆる不適合者に対して「魔女狩り」をするような社会的圧力がある、と問題を指摘しているようにも感じます。
社会の中で自分がどこにいるかわからないけれど、お金だの間のと薄っぺらいものはいらないと言っているようであり、社会に対する不満を強く表現しているのではないでしょうか。
既成概念を吹き飛ばす
1.2.3で砕け飛んだ
既成概念真っ赤に塗って
脳内!脳内!
混ぜて笑っていろ
レディメイド -Ado
このフレーズでは周囲の既成概念を壊して、自分たちが自由な発想で物事を考えようとしているのがわかります。
脳内で想像しながら笑って楽しんでいるのではないでしょうか。
黒い感情が渦巻く
レディメイドの延命に
ゲイトかけてノイズはじき
問題!問題!
解かず歌っていろ
塞ぎ込んだ黒い感情ばかりが発火して
レディメイド -Ado
このフレーズは、ルールや常識にとらわれず自由に創作することが大切だというメッセージが込められているようです。
制約や問題を打破して自由な発想でアイデアを形にすることが肝要であると言いたいのかもしれません。
いろいろなことを考えると、自分自身が制約や縛りを感じることがあるかもしれません。
ですがその制約や縛りを不要と思わず、その時に湧き上がってくる閉ざされていた感情やネガティブな感情を解放して、自由な発想を生むエネルギーとして活用することが大切だという意味が込められているのではないでしょうか。
自由な反抗
ね?ほらまた始まった 比較ばかりで飽きたんだ
大人にだけはなりたくなんかない
ああ..天邪鬼なの
ほっといて私?あたし!気付いたの
レディメイド -Ado
歌詞からはなんでもすぐに比較したがるような、大人になるのは嫌だと思っている主人公の気持ちが伝わってきます。
歌詞に出てくる「天邪鬼」は「本心を隠して裏腹なことを言う人」のことであり、ここではそういう大人にはなりたくないという強い意志や自己主張が表現されているように思います。
自分らしく
1.2.3で弾け飛んだ
固定観念バットで打って
どうだい?どうだい?
楽ならまっいっか
レディメイド -Ado
この部分は以前にも出てきたフレーズです。
歌詞からは固定された価値観にとらわれず、自分のスタイルで生きていくことを決めたという自信が感じられます。
他人の評価など気にせず、自分らしく行動することを示唆しているのでしょう。
その先にある道が楽ではないかもしれないけれど、自分のやりたいように生きていければいいか、と思っているのかもしれません。
静寂のレディメイド
レディメイドの琴線に
歪みかけてノイズ混じり
後悔?後悔?
やめて黙っていろ
レディメイド -Ado
このフレーズも同じものが再び出てきています。
”レディメイドの琴線に歪みかけてノイズ混じり”というフレーズからは、レディメイドの感覚に取り憑かれる人の印象的な描写のようであり、やみくもに行動してしまうノイズのような気持ちや、その中で揺れるような感情を表現しているようです。
後半の”後悔?後悔?やめて黙っていろ”という部分は、その後悔に苛まれる人に対しても向けた呼びかけであり、自分を見失わないためにも、とにかく黙っていろと言いたいのかもしれません。
本当の気持ち
1.2.3で砕け飛んだ
既成概念真っ赤に塗って
脳内!脳内!
本当は泣いていた
レディメイド -Ado
歌詞の中に出てくる”1.2.3で砕け飛んだ”というフレーズからは、何かが壊れたという意味があるように感じます。
既成概念を真っ赤に塗ることから、これまでの常識を壊し新しいことに挑戦するという意味が含まれているのではないでしょうか。
”脳内!”と叫ぶのは、頭の中で思考を拡大するという意味合いがあり強さを感じるのですが、最後の最後で表面的には強く振る舞うが実は弱い部分があるという事を白状します。本音が見える部分ですね。
無限ループのなかで
レディメイドの延命に
ゲイトかけてノイズはじき
問題!問題!
解かず歌っていろ
舌に乗った苦い感情ばかりが発火して
レディメイド -Ado
歌詞に出てくる”ゲイト”は、音の始まりや終わりをしっかりとコントロールするための効果音処理のことを指しており、”ノイズ”は、不快な音のことを指します。
このようなことから雑音はうまくコントロールし、問題が起きても何も考えずに行動しろ、と伝えたいのではないでしょうか。
最後のフレーズでは"黒い感情”から”苦い感情”へと変わっており、苦い思い出や嫌な出来事など、辛い感情がどうしても心の中から消えないことを表しているように感じます。
辛い感情が生み出す苦しみが描かれ、何とも言えない痛みに打ち克つ勇気や希望を感じられます。
まとめ
今回はAdoの「レディメイド」の歌詞の意味を徹底解釈しました。
「レディメイド」は、自分自身と向き合い戦うことに関しての強いメッセージが込められているようです。
社会になじまなくても自分自身で生きていくことが重要であり、自分を偽る必要はなく、自分自身を表現することが必要であることを歌っているのではないでしょうか。
また、自己表現に対しての周りからの批判に対しても、自分自身の信念を曲げずに生きることが大切であるというメッセージが込められているようです。
歌詞の中で”楽ならまっいっか”と歌う部分は、自己表現と社会との間で思い悩む若者の感情を表現しているように感じました。
歌詞を聞いて、深く共感する人も多いのではないでしょうか。
これからもmusic.branchwithではAdoを追って行くのでぜひチェックしてみてください!